第72回「健康経営の理解を深め、 実践しませんか。」

著者:井上 悟(いのうえ さとる) 第72回「健康経営の理解を深め、 実践しませんか。」

こんにちは、株式会社テクノアの井上悟です。
以前、弊社佐々木が「健康経営」について説明させていただきました。
※前回の記事はこちら
https://www.techs-s.com/media/show/117
今回は、その内容を踏まえて、健康経営のメリットについて説明させていただきます。

1.はじめに

ここで健康経営の定義を復習します。健康経営とは、「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に管理する経営手法」と定義されています。一見、企業の経営活動と従業員の健康管理は結びつきにくい感がありますが、近年、健康経営に興味を持つまたは取り組む企業は確実に増加中です。
健康経営優良法人(中小規模法人部門)の申請は2022年の認定数は14,000件を超えており、5年前(2017年)と比較して、認定数は18倍となっており、注目の高さが確認できます。

出典:経済産業省「健康経営優良法人(中小規模法人部門)申請・認定状況の推移」

それでは、健康経営のメリットについて説明していきます。

2.健康経営のメリット

【1】企業のメリット(実践する目的)
健康経営は、従業員の健康増進だけでなく、企業全体に様々な好影響をもたらします。従業員の健康状態は、労働生産性や職場の活性化、ひいては企業の競争力に大きく影響します。

(1) 経営理念の浸透と従業員のエンゲージメント向上
健康経営は、経営理念に基づいた従業員への配慮を具体的に示す取り組みです。経営者が従業員の健康に真摯に向き合う姿勢は、経営理念への共感を呼び起こし、従業員のエンゲージメントを高めます。従業員は、「会社は自分たちのことを考えてくれている」と感じ、仕事への意欲や帰属意識が向上します。

(2)労働生産性と職場の活性化
健康な従業員は、活発な思考力、集中力、創造性を発揮し、高いパフォーマンスを発揮します。研究結果でも、健康経営に取り組む企業は、労働生産性が高い傾向が示されています。また、健康な従業員同士は、積極的なコミュニケーションや協力関係を築きやすく、職場の活性化にも繋がります。

(3)企業イメージの向上と採用・定着率の改善
健康経営に取り組む企業は、社会貢献度の高い企業として評価され、企業イメージが向上します。これは、優秀な人材の採用や定着率の向上にも有利に働きます。求職者は、健康経営に積極的な企業を「働きやすい環境」と捉え、積極的に応募する傾向があります。この他にも、インセンティブの活用と経営基盤の強化や経営コストの削減などが挙げられており、「健康経営」は重要な経営戦略といえます。

【2】従業員のメリット(積極的に取り組む意義)
健康経営では、従業員が日常業務の中で自然に健康になれる工夫が重要になります。

(1)職場の健康課題解決と従業員の健康意識向上
ある製造業の会社では、ランチを健康的な弁当に変更し、食事や運動に関するミニセミナーを開催することで、従業員の内臓脂肪面積を10週間で7割以上減少することができました。中小企業では、経営者の想いや取り組みが浸透しやすく、従業員同士の協力も効果的といえます。

(2)ワーク・ライフ・バランスと自己実現の促進
健康経営は、仕事のやり方や生活習慣を見直すきっかけとなり、従業員のワーク・ライフ・バランス向上に貢献します。自己効力感が高まることで、健康的な生活習慣を継続しやすくなり、自己実現にも繋がる可能性があります。

【3】保険者のメリット
超少子高齢社会における社会保障制度の持続可能性と生産性向上の課題解決には、国民の健康増進が不可欠です。中でも政府が推進する「データヘルス計画」は、健康保険制度を活用した予防・健康づくりを推進する新たな仕組みといえます。

(1)データヘルス計画による予防・健康づくり
政府は「データヘルス計画」を推進し、健康保険制度を活用した予防・健康づくりを推進しています。また、特定健診等の健康データを活用した効果的な保健事業をすべての保険者が実施しており、計画を基にした予防・健康づくりが行われています。

(2)健康経営とコラボヘルス
健康経営は、従業員の健康増進、病気予防、労働生産性向上に貢献しています。健康な従業員が  増えれば、医療費削減にもつながり、社会保障制度の持続可能性を高めることできます。このことからも、健康経営は、保険者と企業が連携する「コラボヘルス」に貢献しているといえます。

(3)データヘルスの普及と課題
データヘルスの普及には、従業員の健康意識向上や企業による健康経営への積極的な取り組みが重要です。特にデータの利活用に関する倫理的な課題や個人情報の保護にも配慮が必要です。
データヘルスと健康経営は、社会保障制度の持続可能性と企業の成長を両立させる重要な鍵となります。そのため、官民一体となってこれらの取り組みを推進していくことが期待されます。

3.まとめ

このように健康経営は、企業にとって多面的なメリットをもたらす重要な経営戦略といえます。また、従業員にとっても自身の健康意識の向上やワーク・ライフバランス、自己実現を促進します。
さらに、官民一体となってこれらの取り組みを推進しデータヘルスと組み合わせることで、社会保障制度の持続可能性と企業の成長を実現する重要な役割を担っているといえます。
ぜひ、貴社もこれを機に「健康経営」に取り組んでみませんか。

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井上 悟(いのうえ さとる) カスタマーサクセス本部

2022年 テクノア入社
2020年 中小企業診断士登録

大手スポーツ用品などの小売業や調剤薬局、医療法人での勤務を経て、テクノアへ入社。
中小企業診断士として、経済産業省補助金(ものづくり補助金・事業再構築補助金)について、約50社の対応経験あり。

製造業・小売業・サービス業・飲食業などの幅広い業種に対して、お客様に寄り添った「伴走型支援」を信条にしています。