原材料・包装資材の受発注・仕入業務をデジタル化し、単価情報の一元管理と取引先との迅速な情報共有を実現
株式会社ちぼりホールディングス 様株式会社ちぼりホールディングス様(以下、ちぼりホールディングス様)は、1946年創業の贈答用アソートクッキー生産で国内トップシェアを誇るお菓子メーカーです。
全社的な業務改善の一環として、原材料や包装資材の仕入業務に注目し、『BtoBプラットフォーム 受発注 for 製造業』(以下、BtoBプラットフォーム)を導入。デジタル化・ペーパーレス化を進め、仕入単価の適正管理や取引先との迅速かつ正確な情報共有を実現しました。
そこで、管理本部 デジタルソリューション部 課長 黒田一行様に、導入の経緯や効果などについて伺いました。
商 号 | 株式会社ちぼりホールディングス |
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所在地 | 神奈川県湯河原町 |
設 立 | 1946年1月 |
資本金 | 50,000,000円 |
従業員数 | 96名 ※グループ総数676名(2025年4月) |
事業内容 | 菓子および食品の製造販売、酒類の輸入および販売、菓子製品の輸出および輸入、菓子製造に伴う原材料の輸出入および販売、上記各号に付帯する一切の業務 |
ホームページ | https://www.tivoli-hd.com/ |
「おいしいお菓子でみんなを幸せにする」老舗お菓子メーカー
-ちぼりホールディングス様の事業内容を教えてください。
「ちぼりホールディングスは、1946年創業の贈答用アソートクッキー生産国内トップシェアのお菓子メーカーです。ちぼりグループは、神奈川県湯河原町に本社を構え、神奈川・山梨の4つの工場で個性豊かで多彩なお菓子を製造しています。
『おいしいお菓子でみんなを幸せにする』という企業理念のもと、スーパーやコンビニエンスストア、洋菓子店などに向けて『赤い帽子』や『ちぼりチボン』をはじめとする7つのブランドを展開しています。ちぼりグループの第3代社長 樋口浩司は、日本人で初めてドイツ国家資格である製菓マイスターを取得し、体系的な製菓技術を確立しました。師であるハンス・ヘルマン教授からの『お菓子のおいしさを決めるのは99%は原料。あとはそれを生かす技術』という教えをそのままに、最適な原料を世界中の産地から直接仕入れ、現在は20カ国以上へ商品を届けています」
長年愛される贈答用クッキー詰め合わせ しあわせの「赤い帽子」
「赤い帽子」シリーズの1つ 「KUKKIA」
全社的な業務改善でシームレスな連携と仕入単価の管理を実現
-導入の背景を教えてください。
「小麦・バター・砂糖・牛乳などの原材料や包装資材の仕入業務は、これまで電話やFAXで行ってきました。取引先から得た情報は納品書を基に生産管理システムへ手作業で入力していましたが、昨今、仕入単価が頻繁に改定される中で、最新単価の反映漏れや入力ミスが課題となっていました。また、請求書の内容を照合した際、社内システムと異なる場合に取引先や社内担当者に都度確認が必要で、財務処理にも多くの時間を要していました。社内のデータ精度向上及び、財務処理時間軽減のための解決策としてシステム導入を検討し始めました」
-どのようなシステムを探していましたか。
「受発注プラットフォームを自社開発し、セキュリティを担保するのは現実的ではありませんでした。そこで外部連携機能を備え、自社の生産管理システムともシームレスに連携できるサービスを探していました。特に仕入単価の適正な管理の実現が必須条件でしたが、BtoBプラットフォームなら対応可能と分かり、具体的に導入を検討しました。さらにBtoBプラットフォームは比較的安価で、業務改善効果により導入コストを十分に回収できると見込めたことも決め手でした」
取引先向けの導入説明会の開催により、スムーズに立ち上げ
-導入を進める上で、良かったことはありますか。
「取引先向けに導入説明会を実施していただき、さらにその内容を動画で共有いただけたことで、1社ずつ個別説明する手間を省けました。何社かから個別の質問はありましたがそれだけで済み、取引先様の導入に伴う負担を最小限にすることができ、想定以上にスムーズに立ち上げられました」
-反対に、大変だったことはありますか。
「社内に発注システムがなかったため、一から開発する必要がありました。その際、BtoBプラットフォームとの連携で、どの項目をどこに出力するかなど調整に手間がかかりました。また、従来の作業に比べ、確認フェーズが追加されたため、新しいルールを社内や取引先に理解いただく説明と協力依頼が難しく感じられました」
紙文化からの脱却、現場担当者も前向きに変化
-BtoBプラットフォーム導入後、どのような効果がありましたか。
「生産管理システムへの入力ミスが軽減され、業務が楽になりました。納期回答や入荷情報を簡単に連携でき、手作業の入力が大幅に削減できました。注文書作成・FAX送信、納期や単価調整にかかる時間も月30時間以上短縮でき、担当者の負担を大幅に軽減しました。紙に慣れていた現場の発注担当者も、最初はあまり前向きではありませんでしたが、実際に使ってみるとペーパーレス化のメリットを実感し、協力的になってくれました」
-当初の課題であった仕入単価の管理も改善されましたか。
「はい。BtoBプラットフォーム上で常に最新単価を共有でき、社内の単価情報の鮮度が向上しました。その結果、単なる工数削減にとどまらない質的な効果を実感しています」
今後の展望について
中心となって導入を進めた 管理本部 デジタルソリューション部 課長 黒田 一行 様
-今後の展望について教えてください。
「今後は原材料・包装資材だけでなく、社内備品など他の受発注業務もデジタル化し、さらなる業務改革を進めていき、グループ全体のデジタル化を推進していきたいです」
–取材を通じて、黒田様が部分的なデジタル化ではなく、業務全体のデジタル化によって業務そのものを改革していくことの重要性を強調され、熱心に語っていたことが印象的でした。
≪取材にご協力いただき、ありがとうございました。福光(2025年8月)≫
※部署、役職、内容等は、すべて取材当時のものです。