新卒2年目の中小企業診断士が得た教訓!プロジェクトを成功させるカギ
著者:西村 宗純 (にしむら そうじゅん)2022年 中小企業診断士登録
2024年 テクノア入社
生産管理ソフト(TECHS)の導入支援業務を担当。
ITを活用した業務改善や生産性向上のお手伝いをさせていただきます。
初めまして株式会社テクノアの西村宗純です。2024年に新卒で入社し、現在は生産管理システムTECHS-BKの導入支援をしています。今回はTECHS-BKの導入支援を例に、プロジェクトを円滑に進めるための3つのカギをご紹介します。
1.導入目的(共通ゴール)の共有・明確化
TECHSシリーズは生産管理システムとして、多くの会社様に導入いただいています。しかしひとえに「生産管理システム」といえども、その導入目的はお客様によって異なります。
・データの一元管理
・進捗管理の強化
・原価管理の強化
・データ入力の工数削減
・既存システムからの移行 …etc.
プロジェクトを成功に導く前提として、共通のゴールである導入目的をプロジェクトのメンバー内で共有し、明確化しておく必要があります。経営層は「原価削減」を期待し、現場管理者は「進捗の可視化」を求め、作業者は「入力作業の簡素化」を望んでいる、といった導入目的が曖昧な状態ではプロジェクトが進まず、導入後も各部門の満足度にばらつきが生じてしまいます。そうならないために、テクノアでは最初のキックオフミーティングで、社長や経営層の口からTECHSを導入した目的を説明してもらうことを意識しています。プロジェクトのメンバーが共通のゴールに向けてぶれることなく歩みを進められることが、プロジェクトを成功に導くカギとなります。
2. モチベーションの醸成
TECHSの導入プロジェクト開始から実際にTECHSが稼働するまでには、約半年の時間を要します。半年間でTECHSの使い方を習得するのはもちろん、マスタの整備や帳票の作成などを既存の業務と並行して行う必要があり、特にメインのメンバーにとっては大きな負担となります。そのため、プロジェクトを成功に導くためには、メンバーのモチベーションを持続させることが重要です。例えば、将来のイメージを共有することでモチベーションアップを図れます。プロジェクトを成功させることで、組織として当初の導入目的が達成できるのはもちろん、各部門のメンバーにとって「二重入力の手間がなくなる」、「リアルタイムで進捗が把握できる」、「生産性が向上し、最終的に給料UP」等、メリットを具体的に示すことが効果的です。
3.円滑なコミュニケーションの確立
営業担当者が入力した受注情報をもとに資材担当者が材料を発注する、というように、業務フローが複数の部門や担当者にまたがることがよくあります。このような連携業務においては、部門間のコミュニケーションが特に重要となります。コミュニケーションができる土壌がなければ、複数部門に影響する運用方法の変更があった際に情報の共有や部門間での調整が進まず、混乱が生じてしまいます。そのためにも、プロジェクトのメインメンバーは、プロジェクトの決定事項や課題などを他のメンバーに随時共有する必要があるほか、各メンバーも自分の担当する仕事が他の仕事にも影響するということを理解しておく必要があります。
まとめ
今回ご紹介した「共通ゴールの共有・明確化」、「モチベーションの醸成」、「円滑なコミュニケーションの確立」は、経営学者チェスター・バーナードが提唱した「組織の三要素」(共通目的、協働意欲、コミュニケーション)に対応しています。プロジェクトという一時的な組織においても、恒久的な組織と同様の成立要件が必要となっているのです。TECHSのようなシステム導入プロジェクトに限らず、業務改善、新製品開発、組織改革、新規事業立ち上げなど、あらゆるプロジェクトにおいて、これら3つの要素が揃ってはじめてプロジェクトは「組織」として機能します。
この記事が皆様のプロジェクト成功の一助になれば幸いです。