2025年のDX取り組みを総点検!2026年に向けた製造業DX戦略立案ガイド

著者:篠田 光貴(しのだ みつたか) 2025年のDX取り組みを総点検!2026年に向けた製造業DX戦略立案ガイド
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篠田 光貴(しのだ みつたか) ブランディング戦略室

2007年3月入社。
入社以来、東海地区を中心に生産管理システム「TECHSシリーズ」の営業に従事。その後ブランディング戦略室にて、広報・企画・マーケティングを担当。
IT利活用での効率化はもとより、お客様の企業変革を行う仕組みや企業ブランディング、マーケティングのご提案をいたします。

年末年始は、一年の振り返りと来年の計画を立てる絶好のタイミングです。
2025年、あなたの会社はDXにどのように取り組みましたか?
生産管理システムの導入を検討しましたか?
AI活用に一歩踏み出しましたか?

この記事では、2025年のDX取り組みを客観的に評価し、2026年に向けた具体的な戦略を立案するための実践的なガイドをお届けします。
年末年始の時間を使って、じっくりと自社のDX戦略を見直してみませんか。

1.なぜ今、年末年始にDX戦略を見直すべきなのか

年末年始は、経営者にとって「経営の棚卸」に最適な時期です。
日常業務から少し離れ、中長期的な視点で自社の経営を見つめ直すことができます。

戦略見直しの時期

製造業のDX推進において、以下のような理由からこの時期の戦略見直しが重要です。

✅ 予算申請のタイミング
多くの企業では、1月~3月にかけて次年度の予算を確定します。
DX投資の必要性を経営層に説明し、予算を確保するには、
年末年始のうちに具体的な計画を練っておく必要があります。

✅ 新年度準備の最終機会
4月から新体制でDXプロジェクトをスタートさせるためには、
1月~3月が準備期間となります。この3ヶ月を有効活用するためにも、
年末のうちに方向性を固めておくことが重要です。

✅ 冷静な判断ができる時期
繁忙期の合間である年末年始は、目先の業務に追われることなく、
本質的な課題と向き合える貴重な時間です。

2.【診断】あなたの会社は今、どのDXステージ?

まずは、自社の現在地を正確に把握することから始めましょう。
あなたの会社のDX成熟度をチェックしてみてください。

5分でわかる!DX成熟度診断チェックリスト

テクノアの「DX変革ロードマップ」に基づき、
5つのステップごとに4問ずつ、全20問のチェックリストを用意しました。

STEP1: DX推進の目的を明確にする(4問)
□ DX推進の目的が経営層から現場まで共有されている
□ 3~5年後の自社の目指す姿が明文化されている
□ DX推進の責任者が明確に定められている
□ 現状の課題が数値で把握できている

STEP2: デジタイゼーション(4問)
□ 紙の帳票をExcelやシステムに移行している
□ 受注情報がデジタルデータで管理されている
□ 図面がファイルサーバーで一元管理されている
□ 在庫・進捗情報がリアルタイムで確認できる

STEP3: デジタライゼーション(4問)
□ 生産管理システムが導入され、業務が連携している
□ 原価データが自動で集計・分析できる
□ 部門間でデータが共有され、二重入力がない
□ データに基づいた意思決定が行われている

STEP4: デジタルトランスフォーメーション(4問)
□ AIやIoT技術を業務に活用している
□ 取引先との受発注がシステム連携されている
□ 新しいビジネスモデルの検討・実験を行っている
□ データ活用で新たな付加価値を提供している

STEP5: 継続的改善(4問)
□ DX推進のPDCAサイクルが定着している
□ 現場から改善提案が自発的に出てくる
□ デジタル人材の育成プログラムがある
□ 組織文化として変革マインドが浸透している

診断結果とアドバイス

【0~5点】スタートライン段階
まだDXの第一歩を踏み出したばかり、またはこれから始めるフェーズです。
まずは「現状の見える化」から着手しましょう。

📌 推奨アクション
– 生産管理システムの導入検討
– IT経営コンサルティングへの相談
– 経営層とのビジョン共有ミーティング

【6~10点】デジタイゼーション進行中
アナログからデジタルへの移行が進んでいる段階です。
次は「業務全体の連携」を目指しましょう。

📌 推奨アクション
– 業務フローの全体最適化
– IT経営コンサルティングへの相談
– AI・IoT技術の導入検討

【11~15点】デジタライゼーション段階
業務のデジタル化が進み、データ活用が始まっています。
次は「新たな価値創造」にチャレンジしましょう。

📌 推奨アクション
– 企業間データ連携の実現
– AIを活用した高度なデータ分析
– 経営課題改善に向けた意識改革

【16~20点】DX実践段階
素晴らしい!あなたの会社はDXの先進企業です。
さらなる高度化と、他社への展開支援を目指しましょう。

📌推奨アクション
– 最先端技術の継続的な導入
– 業界のロールモデルとして事例発信
– パートナー企業とのDX共創

3.2025年、製造業DXの振り返りと2026年のトレンド

2025年、製造業のDX分野では大きな動きがありました。主要なトピックを振り返ってみましょう。

2025年を振り返る:製造業DXの3大トピック

トピック1:生成AIの業務活用が本格化

ChatGPTをはじめとする生成AIが、中小製造業様の現場でも実用段階に入りました。

具体的な活用例
– 技術文書の作成・翻訳
– Excelマクロの自動生成による業務効率化
– 製造現場のトラブルシューティング支援
– 見積書・提案書の下書き作成

トピック2:クラウド化の加速

オンプレミス(自社サーバー)からクラウドへの移行が加速しました。
特に注目すべきは「導入スピード」の劇的な向上です。

従来: システム導入に3~6ヶ月
現在: クラウド型なら最短1日で運用開始

これにより、「まず試してみる」というスモールスタートが
可能になりました。

トピック3:サプライチェーン全体のデジタル化

クラウド化が進むとともに、企業間データ連携が加速しました。
受発注業務のペーパーレス化やデータの自動連携により、サプライチェーン全体の効率が大きく向上しています。

導入事例
京セラみらいエンビジョン様:75時間/月の工数削減
ちぼりホールディングス様:単価情報の一元管理を実現

2026年に押さえておくべき3つのDXトレンド

それでは、2026年はどのような動きが予想されるでしょうか。
3つのキーワードで見ていきましょう。

トレンド1:AI活用の拡大

「月額2万円から」の時代へ
2026年1月、テクノアの『AI類似図面検索』にLite版(月額2万円~)が登場します。

これまでAI導入は「高額・大企業向け」というイメージがありましたが、
もはや中小製造業様でも手軽に導入できる時代になります。

AI活用は「するかしないか」ではなく「いつ始めるか」の問題になってきています。

トレンド2:セキュリティへの意識向上

サイバー攻撃の脅威が高まる中、
クラウドサービスのセキュリティレベルも向上しています。

2026年のポイント
– クラウドサービスに高レベルの暗号化が標準装備
– 従来の「境界型セキュリティ」ではなく、全てのアクセスを検証する「ゼロトラスト」の普及
– 中小企業様向けセキュリティ診断サービスの拡充

「クラウドは不安」という時代は終わり、
「適切に使えば安全」という認識が広がります。

トレンド3:人材育成のDX化

外部から高額でデジタル人材を採用するのではなく、
社内で育成する動きが加速します。

テクノアの取り組み
TECHSユーザー様向け人材育成プログラム「TMS(TECHS Master School)」では、
– 生産管理システムの利活用
– ITスキル・ビジネススキルの向上
– 経営戦略の理解

など、総合的な人材育成を支援しています。

4.成功企業に学ぶ「段階的DX」の進め方

実際にDXで成果を上げた企業の事例から、成功のパターンを学びましょう。

パターン1:段階的導入で着実に成果

株式会社NISSYO様の事例

課題:業務量が急増する中、人員増加を最小限に抑えたい

取り組み:一度に全てを変えるのではなく、優先順位をつけて段階導入

STEP1:TECHS-S NOAで生産管理の見える化
STEP2:BtoBプラットフォーム受発注で取引先連携
STEP3:データ活用で業務プロセス全体を最適化

成果:
– 業務量3倍増に対応
– 増員を最小限に抑制
– 取引先とのコミュニケーション強化

学び:「一気に変えよう」とせず、効果の出やすいところから着手し、段階的に拡大していくのが成功の秘訣です。

パターン2:原価管理から始める収益改善

株式会社大東様の事例

課題:製品別の収益性が不透明で、赤字製品が放置されていた

取り組み:TECHS-BK + IT経営コンサルティングの伴走支援

STEP1:製品別原価を正確に把握
STEP2:赤字製品を特定し、原因を分析
STEP3:原価の「見せ方」を工夫し、現場の士気を高揚
STEP4:全社一丸となって改善活動

成果:
– 赤字製品を一気に黒字化
– 現場のモチベーション向上
– 収益体質の強化

学び:DXは「システムを入れること」が目的ではありません。「見える化 → 分析 → 改善アクション」のサイクルを確立することが本質です。

パターン3:AI活用で業務効率を劇的に向上

株式会社フォーバンド様の事例

課題:
– 見積業務が属人化
– 図面検索に時間がかかる
– 残業時間が多い

取り組み:AI類似図面検索の導入

STEP1:既存のファイルサーバーと連携
STEP2:自社の図面に特化したAIを構築
STEP3:全社員が活用できる体制を整備

成果:
– 残業時間が半減
– 見積精度の向上
– 取引先からの信頼度UP

学び:AIは「目的」を明確にすれば即効性があります。「とりあえず導入」ではなく、「この課題を解決するために使う」という明確な目標を持つことが重要です。

共通する成功要因

3社の事例に共通するポイントは以下の通りです。

✅ 明確な課題設定:何を解決したいのかが明確
✅ 段階的なアプローチ:一気に変えず、スモールスタート
✅ 現場の巻き込み:トップダウンだけでなく、現場と一体
✅ 継続的な改善:導入して終わりではなく、PDCAを回す
✅ 外部の知見活用:専門家の伴走支援を受ける

【まとめ】2026年を飛躍の年にするために

年末年始の今こそ、2025年の取り組みを振り返り、2026年に向けた具体的な計画を立てる絶好のタイミングです。

この記事でご紹介した診断ツールやワークシートを活用し、自社に合ったDX戦略を描いてみてください。

重要なポイント
1. 現状を正確に把握する(診断ツール活用)
2. 優先順位をつける(全てを一度に変えない)
3. 投資対効果を試算する(経営層の理解を得る)
4. 成功事例に学ぶ(独りよがりにならない)
5. 専門家を頼る(伴走支援を受ける)

テクノアは、中小製造業様のDX推進を製品提供だけでなく、IT経営コンサルティングなどの伴走型支援を通じてトータルでサポートします。

年末年始の時間を使って、じっくりと自社の未来を描き、2026年を飛躍の年にしていきましょう。

 

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