予防保全とは?予知保全との違いやメリット・デメリットを解説

著者:ものづくりコラム運営 予防保全とは?予知保全との違いやメリット・デメリットを解説        
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製造業では工場設備の機械などを正常に稼働させるために、保全業務は大切で欠かせないものです。実際にトラブルが起きてからの事後保全では思わぬ費用が掛かる恐れがあります。費用面だけではなく、社員の安全面においても事前の設備保全がとても重要です。ここでは定期的に行う予防保全と機械や設備に故障が起きる兆候が出たら行う予知保全について、メリット、デメリットを含めて詳しく解説していきます。

 

1.予防保全とは?

予防保全とは、事前に計画的に工場の設備や機械を点検や修理、部品の交換などを定期的に行う設備保全のことです。決められた期間で、決められた内容の定期点検を行うことで、工場設備の故障を事前に防ぐことできます。大切な保全業務となりますので実現に向けたアプローチの方法を詳しく解説していきます

予防保全の定義

予防保全とは、工場や生産現場の設備・機械・部品を安定して継続的に稼働させ、それらが壊れないようにする保全活動のことです。日常点検や3ヶ月、半年、1年などの定期点検などがあります。類義語に時間基準保全(TBM:Time Based Maintenance)(あらかじめ耐用年数・時間を定めておき、一定の期間使用したら故障していなくても交換する)や定期保全があります。突然、設備が故障したり停止したりすると、ものづくりの品質低下、納期遅延に繋がりますので、定期的に予防保全を行うことは大切です。

予防保全のメリットや必要性

予防保全を計画的に実施することにより、設備不良による製品の品質の低下を防ぐことができます。また、突発的な故障を減らすことができることから、ダウンタイムを回避して生産性が向上します。「生産品質の担保」「ダウンタイムの回避」「スケジューリングが明確」「部品交換費用の削減」についてどんなメリットがあるのか、また必要性について解説していきます。

・生産品質の担保
予防保全では設備が故障する前に機器や部品の交換を行えるため、製品の品質を落とすことなく供給することができます。
・ダウンタイムの回避
予防保全で定期的に機器や部品交換を実施することで、突発的なトラブルによるダウンタイムの発生を減らせ、生産ラインの影響を少なくすることで生産性向上に繋がります。
・スケジューリングが明確
予防保全では、故障のリスクが減るため、管理も行いやすく、工数削減に繋がり、保全要因の働き方を健全にすることができます。
・部品交換費用の削減
予防保全では、部品交換の判断基準を見直していくことで、トラブルの発生にかかる費用の削減を行えます。

予防保全のデメリットや注意点

事後保全はトラブルが発生した後に必要な作業です。予知保全は部品などに何らかの兆候を察知して初めて保全作業が発生します。そのため、事後保全や予知保全に比べると、予防保全は異常の有無に関わらず、定期的に作業と費用が発生します。事後保全や予知保全より作業工数が増える可能性もあるため、これは予防保全のデメリットだといえます。また現場は毎日の業務や作業に追われて、予防保全の実施にまで手が回らないことがあります。そのため、予防保全を行う時間や工数をきちんと確保しておくことも大切です。さらに、事後保全を行っている企業は、設備の故障修理を最優先にするため、予防保全に取り掛かりにくくなり、予防保全ができないことが多いです。予防保全をしないことで設備故障がまた発生するというループが発生してしまいますので、管理を徹底していく必要があります。

2.予知保全とは?

予知保全とは、工場の設備・機械の状態を監視して故障や不具合の兆候が出たら行う保全業務です。この予知保全の業務を行うには、常に機器を監視するシステムが必要となってきます。今後期待されてい るマネジメントの方法ですのでこれから詳しく解説していきます。

予知保全の定義

予知保全とは、工場設備の機械などの状態を監視して機能低下、故障や不具合の兆候が出たら行う保全業務です。類義語に状態基準保全(CBM:Condition Based Maintenance)や予兆保全があります。部品の劣化の状態を判断して必要な部品交換するため、まだ使える部品でも交換してしまうといった無駄の発生を抑えることができます。

予知保全のメリットや必要性

工場設備の故障等の予兆を、異常検知をした段階で予知保全を実施していくことにより、人件費などの無駄を省くことができます。「人件費・部品交換費のコスト削減」「ダウンタイムの最小化」などのメリットや必要性を詳しく解説していきます。

・人件費・部品交換費のコスト削減
予防保全では、保全計画を立て、決められた周期に保全業務を実施します。そのため、実際には部品の交換時期でないのに交換をすることもあります。コスト面では損失が発生してしまいます。これに対して予知保全では、故障や不具合などの予兆を検知した段階で保全業務を実施します。その結果、部品や人件費が無駄にならず、コストを最小限に抑えることができます。
・ダウンタイムの最小化
事前に予防保全を実施していたにもかかわらず、突然、機械や設備の故障などが発生することはあります。原因を探り、修理の対応に時間がかかり、ダウンタイムが発生することがあります。予知保全では、機械や設備の故障などの兆候を、事前に異常検知することで把握でき、いち早く原因の究明が可能となり、素早い対処によりダウンタイムを最小化することが可能です。
・フィールドサービスの活発化
フィールドサービスは現場に出向き、修理や点検を行ってきましたが、働き方改革で効率化が求められてきています。フィールドサービスの事業内容で、定期的なメンテナンスや工場の半導体、生産用ロボットなどの機械設備の設置があります。機器設備では設置の管理として技術者の育成も必要となっています。これらを改善するにあたっては、異常検知が可能なAI搭載のIoT機器の導入が効果的になってくるでしょう。

予知保全のデメリットや注意点

予知保全は常に機械や設備を監視するシステムが必要なため、導入コストがかかることがデメリットです。 状態を監視するためのセンサーの選定や設置、センサーネットワークの構築など事前準備が必要で、導入後のデータの保存・蓄積・分析、アラートの送信など、システムの構築に手間がかかるといった注意点があります。ただ、課題解決に対処するにあたり、IoT機器やネットワーク導入で導入コストがかかっても、人件費、部品交換の費用などの削減ができれば、全体の費用対効果を検討していくことが大切でしょう。

3.予防保全と予知保全の違い

予防保全と予知保全と言葉こそ似ていますが、業務内容、実施するタイミングが全く違うものとなります。改めて確認しましょう。

予防保全は、機器メーカーや使用経験から、壊れる可能性があるとされている使用回数や時間を決め、【あらかじめ部品交換などを定期的に保全活動】することにより、故障を未然に防ぎます。 予知保全は、設備を監視するシステムを活用し、【壊れる兆候が出た段階で保全活動】することで故障を防ぎます。言葉こそ似ていますが、全く別のタイミングの保全活動となります。

4.予防保全をサポートするシステム・サービス「A-Eye カメラ」

A-EyeカメラはAI画像認識を利用した工場の見える化システムです。ネットワークカメラで撮影された画像を元にAI(人工知能)が生産設備の稼働状況を判断し、クラウドに情報を蓄積するIoT(通信機能を持たせて、相互通信できるようにする技術)です。メーカー・年代の異なる機械が混在している現場であっても、ネットワークカメラで撮影した積層信号灯の色や操作盤の文字で稼働状況をAIが判断します。また、蓄積された情報をリアルタイムに集計・分析し、全社員でPC・スマホでも設備の稼働状況をリアルタイムに照会でき、共有することで「工場の見える化」を推進します。

・新旧関係なく設備・機械の稼働監視ができる
積層信号灯や設備の操作盤に表示される文字などを判断基準とすることで、設備のメーカーや新旧問わず稼働時間を取得することができます。
・かんたん設置
必要な環境は、カメラとLAN環境なので、設置の手間が少なく、簡単に始められます。
・AIによる学習で精度向上
ディープラーニングにて学習させるほど情報の精度が向上します。

A-Eyeカメラの導入事例や改善効果は、製品ページをご参考にしてください

受賞

クラウドサービス認定プログラム
 < 2020/10/20 >
https://www.technoa.co.jp/news/show/50
「ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2020」
・IoT部門 先進技術賞< 2020/11/27 >
https://www.technoa.co.jp/news/show/75

▼製品の詳細はこちら


 

5.導入メリットが大きい予知保全

予防保全、予知保全といった保全方法の違いやメリット・デメリットについて解説してきました。少子高齢化で人手が減少している日本において、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も大きく、企業の業務改善や業務効率化が急がれています。製造業では生産ラインを確保しつつ、社員の安全面を配慮し、生産性向上を目指さなければなりません。予知保全実施に向けて、IoT機器やネットワークの最新テクノロジー導入で未来あるマネジメントにお役立てください。

 

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