中小企業のSDGsはなんのため?《先義後利》
著者:佐々木 靜(ささき しずか)中小企業診断士、ITコーディネータ
入社から7年間、TECHSの運用指導を担当しておりました。
ユーザー様に様々なことを教えていただき、仕事の楽しさを実感。
このご恩を返すため、中小製造業様のお役に立つためには?と考え、中小企業診断士を志しました。
システムをきっかけに、現場と経営をつなぎ、中小製造業様にもっと元気になっていただくために活動中です。
こんにちは。株式会社テクノアの佐々木です。
最近よくSDGs(持続可能な開発目標)という言葉を耳にしますよね。テレビ番組などでも取り上げられ 、皆さんの関心も高まっているのではないでしょうか?
私も不要なFAXの裏紙をメモに使う、節電を心がける、フードロス削減の取組に参加する、などプライベートでは積極的に取り組んでいます。
では、企業としてはどうでしょうか?皆さんは自社のSDGsの取組内容とその意義を、どのくらい知っていますか?今回は中小企業がSDGsに関する活動を行うことが、どのような意義を持つのかを考察します。
本記事をお読みいただき、経営者や社員の皆様の意識がより高まり、みんなで目標達成ができればと願っています。
1.SDGs経営とは?
私が中小企業診断士として、初めて訪問した企業の社長様の言葉をご紹介します。
「事業とは世の中の困りごとを解決することである。」
この言葉は私の心にとても響き、働くことの誇らしさとやりがいを感じさせてくれました。皆様の仕事も誰かの困りごとを解決し、ひいては社会に貢献するものとして受け入られているからこそ、事業を継続できているのです。
SDGsは現在の社会課題の解決に向けた目標です。SDGsを宣言することで、社会からもわかりやすく、受け入れてもらいやすくなる効果があります。つまり、SDGsに取り組むことで、今後も安定して事業を継続できると期待できます。
2.企業のSDGsへの取組スタンス
企業としてどう関わっていくかについて、よく「守りのSDGs」と「攻めのSDGs」という言葉が使われます。私なりの解釈ですが、簡単な言葉で表すと
・「守りのSDGs」は、法令による規制や、取引先からの要求に応えることを主とする受け身の行動です。
・「攻めのSDGs」は、社会課題の解決につながる新しいビジネスを考えるヒントとして、SDGsを活用することです。
同じ活動でも、捉え方の違いによってモチベーションは大きく変わります。これからSDGsに取り組むという方は、まずはこの2つのスタンスのどちらかを考えてみてはいかがでしょうか?
3.中小企業とSDGs
少し古いデータですが、関東経済産業局が2018年に中小企業を対象に実施した、SDGsに関するWEBアンケートの結果をご紹介します。
出典:「企業の SDGs 認知度・実態等調査」(関東経済産業局)
4年前はSDGsを知らない、アクションを検討していない中小企業が98%とほとんどでした。現在は様々なメディアに取り上げられ、SDGsという言葉を目にしない日はありません。中小企業の支援制度も多くなり、実際の取組事例も紹介されるようになりました。しかし長期経営戦略にも影響する「攻めのSDGs」に取り組んでいる企業様はまだ多くないという印象です。この波に乗り遅れず、率先して「攻めのSDGs」を取り入れることが、他社との差別化のチャンスになるのではないでしょうか。
4.自社らしく取り組む
だからと言ってどこかの事例をそのまま真似するのでは、社員の皆様にとっては他人事のように感じられてしまいます。企業理念に基づいた自社なりのSDGsを皆で考えることは、持続可能な活動にする方法の一つです。社会から愛され継続する企業であることを目標に、SDGsを活用し、自社らしい取組を社員の皆様で考えてみてはいかがでしょうか?