大型モニタで工場の情報共有が変わる!サイズ・設置・通信環境の選び方
著者:ものづくりコラム運営
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工場に大型モニタを導入する取り組みは、「情報を待つ現場」から「情報を見て自ら動く現場」へと組織を変えるきっかけとなります。 機器の選定から通信環境の構築まで、中小製造業様向けに実践的な判断基準をまとめました。
※本記事で紹介する大型モニタや通信機器は、テクノアが提供するものではなく、各企業様が自社の環境や目的に応じて独自にご用意・導入された取り組みの例です。現場主導の工夫としてご参考になさってください。
【この記事の要点】
• サイズの目安:10〜20名規模なら55〜65インチ。複数人での閲覧にはIPSパネルが適しているとされています。
• 設置・通信:レイアウト固定なら有線LANと壁掛け、変動が多い現場なら無線LANとスタンドが選ばれています。
• 導入の効果:生産管理システム『TECHS』シリーズの日程計画機能と組み合わせる取り組みを進める中で、納期遵守率100%水準や残業時間削減に繋がった実例が存在します。
1.進捗を「見える化」すると、工場はどう変わるか
情報が見える環境を整えることが、現場の自律的な働き方につながる大きな一歩となります。
100名規模までの中小製造業様において、工程管理にホワイトボードや口頭確認を活用されるケースは依然として多く存在します。 これらは手軽な反面、情報の更新が遅れたり、工場全体への共有に時間がかれたりする課題が生じます。 特定の担当者に確認しなければ状況が分からない環境は、結果として作業の手戻りや待ち時間を生む原因となります。
大型モニタに生産管理システムのデータを常に映し出すことで、現場の誰もが最新の状況を同じタイミングで確認できる環境が生まれます。 「今どの工程がどの状態か」が一目でわかる状態にする取り組みを進める中で、次に何をすべきかを自分で判断できる社員が増えてきたという声が多く聞かれます。 現場が自ら考えて動く仕組みづくりこそが、大型モニタ導入の目的です。
2.実践・自社に最適な大型モニタのサイズ・パネルの選び方
視聴目安距離と、同時に何人で見るかを判断基準にすることが、最適なサイズ選びの結論となります。
大型モニタのインチ(型)は画面の対角線の長さを指します。 機器はお客様が自社の環境に応じてご用意されるものですが、一般的な目安として押さえておきたい基準を解説いたします。
視聴距離と人数の目安から考えるサイズ(インチ数)
| 使用シーン・向いている現場 | 参考サイズ | 視聴距離の目安 |
| 小規模現場・朝礼や昼礼 | 40〜50インチ | 約 1〜1.5m |
| 10〜20名規模の工場フロア | 55〜65インチ | 約 1.5〜2.5m |
| 大規模工場・全社共有エリア | 75インチ以上 | 約 3m以上 |
視野角(パネル種類)の選び方
斜めから見たときに色やコントラストが変化しにくい「視野角の広さ」の確認も、工場では重要な要素となります。
| パネルの種類 | 視野角の広さ | 工場での特性(適用シーン・向いている現場) |
| IPS | 広い(上下左右178度程度) | 斜めからでも色が変わりにくく、複数人が多様な角度から閲覧する現場に向いている |
| VA | 広いが斜めでコントラスト低下あり | 正面からの視認性が高く、正面に集まって確認する現場に向いている |
| TN | 狭い(上下方向で特に低下) | 複数人や離れた位置での閲覧には不向きな場合がある |
複数人が異なる位置から確認する現場では、IPSパネルを採用したモニタが選ばれることが多いとされています。
3.壁掛け vs. スタンド——設置方法の選び方
固定して使うか、移動させて使うかで、日々の使い勝手や最適な設置方法は大きく変わります。
| 比較項目 | 壁掛け | スタンド(置き型) |
| 設置コスト | 壁面工事が必要な場合あり | 工事不要ですぐに使える |
| 安定性 | 高い(転倒リスクが低い) | キャスター付きなら移動可能 |
| 位置変更 | 困難 | 比較的容易 |
| 向いている現場 | レイアウト固定の工場、主要通路、食堂 | 朝礼場所が変わる現場、レイアウト変更が多い現場 |
壁掛けの場合は、モニタ背面の「VESA規格」対応ネジ穴を事前に確認することを推奨いたします。 賃貸工場などで壁への穴あけに制限がある場合は、キャスター付きスタンドやポールスタンド型が有力な選択肢となります。 設置方法も各企業様が自社の建物環境に応じて対応されています。
4.通信環境の準備——有線・無線の選び方
画面を表示するには、接続するパソコンと安定したネットワークの準備が必須となります。
大型モニタに生産管理システムの画面を表示するには、通信環境を各企業様が自社の環境に応じてご用意いただく形となります。 工場ならではの注意点も存在するため、以下の比較表をご確認ください。
| 項目 | 優先LAN | 無線LAN |
| 通信の安定性 | 高い | 環境により変動あり |
| 設置の自由度 | 低い(配線が必要) | 高い(ケーブル不要でスッキリ) |
| 工場内干渉リスク | ほぼなし | 機器や環境により発生することがある |
| 向いている現場 | 固定設置の現場、常時安定表示を求める現場 | スタンド等でレイアウト変更が多い現場 |
工場内では、モーターや無線カメラなどから電波干渉が発生しやすく、Wi-Fiの通信品質が低下することがあります。 無線LANを選ばれる場合は、IT部門と現場部門が連携した上で、事前の電波環境調査をおすすめいたします。
5.【事例から学ぶ】導入企業様の「見える化」実例集
具体的な事例から、自社の現場に置き換えた運用イメージを描くことが成功への近道となります。
以下の事例は、各企業様がご自身の判断で大型モニタを用意・設置し、生産管理システム「TECHS」のデータを活用されている取り組みの一部です。
- 日本サカス株式会社様(金属製品製造業)
- 1週間分の出荷予定表を現場で見える化する取り組みなどを進める中で、現場主体の製作・出荷管理が定着し、結果として納期遵守率100%水準での運用に繋がりました。
事例の詳細を見る:大型モニタで進捗を見える化!受注増の中、業務の効率化で月143時間の工数を削減 - 株式会社フォーバンド様(機械部品製造業)
- 日程計画や受注残などを全社員に見える化する取り組みを進める中で、社員が状況を把握しながら自ら考えて動く社風へと変わる結果に繋がりました。
事例の詳細を見る:情報の「見える化」で社員が自ら考え、行動する社風に - 株式会社ビサン様(金属加工)
- TECHSの日程計画機能と大型モニタを組み合わせ、ガントチャートの見える化に取り組む中で、月間残業時間の減少と新規受注増加という結果を達成しました。
事例の詳細を見る:大型モニターで日程を見える化 社員の納期意識が向上 - 株式会社ミドリ産工様(順送プレス金型)
- 大型モニタを活用した見える化の取り組みを進める中で、納期遵守率はほぼ100%水準、納期前倒し率は80%水準で推移する結果に繋がりました。
事例の詳細を見る:大型モニタで進捗を見える化、納期遵守率100%を実現
6.よくある質問(FAQ)
| Q1.テレビを代わりに使ってもよいですか? |
| A1. 単に映す目的であれば家庭用テレビでも代用できるとされています。ただし、工場特有の長時間点灯への耐久性や、視野角の広さにおいて業務用モニタより劣る場合があります。実用性を考慮し、「業務用ディスプレイ」を選択される企業様も多くいらっしゃいます。 |
| Q2.無線LANで運用したい場合、事前の注意点はありますか? |
| A2. 工場内は設備機器による電波干渉が起きやすい環境です。レイアウト図面をもとに現地で障害物の高さや材質を確認し、電波環境を一元管理できる体制を整えておくことが望ましいとされています。 |
| Q3.海外の技能実習生がいる現場でも伝わりますか? |
| A3. 工程ごとに色を設定して大型モニタに表示する取り組みを進める中で、言語に依存せず視覚的に状況を伝えやすくなったという声があります。色や図形による直感的な表示が、言葉の壁を補う場面で役立っています。 |
まとめ:実物を見て、自社の運用イメージを膨らませよう
大型モニタによる「見える化」は、サイズ・視野角・設置方法・通信環境をセットで捉えることが重要です。 映し出すデータをリアルタイムで更新できる生産管理システムとの組み合わせが、現場が自ら動く環境を築くための近道となります。
実際の距離感や見え方、そして現場の皆様がどのようにモニタを活用して動き方を変えているのかは、実物を見るのが一番の解決策です。 株式会社テクノアでは、TECHSの活用現場を実際にご覧いただける「工場見学会」を実施しております。 ぜひ見学会にお越しいただき、自社の現場に最適な仕組みづくりのヒントをお持ち帰りください。
▼ TECHSの活用現場を実際にご覧になりたい方は、工場見学会にお越しください。
















