ものづくりコラム COLUMN

第58回「利益を増やす”斜め上”の方法」

著者:井上 創(いのうえ つくる)
中小企業診断士コラム「先義後利」

こんにちは、中小企業診断士の井上創と申します。
本記事では、最新の経済学でも推奨されている「企業が利益を増やす”斜め上”の方法」をご紹介します。
実行可否はさておき、とても簡単な方法なので是非ご一読ください。

1.会社の利益を増やす2つの方法

突然ですが、「会社の利益を増やす方法を2つお答えください。」と問われたら、何と答えますか?
利益=売上-コスト
なので、利益を増やす方法は

A 売上を上げる
B コストを下げる
(または、両方)の2つしかありません。

この中でも多くの企業が採用するのは後者(Bコストを下げる)です。なぜなら、従来と同じ商品、同じ売り方であっても、現場の改善で対処できるため、とっつきやすいからです。コスト削減は直接的・短期的に利益に結び付くため、成果が見えやすく採用されやすい傾向にあります。

2. 会社の利益を増やす3つ目の方法

ここまで、「売上を上げる」、「コストを下げる」という2つの方法について考えてきましたが、最新の経済学では3つ目の方法があると言われています。
それは意外にも、「値上げ」です。
「えっ!?」と驚かれた方も多いかと思いますが、具体例を用いて説明します。

利益は
利益=(価格-平均コスト)× 販売数量
と先程とは別の数式でも表すことができます。

ここでは、とある商品の価格を10%上げ、販売数量が20%下がってしまう、という例を考えてみます。
価格が10万円の時は100個売れていた商品が、11万円に値上げすると80個しか売れなくなるので、売上は1,000万円から880万円に120万円も下がってしまいます。これでは「A 売上を上げる」という視点では失敗に思えます。

一方、利益についてはどうなるでしょうか。
平均コストを8万円だと仮定すると、

値上げ前:(10万ー8万)×100個=200万
値上げ後:(11万ー8万)×80個=240万

「値上げ」によって利益が20%も増加(200万円→240万円)しています。一見不思議なようにも感じますが、その理由は1個当たりの利益が値上げ前の2万円から値上げ後の3万円に、50%も増加しているからです。
これが「販売数量が20%下がったのに、利益は20%も増加した」理由です。

 

3.まとめ

いかがでしょうか。
もちろん、これは机上の空論かもしれませんが、少なからず「値上げ・値付け」の重要性はご理解いただけたのではないでしょうか。
もしかしたら、日本の多くの企業で原材料が高騰しているのにも関わらず、値上げに踏み切れないのは「値上げすると必ず利益が減る」という考えに固執しているからかもしれません。
この3つ目の方法が「無理に値下げしてでも、受注を取れ」という施策を見直す機会になれば幸いです。

井上 創(いのうえ つくる) TECHS事業部 リューションサービス部

大手鉄鋼メーカーでの生産技術エンジニアを経て、経営コンサルタントとして多くの企業様の経営改善を行ってきました。
エンジニア時代に、仕入先であった中小製造業様が日々経営に悩まれている姿を目の当たりにし、「将来少しでもお手伝いきれば」と考え、中小企業診断士の勉強を始めました。
エンジニアとしての「現場改善」、コンサルタントとしての「経営改善」の経験を活かして、お客様の経営課題の解決を支援いたします。