コンカレントエンジニアリングのメリット・デメリット&実現のポイントは?

著者:ものづくりコラム運営 コンカレントエンジニアリングのメリット・デメリット&実現のポイントは?        
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製品開発の効率化を図るために、コンカレントエンジニアリングが注目されています。従来の開発手法であるウォーターフォール型とは異なり、設計・調達・生産などの業務を同時並行で進めることで開発期間の短縮やコスト削減を実現する開発手法です。本記事では、コンカレントエンジニアリングの特徴やメリット・デメリット、実現するためのポイントについて解説しています。最後に、おすすめのシステムを2つ紹介ししているのでぜひ参考にしてください。

1.コンカレントエンジニアリングとは?

コンカレントエンジニアリング(concurrent engineering)とは、複数の工程を同時並行で進める開発手法です。製造業や建築業などで用いられるケースが多くあります。設計部門、生産技術部門、調達部門、品質管理部門など、複数の関連部署が連携しながら製品設計・資材調達・生産などの業務を並行的に行うのが特徴です。コンカレントエンジニアリングは、省略して「CE」と呼ばれることもあります。

従来のウォーターフォール型のように、製品設計を進めてから資材、生産と順番に開発プロセスを進める手法とは大きな違いがあります。コンカレントエンジニアリングは各工程を設計段階から同時に進行させるものです。開発期間の短縮やコスト削減を図れます。
 

2.従来の開発手法とコンカレントエンジニアリングの違い

従来の開発手法は「ウォーターフォール型開発」が主流でした。ウォーターフォール型開発は、水が流れるように上流工程から下流工程へと順々に開発プロセスを進めていく手法です。製品設計が完了してから生産準備に取り掛かり、資材調達、生産と各工程を順番に進めていきます。

一方のコンカレントエンジニアリングは、製品設計の初期段階から生産技術部門や調達部門などの関連部門が参画し、各工程を並行して実践する手法です。ウォーターフォール型とは、開発プロセスの進め方に大きな違いがあります。
 

3.コンカレントエンジニアリングのメリット・デメリット

コンカレントエンジニアリングのメリットは、開発期間の短縮やコスト削減などです。しかし、開発期間の長期化、コストの増加といったデメリットに変わる危険性も持ち合わせています。
 

コンカレントエンジニアリングのメリット

・製品開発の効率化を図れる
コンカレントエンジニアリングの最大のメリットは、製品を開発して市場に投入するまでのリードタイムを短縮できる点にあります。設計・調達・生産の各工程を同時並行で進めるためです。特に部品点数が多く、開発スケールの大きな製造業において、より高い効果を発揮します。

 

・コストを削減できる
コンカレントエンジニアリングを導入することで、人件費の削減が期待できます。これは、並行して開発プロセスを進めることで開発期間を短縮できるためです。また、製品段階から各部門が連携して試作品を製作することでコストの削減も期待できます。金型や治具の製作におけるCAMデータ作成工程を短縮し、無駄な時間を減らせるためコスト削減につながるのです。

 

コンカレントエンジニアリングのデメリット

体制を整えずにコンカレントエンジニアリングを導入すると、かえって開発期間の長期化やコストの増加が発生するリスクがあります。たとえば、情報共有のルートが整備されていなかったり、部門間の連携が不十分だったりする場合などです。仕様変更による手戻りの多発や不具合による開発遅れなどのリスクが考えられます。

仕様変更などの手戻りを防ぐためにも、関連部門の連携や担当者のスキルが求められます。コンカレントエンジニアリングを円滑に進めるには、各部門の密なコミュニケーションが重要です。CEの運用ルールを明確にし、生産管理システムで情報を一元管理するなどが必要になります。
 

4.コンカレントエンジニアリングに挑戦するなら生産管理システムの導入がおすすめ

コンカレントエンジニアリング(CE)の推進には、部門間の情報共有や環境整備が欠かせません。CEの成功を支援してくれるのが生産管理システムです。
 

生産管理システムを導入するメリット

・情報共有がスムーズになる
生産管理システムの導入により、生産活動に携わる工程や業務を一元管理できるため、各部門の進捗状況をリアルタイムで把握できます。見やすく、進捗・情報の共有がしやすいのがメリットです。

部門間で使用する管理ツールが異なるなど、情報共有の環境整備に課題を抱えた製造業は未だに多く存在します。コンカレントエンジニアリングでは、部門ごとに管理ツールやシステムが異なっていては情報共有に支障をきたすのです。生産管理システムは、部門間の情報共有の基盤として大きな役割を果たします。

特にクラウド型の生産管理システムであれば、リアルタイムに情報を更新でき、拠点間が離れた場合でもタイムリーな情報共有が実現可能です。

 

・生産計画の調整がしやすい
コンカレントエンジニアリングでは、設計変更や製造工程の変更など、スケジュールに影響を及ぼす事象が起こると業務全体に関わる問題へ発展します。生産管理システムの導入により、全体計画の調整やスケジュール変更後の情報共有ができるのがメリットです。

 

●おすすめの生産管理システム

・個別受注型に特化した生産管理システム『TECHS-S NOA(テックス・エス・ノア)』
『TECHS-S NOA』は、中小製造業向けのクラウド対応の生産管理システムで、部品手配数の多い個別受注型の機械・装置業様に特化しています。クラウド環境での利用が可能なので、サービスの利用開始まで時間をかけることなく導入でき、サブスクリプションモデルを用いた利用料設定であるため、初期コストを抑えたシステム導入が可能です。

生産管理システムとして、次のような機能があります。
 ● 部品マスタなどの事前登録なしで運用可能
 ● CADやExcelから部品表データを取り込める
 ● 転記作業の事務工数を削減
 ● 仕掛中の原価と完成時予測原価をリアルタイムに把握
 ● ユーザーが利用できるデータ抽出&帳票レイアウトツール(EUC Tool)を標準装備
 ● Webブラウザ対応で操作が簡単、複数の画面を並べて表示も可能

中小企業にとって使いやすく、製造業のIT化に向けて導入しやすいシステムが『TECHS-S NOA』です。

画面イメージや業務フローの詳細はこちら:https://www.techs-s.com/product/techs-s-noa

 

・多品種・少量生産の中小企業向け生産スケジューラ『Seiryu(セイリュウ)』
『Seiryu』は、中小企業の現場の「見える化」「最適化」「整流化」をサポートする、多品種・少量生産の中小製造業様向けの生産スケジューラです。

生産スケジューラとして、次のような機能があります。
 ● 現場の作業予定・負荷状況が確認でき、急な計画変更にも柔軟対応
 ● 運用に合わせた単位時間(日、AM/PM、時間、分など)で管理可能
 ● 負荷状況を判断し、機械の自動割り当てが可能
 ● 案件(製番)別や機械別など、さまざまな角度から生産計画の確認が可能
 ● 既存システムと連携可能

『Seiryu』を活用することで、「効率的な計画」の策定と「手持ち」の無駄の削減ができます。また、スケジュールの負荷が過剰な工程は、赤色で目立つように表示されるため、機械や作業者の負荷状況がひと目で把握可能です。これにより、特急品などの受注受け入れの判断材料にもできるため、リソースに余裕を持った納期の設定や従業員のオーバーワークの確認にも活用できます。さらに、機器の負荷状況を判断し、納期を守るための代替機械を自動で割り当てるのも可能です。

このように、全工程の調整を一括して計画立案できるため、スケジュール担当者の経験が浅くても、一貫した基準に基づいて計画の策定が可能となります。
生産スケジューラの詳細はこちら:https://www.techs-s.com/product/seiryu

 

5.コンカレントエンジニアリングの実現にはシステム活用がおすすめ

コンカレントエンジニアリング(CE)は、製品開発の効率化とコスト削減を実現する有効な手法です。ただし、CEを成功に導くには、部門間の連携強化や生産管理システムの活用など、体制づくりと環境整備を着実に行う必要があります。

特に中小製造業においては、自社の規模や体制に合わせ、無理のない計画で導入を進めることが重要です。ITツールを柔軟に活用しながら、現場目線で業務フローを改善する地道な取り組みが求められます。

生産管理システムを用いたコンカレントエンジニアリングにより、製品開発力の向上だけでなく、社内のコミュニケーション活性化にも寄与します。コンカレントエンジニアリングを実現したい製造業の方はぜひテクノアの生産管理システムをご検討ください。
 

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