デジタル革命時代の中小製造業~DXで成功をつかむ~《先義後利》

著者:井上 創(いのうえ つくる) デジタル革命時代の中小製造業~DXで成功をつかむ~《先義後利》        
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井上 創(いのうえ つくる) 製造業ソリューション事業部 ソリューションサービス部

大手鉄鋼メーカーでの生産技術エンジニアを経て、経営コンサルタントとして多くの企業様の経営改善を行ってきました。
エンジニア時代に、仕入先であった中小製造業様が日々経営に悩まれている姿を目の当たりにし、「将来少しでもお手伝いできれば」と考え、中小企業診断士の勉強を始めました。
エンジニアとしての「現場改善」、コンサルタントとしての「経営改善」の経験を活かして、お客様の経営課題の解決を支援いたします。

本記事は、

とお悩みの中小製造業経営者様向けの記事です。

1.DXって何?

DXとは何でしょうか?
実は様々な定義があり、代表的なものに以下のようなものがあります。
「デジタル技術を浸透させることで、生活をより良いものに変革する」という概念
2004年:スウェーデン ウメオ大学 エリック・ストルターマン教授
「企業がデジタル技術を利用して、事業業績や対象を変革する」
2018年:経済産業省が策定したDX推進のためのガイドライン(DXレポート)

これらに共通するキーワード「デジタル」と「変革」です。
そこで、本記事ではDXを以下のように定義します。

「デジタル技術を使って、業務プロセス・ビジネスモデルを変革すること」

世の中ではちょっとしたデジタル化(IT化)でもDXという文脈で捉えられていますが、それは正確ではありません。

例えば、「今までアナログで行っていた業務管理を、生産管理システム導入によりデジタル化・省力化する」というだけでは、ただのデジタル化です。デジタル化とDXの違いは下図のイメージです。最初は書類の電子化など局所的なデジタル化からスタートし、デジタル化の範囲を広げ、最終的にビジネスモデルや業務の在り方を抜本的に変革することで初めてDXとなります。

 

2.中小製造業こそDXに取り組むべき3つの理由

そのようなDXですが、「中小製造業の自社には関係ない」とお考えではないでしょうか?これは大きな間違いです。ここでは、中小製造業こそDXに取り組むべき3つの理由をご説明します。

理由(1):人手不足・業務効率化
「人手不足」は、中小企業だけでなく、大企業も含めた製造業全体の課題となっており、約70%のものづくり企業が経営課題と捉えています。つまり、中小製造業から見れば、大企業よりも魅力的な会社を作り上げ、人材を獲得する必要があります。DXを行うことで、例えば、製造業でありながらリモートワークに対応するなど、現代の若者の多くが希望するワークライフバランスの整った企業に変革することができます。また、DXにより業務が効率化すれば、そもそも人材を拡充する必要がなくなるかもしれません。

※出典:経済産業省「2020年版ものづくり白書」
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2020/honbun_pdf/pdf/honbun_01_02_01.pdf

 

理由(2):急速な市場変化
インターネットが普及し、顧客は大量の情報に簡単にアクセスできるようになりました。さらに、スマートフォンの普及により、その状況は加速しました。それにより、顧客ニーズの変化も前時代とは比較にならないほどに早くなっています。創業当初と同じスピード感で、顧客に要望されてから技術の習得に取り組むと、製品化までに顧客ニーズが変化している可能性があります。DXによって、開発・生産のスピードを上げると同時に、顧客ニーズを素早くつかむことができれば、他社より優位に立つことができます。

特に、大企業と比較して組織階層がフラットな中小製造業では、意思決定・開発速度が相対的に速いため、DX推進のスピードで優位に立つことができます。


理由(3):中小製造業のための補助・助成制度
政府も製造業におけるDXを推進しており、各種補助・助成制度を手厚く整備しています。これらの制度を用いれば、DXを実行する上での金銭的負担を格段に減らすことが可能です。これらの制度は、いつまで続くか不明瞭なものであり、中小製造業にとっては、今がDXに本格的に取り組む良いタイミングであると言えます。

DXに利用できる補助金の例

3.DX導入のポイント

DXを検討する上で最も重要なのは、
DXは手段であり、目的ではない」ということです。

世の中には、超アナログでも大成功している企業は多くあります。「世間でDXが流行っているから、ウチの会社も早くデジタル化しないと取り残される」という気持ちで、深く考えずにとりあえずデジタルツールを導入しようとすると、高確率でうまくいきません。
ではどうすれば良いのでしょうか?
中小製造業がDXを成功させるための6つのステップを別紙ホワイトペーパーで詳しく解説してますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
https://www.techs-s.com/material/1

3.まとめ

本記事をまとめると、

DXとは「デジタル技術を使って、業務プロセス・ビジネスモデルを変革すること」
意思決定スピードに優れ、各種補助・助成制度が利用できる中小製造業こそDXに取り組むべき
DXは「手段」であって、「目的」ではない

この記事が、皆さまのDX検討の一助になれば幸いです。

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