大型モニターで日程を見える化 社員の納期意識が向上
株式会社ビサン 様最新設備と確かな技術で「次世代の町工場」を目指す金属加工メーカー
株式会社ビサン様は、岡山県の備讃瀬戸地域に工場を構える金属加工メーカーです。
2010年代、造船不況の影響を受けて経営状態が悪化した時、尾﨑進社長は、「次世代の町工場になれば会社は育つ」と考え、最新の二次元レーザー加工機を導入しました。これにより加工範囲が広がり、販路が拡大しました。
その後も、補助金を活用した最新設備の導入とICT化を積極的に進めることで、現在は「ものづくり岡山を世界へ」を目標に、10年ビジョンを掲げながら、大きく成長されています。他社では難しいとされる長尺・大型材の加工をはじめ、図面展開・製作から納品までをワンストップで対応できることが大きな強みです。
【今回お話を伺った方】
代表取締役 尾﨑 進 様
商 号 | 株式会社ビサン |
---|---|
所在地 | 岡山県岡山市 |
設 立 | 2006年7月 |
資本金 | 500万円 |
従業員数 | 7名 |
事業内容 | 金属加工、製缶、塗装、防音パネル製造及び整備、パイプ製缶 |
ホームページ | https://bisan-thanks.com/ |
工程管理強化のためにTECHS-BKを導入
「以前、工程管理は手組ソフトのガントチャートを使用していました。しかし、修正時には大変手間がかかり、使い勝手が良くありませんでした。
当社で働く外国人従業員にも視覚的にわかりやすく日程管理ができるシステムを探していたところ、TECHS-BK (以下、TECHS)に出会いました。
TECHSの日程計画オプションは、一目で日程を把握しやすく、日程変更があった場合にも、マウス操作で簡単に調整できる点が大変魅力的でした。また、既存の機械データとも連携できることが分かり、TECHSの導入を決定しました。 」
大型モニターで日程計画の見える化、社員の納期厳守意識が向上
一人あたり残業時間を月20時間削減
「当社は、当日の朝注文を受け、昼には納品という超短納期の注文に対応することもあり、納期遵守には大きなこだわりがあります。
そのため、TECHS導入を機に、大型モニターにガントチャートを表示し、日程計画の見える化を行いました。急な日程変更が生じた場合でも、負荷分散しながら、スケジュール調整ができます。社員には、朝礼と昼礼で画面を見ながら納期の注意喚起を行っています。また、工程ごとに色分け表示できるため、ベトナム人技能講習生に対しても、視覚的にわかりやすく説明できています。社員たちは、常に最新のスケジュールや仕事の流れを把握できるようになり、より効率的に作業を進めてくれるようになりました。その結果、一人あたりの月の残業時間を20時間削減できました。
お客様からは、迅速な納期回答と納期遵守を評価していただき、新たな仕事の依頼も増えています。」
大型モニターで日程計画を見える化
作業指示書の発行工数を月10時間削減
「TECHS導入により、作業指示書の発行工数を月に10時間削減できました。以前は、作業指示データを一から手入力する必要がありましたが、TECHSではリピート品の製品情報や工程パターンをマスタに登録しておくことで、自動で展開してくれます。また、過去のデータ参照もできるため、類似品の作業指示書データもスムーズに作成できるようになりました。」
iPad実績収集オプションで、実績の登録・集計工数を月20時間削減
「作業実績は、iPad実績収集オプションで登録しています。これにより、実績の登録や集計にかかる工数を、月に約20時間削減できました。作業担当者は、iPadで作業指示書のQRコードを読み取り、工程の作業開始時、作業終了時にボタンをタッチするだけで、作業実績を登録できます。その情報は、サーバーを通じて、TECHSや大型モニターの日程計画画面にリアルタイムに反映します。そのため、システムにわざわざ実績を手入力する必要もなくなり、今誰が何の作業を行っているのか、工程がどこまで進んでいるかも一目瞭然になりました。」
iPad実績収集
EUC Toolで各種データを素早く集計
「EUC Toolは、欲しいデータをボタンひとつで瞬時に抽出・集計ができるため、多くの場面で活用しています。
受注残データを納期遅れ防止に役立てたり、リピート品や主要製品の工数集計を、次回の見積積算に利用したりすることで、見積精度の向上につなげています。
また、取引先ごとの売上金額の集計工数を、月に約20時間削減できました。以前は手書きで作成した伝票を取引先ごとに仕分けした後、転記して集計していたため、ミスも多発していましたが、今はEUC Toolが自動で集計してくれます。
日報データのチェックの際も、入力漏れがあれば、すぐに気づいて修正できるようになりました。」
ITによる取組で様々な賞を獲得
「これらのITを活用した経営などが評価され、2020年に岡山県経営革新アワードでグランプリ、おかやまIT経営力大賞でチャレンジ特別賞を受賞することができました。TECHSを利用した情報の一元化、見える化に積極的に取り組んできた成果が受賞につながったのだと思います。従業員わずか7名の小さな会社がこのようなすばらしい賞を受賞でき、大変光栄に思います。」
今後の展望
「デジタル化や設備投資の一番の目的は、利益を追求することではありません。最も大切なのは、お客様や従業員に喜んでもらうことです。その結果が利益につながるのだと思います。この理念を会社全体に浸透させ、従業員と一丸となって仕事に取り組んでいきたいです。
当社が行ってきた設備投資やデジタル化は、補助金なくして実現することはできませんでした。その恩返しとして、今後も社会貢献になるようなCSR活動を継続していきます。」