第44回「コスト管理体制は整っていますか?」
著者:榊原 由佳(さかきばら ゆか)
こんにちは。
株式会社テクノアの榊原です。
私は、現在、IT経営プロジェクトで中小製造業様のコスト管理体制の構築を支援しています。
貴社は、コスト管理体制は整っておいででしょうか。
本コラムでは、コスト管理体制についてお話させていただきます。
1.QCDの管理はバランスが大切
製造業において重視すべき3つの要素QCDは、皆様ご存じだと思います。
それぞれ、Q:品質(quality)、C:コスト(cost)、D:納期(delivery)を指しています。
「品質を良くするとコストがかかり、納期に遅れる」「コストを改善すると品質が低下したり、納期に遅れる可能性がある」というトレードオフの関係にあり、この3つのバランスを取りながら、管理することが重要です。
2.管理体制が整いにくいコスト管理
さて、このQCDを管理する体制は整っておいででしょうか。
品質が悪かったり、納期が守られない場合、クレームにつながるため、Q・Dの管理体制は整いやすい傾向があります。
一方で、コストについては、管理体制が整いにくい傾向があります。
なぜなら、コストが高くても、販売価格が決まっている場合、自社の利益は減りますが、取引先には不利益にならず、クレームにはつながりにくいためです。
クレームなどの分かりやすいアラートがないため、現場ではなかなかコスト意識が芽生えにくくなります。
品質については、一定の基準を定めて検査を行う、納期については、出荷予定管理や進捗管理を行って守る、そういう仕組みのある会社は多いと思います。
コスト管理はどうでしょうか。
現場の意識は、品質や納期に向きがちです。コスト管理が重要である、ということは分かりつつも、なんとなくコスト削減を謳っているだけで、具体的な取り組みや管理ができていない、ということも起こりがちです。
3.テクノアの提供する原価管理プロジェクト
テクノアでは、従業員の原価意識を向上して、社内の原価管理体制を整える「原価プロジェクト」というサービスを提供しています。

2014年入社。
中小企業診断士 2020年5月登録。