なぜ工程管理が難しい?店舗什器・特注家具製造業に多い現場課題と解決の方向性
著者:ものづくりコラム運営
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店舗什器・特注家具製造業では、一品一様・多品種・短納期といった特性から、工程管理や進捗管理が「思った以上に複雑」になりがちです。
こうした現場では、管理システム選びを間違えると、かえって入力負荷や混乱が増えてしまうケースも少なくありません。
しかし実際には、工程管理の問題は原因ではなく結果であるケースが少なくありません。
本コラムでは、店舗什器・特注家具製造業に特有の課題を整理しながら、、店舗什器・特注家具製造業に合いやすい管理システムの考え方を、工程管理・進捗管理の視点から整理していきます。
1.特注家具・店舗什器製造に多い管理の悩み
工程管理がうまくいかない背景には、この業種ならではの構造的な課題があります。
情報が分散し、属人化しやすい
店舗什器・特注家具製造業では、
図面、仕様、進捗、外注状況などの情報が、部門や担当者ごとに分散しがちです。
◍図面は設計担当のパソコン
◍仕様変更はメールや口頭
◍進捗は現場のホワイトボード
◍外注の状況は担当者の記憶頼み
このような状態では、
「誰に聞けば最新情報が分かるのか分からない」という状況が生まれ、工程管理が属人化していきます。
仕様変更・追加対応が前提なのに管理が追いつかない
特注品が中心のため、製作途中での仕様変更や追加加工は避けられません。しかし、変更内容が工程や進捗に正しく反映されないと、
◍現場が古い情報のまま作業を進めてしまう
◍手戻りややり直しが発生する
といった問題につながります。
案件が重なり、優先順位が見えなくなる
小ロット案件を複数同時に進めることが多く、どの案件を優先すべきか判断が難しくなる場面も多く見られます。
結果として、現場はその場判断で動かざるを得ず、全体の進捗を見ながら調整することが難しくなります。
現場・設計・管理部門の認識ズレ
部門間の認識のズレもよく聞く課題です。例えば…
📐設計部門では「もう指示を出したつもり」、
🏭現場では「聞いていない」、
📊管理部門では「進んでいると思っていた」。
こうした認識のズレが、工程の混乱や納期遅延を引き起こします。
原価や工数が終わってからでないと分からない
どの案件で、どの工程にどれだけ時間がかかっているのか。実際の原価や工数が、納品後にしか見えないケースも少なくありません。
その結果、
⚠️利益が出ているか分からない
⚠️改善ポイントが見えない
といった状態に陥ります。
2.店舗什器・特注家具製造業にあう工程管理・進捗管理システムとは?
こうした課題を抱える中で、単に「工程表を作る」「進捗を入力する」だけでは、根本的な改善にはつながりません。
店舗什器・特注家具製造業では、
工程が変わることを前提に管理できる考え方が重要になります。
まずは次のポイントからどんな管理が必要なのか見直してみましょう。
受注ごとの工程・進捗管理に向いた考え方
店舗什器・特注家具製造業では、
受注(案件)単位で工程と進捗を管理できることが基本になります。
案件ごとに工程を持ち、「この案件が今どこまで進んでいるのか」を把握できることで、優先順位の判断がしやすくなります。
工程の追加や変更にも柔軟に対応できるため、特注・一品一様の製造に向いた考え方と言えます。
ERPとして全社をまとめて管理する考え方
工程管理だけでなく、
受注・購買・在庫・原価などを含めて
全社的、部門を跨いで情報をまとめたい場合には、ERP的な考え方もあります。
部門間で情報が分断されにくくなる一方で、
工程の自由度が高い現場では、
事前の業務整理やルール設計が重要になります。
現場実行・進捗を見える化する考え方
「今、どの案件がどこで止まっているのか」
を把握するためには、
工程や進捗、実績の見える化が有効です。
工程ごとの滞留が分かることで、納期遅延の兆候に早く気づくことができます。
ただし、入力作業が負担になると定着しないため、現場で使いやすい仕組みであることが前提となります。
原価管理を重視する場合の考え方
原価管理は、工程管理と切り離して考えるのではなく、工程の実績と紐づけて把握することが重要です。
案件ごとに、
工数・材料費・外注費を把握できることで、
利益の見える化や改善につながります。
3.管理システム選定時に確認したいチェックポイント
店舗什器・特注家具製造業向けの管理システムを検討する際には、
機能の多さや知名度だけで判断するのではなく、
自社の業務特性に合っているかを軸に確認することが重要です。
特に、一品一様の製造や現場判断が多い業務では、
第2章でご案内した何を目的に管理をするのかといった考え方に加え、次のような観点を押さえておくことで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
- 🔎製番/受注単位で管理できるか
- 店舗什器・特注家具製造では、製品単位ではなく受注(案件)単位で仕事が進むケースがほとんどです。
・どの案件が今どこまで進んでいるのか
・その案件にどれだけコストがかかっているのかを追えることは、進捗管理だけでなく原価把握の面でも欠かせません。
製番や受注単位で工程・進捗・実績をひも付けて管理できるかは、最初に確認しておきたいポイントです。 - 🔎工程進捗をガントチャートや実績で把握できるか
- 工程が多く、案件が同時並行で進む現場では、「今、どの工程で止まっているのか」が一目で分かることが重要です。
ガントチャートなどを使って工程の流れや進捗を確認できる仕組みがあると、納期遅延の兆候にも早く気づくことができます。
あわせて、計画だけでなく実績を記録・確認できるかも重要な視点です。
- 🔎製造実績が原価・粗利計算につながるか
- 工程管理と原価管理が分断されていると、「結局この案件は儲かったのか」が分かるのは納品後になります。
✅実際にかかった工数
✅材料費や外注費といった製造実績が、原価や粗利計算に自然につながる仕組みになっているかは、経営判断や見積精度の向上に直結します。
- 🔎外注や中間工程も含めて管理できるか
- 店舗什器・特注家具製造では、塗装や加工の一部を外注するなど、社外の工程を含めて製品が完成するケースも多く見られます。
外注工程や中間工程を含めて、案件全体の流れを管理できるかどうかは重要なポイントです。外注の進捗が見えないままでは、全体の工程管理も不安定になりがちです。
- 🔎ExcelやCADデータを取り込めるか
- すでにExcelで工程表や進捗管理を行っていたり、CADデータを業務で使っている企業も多いでしょう。
既存のExcelデータやCAD関連情報を活用できる仕組みがあると、導入時の負担を大きく減らすことができます。
現状の運用をいきなりすべて変えるのではなく、今の業務から無理なく移行できるかという視点も重要です。
- 🔎一品一様・現場判断が多い業務に合っているか
- これらのチェックポイントは、特注家具や店舗什器のように、
✅製品ごとに工程が異なる
✅現場での判断や調整が多いといった業務特性を持つ企業ほど、重要度が高くなります。
システムに業務を無理に合わせるのではなく、「業務の流れを理解したうえで支えてくれる仕組みかどうか」という視点で選定することが大切です。
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| 【選定時の確認Pointのまとめ】✅案件単位で工程・進捗を管理できるか ✅工程の追加・変更に柔軟に対応できるか ✅進捗が「人に聞かなくても分かる」状態になるか ✅部門間で同じ情報を共有できるか |
まとめ|工程管理は「課題の集約点」
店舗什器・特注家具製造業では、
工程管理の問題は単独で発生するものではありません。
情報の分散、仕様変更、案件の重なり、認識ズレ、原価把握の遅れ。
こうした課題が積み重なった結果として、
工程管理・進捗管理が難しくなっています。
だからこそ、
工程管理だけを見るのではなく、
業務全体の流れを見直す視点が重要です。
自社の製造スタイルに合った管理の考え方を選ぶことが、現場改善の第一歩になります。
\\まずは「納期・工程管理」からシステム化!//

















