実証実験の進め方|試作品・治具の準備から依頼先選びまで

著者:プラッとものづくり コラム担当 実証実験の進め方|試作品・治具の準備から依頼先選びまで
プラッとものづくり コラム担当 プラットフォーム事業部

現在はプラットフォーム事業部にて様々な業務に従事しております。ものづくりの依頼先探しや製造業様の営業活動にお役立ていただけることを目指し、情報発信していきます!

「実証実験を任されたが、何から始めればよいかわからない」「検証用の試作品や治具を、どこに頼めばよいか迷っている」という開発担当者の方は多いのではないでしょうか。実証実験で使う試作品・治具は、必要な数が少なく、検証の結果を見て修正を重ねることも少なくありません。本記事では、実証実験の進め方を4つのステップで整理し、試作品・治具の準備方法と依頼先の選び方を解説します。

このコラムでわかること

□ 実証実験は「目的・検証項目の設定→計画・準備→実施・検証→評価」の4ステップで進める

□ 試作品・治具は何度も修正が発生する前提で、期間と費用に余裕を持って計画する

□ 依頼先は少量試作の実績や対応範囲で選び、相談前に目的と条件を整理しておく

1. 実証実験とは?PoCとの違いとメリット

実証実験とは、新しい製品・技術を本格的に導入する前に、実際の環境で効果や課題を検証する取り組みです。「フィールドテスト」とも呼ばれ、ユーザーが実際に使う環境に近い条件で行います。自治体が主導するスマートシティ関連のような大規模なものから、企業が単独で行う小規模なものまで、規模はさまざまです。

実証実験とよく似た言葉に、「PoC(Proof of Concept:概念実証)」があります。PoCはアイデアが技術的な面で実現可能かどうかを確かめるために行います。それに対して、実証実験は製品の効果や課題を確かめるために行います。

実証実験を行う主なメリットは、次の3点です。

・製品の課題を早期に洗い出すことで、量産後に修正するより費用を抑えられる
・社内では気づきにくい問題点や実際の使われ方がわかり、ユーザーの声を製品改善に生かせる
・実際のデータがあるため、机上で議論するよりも説得力があり、社内外の協力を得やすい

2. 実証実験の進め方~4つのステップ~

実証実験は、目的・検証項目の設定から評価・次のステップの検討まで、4つのステップで進めるのが一般的です。

ステップ 主な内容 成果物
① 目的・検証項目の設定 何を確かめたいのかを明確にする 検証項目と判定基準
② 計画・準備 試作品・治具、実施場所、協力者を用意する 実施計画、試作品・治具
③ 実施・検証 実際の環境に近い条件で実験する 測定データ、ユーザーの声
④ 評価・次のステップの検討 結果を分析し、今後の方針を決める 評価結果、今後の方針
① 目的・検証項目の設定

最初に「何が確かめられれば十分か」を決めます。判定基準として「作業時間」「連続稼働時間」など、数値で測定できる指標と、その目標値を設定すると、評価のぶれを抑えられます。

② 計画・準備

検証項目に合わせて、試作品・治具や実施場所を準備し、実施期間を決め、協力者を確保します。試作品・治具は少量だけ必要になるケースが多く、外部の製造業者に製作を依頼する方法もあります。

③ 実施・検証

実際の利用環境に近い条件で実験し、測定データとユーザーの声を集めます。検証中に改善点が見つかり、試作品を修正したり、作り直したりすることも多いです。修正にかかる期間や費用は、計画の段階で余裕をもって見込んでおくと安心です。

④ 評価・次のステップの検討

検証結果を、ステップ①で決めた判定基準に照らし合わせて評価します。評価をもとに、導入に進むか、仕様を見直すかなどを判断しましょう。

▶関連記事:製品開発の流れ(プロセス)と成功へのポイントを解説

3. 試作品・治具の準備方法

試作品・治具の準備方法は、社内で製作するか、外部に依頼するかの大きく2つに分かれます。

項目 社内で製作する 外部に依頼する
メリット 細かな修正にすぐ対応できる ・設備投資が不要
・製品企画や改善・評価など、本来の製品開発業務に集中できる
注意点 ・日常業務の合間を縫って製作する必要がある
・設備がなければ、設備の導入費用がかかる
依頼先と目的や条件を十分に共有しないと、意図と異なる仕様になることがある
このような場合におすすめ ・必要な設備と人員が社内にそろっている
・初期の検証を行う(変更が何度も必要となる)
・製造設備がない(スタートアップ、研究機関など)
・デモ機や試作品を少数だけ作りたい

 

4. 試作品・治具の依頼先の選び方

依頼先を選ぶときは、少量試作の実績や対応範囲など、3つのポイントを確認しましょう。

ポイント 理由 このような場合におすすめ
① 少量試作の実績がある 量産を前提とする工場では、少量の注文を受けにくい場合があるため 1~数台だけ作りたい
② 図面がない段階から相談できる 仕様の検討から一緒に進められるため アイデアや手書きのスケッチしかない
③ 複数の工程をまとめて相談できる 窓口が一つになり、スケジュール調整の負担を抑えられるため 切削・板金・電装・組立など、複数の工程を必要とする装置

 

5. 依頼前に整理しておく情報

相談の前に試作の目的と条件を整理しておくと、依頼先が見積もりを作成しやすくなり、打ち合わせもスムーズに進みます。

・目的と検証項目(何を確かめるための試作か)
・数量(予備を含む)
・希望納期、スケジュール
・予算
・使用環境(温度・湿度・荷重・屋内外など)
・評価方法(何をどう測るか)

特に目的と検証項目が伝わると、依頼先から材料や加工方法、費用を抑える工夫について提案を受けやすくなります。図面がなくても、手書きのスケッチや写真、参考になる既存品があれば、イメージを共有しやすいです。

▶関連記事:試作案件をスムーズに依頼する方法

 

6. よくある質問

図面がない、または仕様が固まっていない段階でも相談できますか。

はい。プラッとものづくりにはものづくりコンサルティングやアドバイザリーサービスを提供している製造業グループが在籍しており、図面がない段階からの相談に対応しています。まずは相談してみましょう。

▶関連記事:設計図面がなくても製品は作れる?アイデアを形にする方法

1〜数台の少量でも依頼できますか。

はい。プラッとものづくりには、少量試作を得意としている製造業グループが在籍しています。まずは一度ご相談ください。

検証結果を受けて改良が必要になった場合、どう進めればよいですか。

検証データと改善したい点を整理し、最初の試作を担当した依頼先に共有するとスムーズです。これまでの経緯を理解している依頼先なら、修正内容の検討を進めやすくなります。

社内で作る部分と外部に依頼する部分は、どう切り分ければよいですか。

社内の技術や設備、人員で対応できるか、スケジュールに間に合うかで判断しましょう。例えば評価方法の設計やソフトウェアの開発は社内で担当し、加工や組立が必要な試作品・治具の製作は外部に依頼するという切り分け方があります。

7. まとめ

実証実験をスムーズに進めるには、目的・検証項目を明確にし、目的に合った試作品・治具を準備することが必要です。社内だけでの対応が難しい場合は、少量試作に対応できる外部の依頼先を活用することで、製品企画や改善、評価といった本来の製品開発業務に時間を充てやすくなります。

「プラッとものづくり」は、図面がない段階からでも相談でき、複数の製造業が集まったグループにまとめて依頼できるものづくりマッチングプラットフォームです。部品から装置まで、幅広い分野の試作を得意とする製造業グループが、皆様のご要望にワンストップでお応えします。実証実験に向けた試作品・治具の製作は、ぜひ「プラッとものづくり」にご相談ください。

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