【導入事例】生産管理システム|半導体製造装置 製造業

【導入事例】生産管理システム|半導体製造装置 製造業

半導体はスマートフォンや自動車、家電、産業機器に至るまで、あらゆる製品に欠かせない存在です。その製造に用いられる「半導体製造装置」は、精密さと高度な技術力が求められる日本の基幹産業のひとつです。装置の多くは個別受注型で設計から製造までオーダーメイドで行われ、しかも部品点数が非常に多いため、生産管理の難易度は高いといえます。

こうした背景から、半導体製造装置業界では生産管理システムの導入が進んでいます。本コラムでは、中小製造業がシステムを導入する際に押さえておきたいポイントを整理しました。

1.半導体製造装置の製造業と生産管理システム

半導体製造装置にはどんな種類があるのか?

半導体製造は、「前工程」と「後工程」に大別されます。前工程ではシリコンウエハーに回路を形成し、後工程でパッケージングや検査を行います。そのため製造装置も多岐にわたります。代表的なものを挙げると次の通りです。

・露光装置(Lithography Equipment)
ウエハーに回路パターンを転写する装置。極めて高精度な光学技術が必要。
・エッチング装置(Etching Equipment)
不要な部分を削り取り、微細加工を施す装置。
・成膜装置(Deposition Equipment)
ウエハー上に薄膜を形成する装置。CVD、PVD などの方式がある。
・洗浄装置(Cleaning Equipment)
微粒子や汚染物を除去し、工程ごとの品質を保つ装置。
・検査・計測装置(Inspection & Metrology Equipment)
欠陥やパターン精度を確認する装置。

これらはいずれも一品ごとに仕様が異なり、顧客要求に合わせた設計・組立・試験が必要です。

個別受注型ならではの生産管理の課題

半導体製造装置の製造は、標準品の量産とは大きく異なり、以下のような課題が生じやすい傾向があります。

・部品点数が膨大:数万点規模の部品管理が必要になる場合もある。
・長納期の部品が多い:特殊加工や海外調達などで手配管理が重要。
・部分完成・検収への対応:顧客現場での据付や立上げまで含まれることも多く、部分的な納品・検収が発生する。
・設計変更が頻繁:開発要素を含む案件では、製造途中で仕様変更が起こることも少なくない。

これらを紙やExcelだけで管理するのは限界があり、進捗遅延や手配漏れといったリスクにつながります。

システム導入時に押さえておきたいポイント

半導体製造装置のような個別受注型・組立型の業種では、次の点を満たすシステムを選ぶことが成功の鍵となります。

💡部品表(BOM)と設計変更への柔軟な対応
部品点数が多く、途中変更も発生しやすいため、BOM連携やバージョン管理が必須。
💡長納期部品の手配管理
設計段階での先行手配や納期アラート機能が有効。
💡部分完成・検収への対応
一部装置の納入や検収をシステム上で処理できる仕組みが求められる。
💡工程進捗と負荷の見える化
組立工程のボトルネックや外注工程を含めてリアルタイムに把握できることが重要。
💡トレーサビリティ確保
半導体業界では品質保証要求が高いため、部品ごとの履歴やロット管理が必要。

2.導入事例に学ぶ、半導体製造装置業の生産管理

Case-01.[半導体製造装置・検査装置] アテル株式会社 様(広島県)

\\扱いが難しい特殊ウェハ対応と目視検査の自動化の分野に重点を置く//

全社での情報共有で納期遅れを大幅削減!仕掛中から原価を低減に成功
商 号 アテル株式会社
所在地 広島県
設 立 2004年4月
資本金 1,000万円
事業内容 半導体、液晶基板搬送装置等精密機器の開発及び設計・製造・販売、電子回路の研究開発及び設計・製造・販売、エレクトロニクス関連装置の開発及び設計・製造・販売
ホームページ https://atel-corp.co.jp/
導入システム 生産管理システム『TECHS-S
導入前の課題 ・以前は、受注や入荷は販売管理システムで、原価はExcelで管理しており限界を感じていた
導入効果
改善内容
発注業務の工数が10分の1以下に減少
・部品表の取り込みで転記作業がなくなり、1案件につき資材担当者3人で3日ほどかかっていた発注が1.5人、半日で終わるようになった
・ハンディターミナルを活用した現品票の運用で、納品時の仕分けの労力が100分の1
・買掛の締処理にかかる日数が、1カ月から2日に大幅短縮
・仕掛中から原価を低減、20日間の集計工数も不要に

【担当者様のコメント】
「TECHSの一番の導入効果といってもいいのが、リアルタイムな原価管理です。案件の仕掛段階から原価を確認することで、装置の構造を見直すなどの対策ができるようになりました。こうした原価低減活動と改良を何度も繰り返すことで、主力製品となる新製品や、機種ごとに、お客様のご要望に合わせた様々なオプションを用意し、さらに付加価値を高めています。」
「生産管理システムのいい点は、誰でもすぐに、業務に必要な最低限の機能を使えるところです。資材の業務は覚えることが多いです。しかし、入荷状況の確認などのTECHSを使って行う業務は、新入社員でも一度教えれば、すぐに使えるようになります。当社では、入社初日からTECHSでの消耗品の発注処理を行ってもらっています。また、様々なデータをすぐにExcel形式で保存できる機能も大変便利です。納入状況や回答納期一覧を出力し、他部署に送るなどして活用しています。全社での情報共有が進んだ結果、納期遅れが格段に減ったことも、導入効果の一つです。」といったお話をいただいています。

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Case-02.[半導体自動封止装置] アサヒエンジニアリング株式会社 様(福岡県)

\\最先端の技術を誇る半導体封止装置メーカー//

個別受注に特化したシステムで業務の効率化と労働時間の劇的な削減に成功
商 号 アサヒエンジニアリング株式会社
所在地 福岡県
設 立 1997年7月
資本金 4億5,000万円
事業内容  半導体自動封止装置の設計、製造、販売
ホームページ https://asahieng.co.jp/
導入システム 生産管理システム『TECHS-S
導入前の課題 ・以前は、発注や仕入、在庫はパッケージソフトで、社内工数はExcelで管理
・設計が作った部品リストを紙で発注担当に渡し、それを4人がかりでパッケージソフトに入力
・発注システムや転記作業の問題で型式や数量の間違いも多く、欠品や工程の遅れなどのトラブルが頻発
導入効果
改善内容
・設計と生産管理の連携で転記作業が不要になり、転記ミスによるトラブルもなくなった
・購買部門の休日出勤がなくなり、残業時間も大幅に減少
・発注残の問合せや仕入処理がまとめてできるようになり、年間720時間もの仕入工数削減
・日報の取込機能で年間約250時間工数削減
・発注書や入荷予定表、未入荷や在庫の未払出のチェック表など、『EUCTool』自社に合ったレイアウトの帳票を作成

【担当者様のコメント】
「自社に合った生産管理システムを入れただけで、こんなにも変わるものか、とみな驚いていました。また、購買部門に時間と心の余裕ができたことで、他の業務にも気を配れるようになりました。その結果、様々な問題点が改善され、他部署にもよい影響を及ぼしていきました。」と導入効果についてお話しいただきました。

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3.まとめ

半導体製造装置の製造業は、世界的にも競争力が問われる分野であり、正確な手配・柔軟な進捗管理・確実なトレーサビリティが経営の安定につながります。
生産管理システムは、その複雑な業務を支える基盤となり、案件ごとに異なる仕様や納期にも柔軟に対応するために欠かせない存在です。

今後も多品種少量かつ高度化が進む半導体製造装置業界において、システム活用による管理精度の向上が、中小製造業の強みをさらに引き出す鍵となるでしょう。

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