工数削減を実施するには何をすればいい?
著者:江原 洸(えばら こう)入社以来、生産管理システムの導入支援を行い、現在は生産管理システムやIoT関連製品の営業に従事しております。
お客様個々に合わせたIT利活用をご提案し、あるべき姿へ導くお手伝いをさせていただいております。
皆様こんにちは。江原 洸と申します。
私は、生産管理システムやスケジューラー等をご提案する中で、「工数削減ができますよ」というお話をよくさせていただきます。
では、「工数削減」とはどのように実施するのか、また、どのような方法があるのかについてお伝えいたします。
1.工数削減するとなにがよい?
工数削減は何のためにやるのか、どういったメリットがあるのかはご存知でしょうか。
投入した工数に対して、どれだけの成果をもたらしたかによって生産性をはかることができます。
生産性 = 生産量 ÷ ( 人 × 時間 )
つまり生産性向上を目指すことができます。
生産性については、今多くの会社が活用している補助金の申請時にも、目標値を掲げなければなりません。
今回は、分母である工数を減らすことによって生産性を向上させる方法をお伝えしていきます。
2.工数削減を実施するための4つの方法
何から始めてよいかわからないという方は下記の原則に当てはめて考えてみてください。
【ECRSの原則】
E(Eliminate):無くせないか
C(Combine):同時にできないか
R(Rearrange):入れ替えられないか
S(Simplity):簡単にできないか
この順番で社内の業務について見直しを行ってみてください。
3.簡単に考えてみる
例えば、りんごを切って皿に並べることが仕事だとします。
今日は10個のりんごを切って皿に並べることがあなたの目標です。
通常の工程は下記の通りです。
(1)りんごを切る
(2)りんごを皿に盛りつける
(3)10回繰り返す
さて、何か工数削減できるものはありますか?
ECRSの原則に沿って考えてみましょう。
E(Eliminate):無くせないか
盛り付けなくても味(品質)は落ちませんよね。(2)は無くすことができます。
C(Combine):同時にできないか
まな板を改造して、切ったら下にある皿に落ちるような仕組みにすることで、(1)と(2)が同時に行えます。
R(Rearrange):入れ替えられないか
順番を入れ替えてみてはどうでしょうか。
1つずつ皿に盛るより、10個切った後に皿に盛り付けると作業が早く済みそうですね。
S(Simplity):簡単にできないか
りんご切り盛り付け機を開発することで、誰でも簡単にできてしまいます。
4.具体例紹介
E(Eliminate):無くせないか
・本当に必要な会議なのか。必要でなければ廃止する
・機械の配置替えを行い、搬送距離をなくす
・取引先との打合せにリモートツールを使い、移動時間をなくす
C(Combine):同時にできないか
・他の工程の加工中に、次工程の段取りを同時にできないか
・定例会と会議をまとめて行うことはできないか
R(Rearrange):入れ替えられないか
・作業工程を入れ替えることで、不良品の発生率が下がらないか
・担当者の配置を入れ替えて作業効率を上げられないか
S(Simplity):簡単にできないか
・ITツールを導入することで、帳票の作成を誰でも簡単にできるようにする
・ワンタッチで加工が完了する自動機械を導入する
上記はあくまでも一例です。
ぜひ、ECRSの原則に則って、自社の工数削減を目指してみてください。