最適な製造スケジュールの立案

著者:石神 洋平(いしがみ ようへい) 最適な製造スケジュールの立案

皆様こんにちは。石神 洋平と申します。
私は営業として、日々、中小製造業様へご訪問し、課題解決に勤しんでおります。
今回はその中からよく耳にする課題の1つ「スケジュールの立案」についてお話させていただきます。

1.なぜスケジューリングが必要なのか


多くの会社様が、限られた納期の中で高品質の製品を日々製造されていると思います。
その中で、

・どれから作れば良いのか
・この工程はいつも滞留している
・知識や経験のある従業員しか計画がたてられない
・必要な残業かそうでないかがわからない

このようなお悩みを持つ会社様は少なくありません。

この課題を解決するためには、スケジューリングが必要になってきます。

2.多品種少量生産の業界における立案の難しさ

受注生産・多品種少量生産の業界の中では、特急品や新規品が非常に多く、俗にいう「標準リードタイム」「標準工程」というものを各製品に設定するのが難しい、あるいはできないといったお声を非常に多く耳にします。
結果、システムを導入したけれど(導入したとしても)、

・上手く活用できていない
・現場と乖離があるので信用できない
・個別にExcel等で代用している

このようなご相談の声をよくいただきます。
つまり、多品種少量生産の業界では、スケジュールの立案をIT化しようとしても、その材料である「作るためにどれくらい時間がかかるのか」という正確なデータの取得が極めて困難なのです。

3.解決の方法

皆様の会社では、日報は取得されているでしょうか。試作品や新規の受注をする前に見積は作成されていますか。
この質問には比較的「はい」とお答えいただくことが多いです。
※「いいえ」の会社様もあって困る情報では決してありません。業務改善に必要不可欠な情報なので、是非、取得することをお勧めします。

では、そのデータ(情報)を何かに活かしていますか。
例えば、リピート品の過去の日報を今回の受注の指示時間に設定している、新規品の見積で積算した時間を目標時間に設定して現場へ共有している、等。
この質問になると「いいえ」とお答えになる会社様が非常に多く見受けられます。
私からすると、これは非常に「もったない」と感じるのです。
仕組みさえ構築していれば、日報と見積さえ行っていれば、多品種少量生産の業界であってもスケジュールに必要な情報を作ることができるのです。

4.仕組みの構築

まずは、現在の生産管理システムに〈日報や見積の情報を参照して標準リードタイムに設定できる機能〉が備わっているかどうかです。
言い換えれば、自社の業界にマッチしたシステムを運用しているかどうか、ということです。
次に、会社全体として改善活動をする基盤が確立できているか、です。
ここが非常に大切なポイントです。

・指示した時間が誤りなのか、現場で工夫ができたのか
・見積は経験や勘を頼りに作成しているが、きちんとデータ化しているか
・指示と実績=日報を比べて見直しをしているか

PDCAのサイクルを会社全体で、きちんと回せているかが極めて重要なのです。
これを実現できる仕組を作るためには、会社のトップである経営者様が先頭に立たれることが重要です。

会社の大きい小さいに関わらず、この問題は担当者任せにしていては、まず実現しません。
改善チーム、ユニット等を自社内に設けて「組織的に」この問題に向き合う必要があります。
ちなみにどんなシステムでも失敗してしまうキーワードは「人任せ」だと私は考えています。
社員全員が問題点を把握し、他人事ではなく、主体的に取り組むことで必ず効果は出ます。

新型コロナウィルスの影響が至る所で散見され、経済をはじめ、私たちの生活も大きく変わっています。
概況に左右されない強い企業であるために、変化を恐れず問題と向き合ってみてください。

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石神 洋平(いしがみ ようへい) TECHS事業部 営業部

テクノア入社以来、営業として多くの中小企業様に生産管理システム「TECHS」シリーズを提案しております。
お客様の課題に寄り添い、解決の糸口を提案いたします。