設計図面がなくても製品は作れる？アイデアを形にする方法
著者：プラッとものづくり コラム担当
現在はプラットフォーム事業部にて様々な業務に従事しております。 モノづくり企業様の「知りたいが見つかる」コラムを作成し、誠実に情報発信してまいります。
「こんな製品があったらいいのに」「アイデアを形にしたい」――そんな思いを抱きながらも、「図面が描けない」という理由で諦めていませんか？
実は、設計図面がなくても製品開発を進めることができます。この記事では、図面作成の経験がない方でも、アイデアを実際の製品に変えるための具体的な方法をご紹介します。
1. 設計図面がなくても製品開発を始められる理由
ものづくりには図面が必須というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに最終的には図面が必要になりますが、最初から完璧な図面を用意する必要はありません。図面が手元になくても、アイデア段階から相談に乗ってくれるものづくり企業が存在します。
また、手書きのスケッチや、イメージに近い参考画像を探して渡すなど、ものづくり企業に対して自分たちが作りたいもののイメージを伝える手段は他にもあります。大切なのは、どんな製品を作りたいのか、どんな課題を解決したいのかを伝えることです。このように、アイデア段階から伴走してくれるパートナーを見つければ、設計図面がなくても製品開発を進められます。
2. アイデアを形にする5つのステップ
ステップ1：アイデアを可視化する
製品開発の第一歩は、あなたの頭の中にあるアイデアを「見える形」にすることです。完璧な形でなくても良いので、まずはイメージに近い製品の写真を集めたり、手書きでラフスケッチを描いたりしてみましょう。段ボールや粘土で簡易的な模型（モックアップ）を作る方法もあります。大まかな形や大きさ、どう使うのかがわかるように可視化しましょう。
ステップ2：製品の要件を整理する
アイデアを可視化したら、次は作りたい製品の要件を整理しましょう。以下の項目について考えておくと、相談がスムーズに進みます。
| 項目 | 具体例 |
| 用途・目的 | 「スマホを立てかけるスタンド」 |
| ターゲット | 「在宅ワーク中の30〜40代」 |
| サイズ感 |
「手のひらサイズ（10cm×8cm程度）」 |
| 素材イメージ | 「木製で温かみのある感じ」 |
| 数量 |
「まずは試作10個、反応次第で100個」 |
| 予算・納期 | 「予算5万円以内、2ヶ月以内に試作完成」 |
すべてが明確に決まっている必要はありませんが、決まっていることだけでも整理しておきましょう。特に用途や目的、どんな人に使ってほしいかは明確にすることで、ものづくり企業もそれに合わせて素材や製造方法を提案しやすくなります。一方で、予算や納期については、余裕を持たせておくと途中で手戻りなどがあったとしてもスムーズに開発を進められます。
ステップ3：自分に合った製造先を見つける
製造業には金属加工、樹脂成形、木工、電子機器などの幅広い分野があり、その中でも設計、加工、組み立てなど、会社によって対応できる工程が異なります。設計、開発などを行っている製造業であれば、ものづくりの上流段階からサポートしてもらえる可能性は高いでしょう。
しかし、どの会社に相談すればよいかわからず、問い合わせても専門外で断られたり、見積もりをもらうまでに時間がかかったりすることもあるのではないでしょうか。当社のものづくりマッチングサービス「プラッとものづくり」には、アイデア段階から設計、製造までワンストップで対応してくれる製造業グループが参画しています。複数の製造業が集まり共同で受注するため、この工程はA社、この工程はB社などと依頼先を探す手間を省くことができます。お気軽にご相談ください（システム利用料、仲介手数料は無料です）。
ステップ4：試作品（プロトタイプ）を作る
依頼先が見つかったら、試作品（プロトタイプ）を作製します。図面がない場合はまずラフスケッチなどから設計図を作成します。その後、本番に近い材料や工法で試作品を製作し、実際に製品としての機能を果たすかのテストを行います。この段階で実際に手に取って確認することで、想定していなかった問題点が見えてきたり、改善のアイデアが生まれたりします。
ステップ5：量産化へ進む
試作品で問題がなければ、いよいよ量産へと進みます。試作は実際に機能を果たせるかを確認するために行いますが、量産に進むとなると実際の使用期間に耐えうることや、低コストで大量に、かつ安定した品質で作り続けられることが求められます。そのため、コストダウンできるような材料の選定を行う、品質の管理方法を検討するなどの対応が必要になります。
3. まとめ：アイデアを形にする第一歩を踏み出そう
皆さんのアイデアは、誰かの課題を解決し、市場に新しい価値をもたらす可能性を秘めています。「いつか形にしたい」と思っているなら、まずは一歩踏み出してみましょう。もし別の人が同じようなアイデアを思い浮かべている場合は、市場に出すまでのスピードが勝負になることもあります。
当社の製造業マッチングサービス「プラッとものづくり」では、製造業が集まったグループが図面のないアイデア段階からの製品開発や設計、製造まで、多岐にわたる分野のものづくり相談を受け付けております。このような幅広い対応ができるのは、登録企業の各社に専門分野があり、それぞれが強みを持ち寄っているからです。
実際に株式会社Vanwavesというスタートアップ企業様がプラッとものづくり登録グループに相談され、独自の「煙の出にくいサウナ」の開発に成功した事例があります。ゼロからイチを生み出す製品開発が得意な登録企業がメイン担当となり、グループ内で分担して製造し、完成に至りました。
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