イノベーションをもっと身近に!誰もができる革新の始め方《先義後利》
著者:佐々木 靜(ささき しずか)入社から7年間、TECHSの運用指導を担当しておりました。
ユーザー様に様々なことを教えていただき、仕事の楽しさを実感。
このご恩を返すため、中小製造業様のお役に立つためには?と考え、中小企業診断士を志しました。
システムをきっかけに、現場と経営をつなぎ、中小製造業様にもっと元気になっていただくために活動中です。
イノベーションという言葉を新聞や雑誌で見かけることが増えました。この言葉、聞こえはかっこいいものの、何だかとても大変そう…と感じていませんか?しかし、イノベーションは特別な人だけのものではなく、全てのビジネスパーソンが取り組むべき重要なテーマです。今回は、イノベーションをもっと身近に感じてもらうための考え方をご紹介します。
1.イノベーションとは
イノベーションは、革新的な技術やアイデアによって新たな価値を生み出し、社会に変化をもたらすことを指します。経済学者ヨーゼフ・シュンペーターが1912年に提唱した「新結合」という概念が起源です。日本では「技術革新」という言葉がよく使われますが、イノベーションは新しい技術開発だけを指すわけではありません。例えば、既存の技術を異なる方法で組み合わせることもイノベーションです。
中小製造業で例えるなら、以下のような感じでしょう。
- 今あるめっき技術を使い、特殊な材質をコーティングした抗菌性のある製品を開発した
- ロボットやITを使って、製造工程を大きく効率化させた
- 従来BtoB向けに提供していた試作品製造を、BtoC向けにも提供するようにした
- 今まで商社に一括して調達を依頼していた部材を、メーカーから直接買い付けるようにした
- 社内ベンチャー制度を導入して、新事業開発を促進した
ポイントは0から1を生み出す行為ではなく、今ある技術や知識などを組み合わせることによって、新たな価値を創造することであるということです。今あるものを活用するなら、気負い過ぎずに挑戦できそうな気がしませんか?
2.イノベーションはなぜ必要?
次に、イノベーションはなぜ必要なのかについて考えていきましょう。もしかしたら「今のままでも業績は順調だし、高品質な製品・サービスを提供し続ければ問題ないのでは?」と思われるかもしれません。ここでバリュープロポジションキャンバスという考え方をご紹介します。
お客様がお金を支払うのは、製品やサービスそのものに対してではなく、それらを得ることによって感じる価値に対してです。価値は受け取るお客様の視点によって変わってきます。つまり、自社が変わらず高品質な製品・サービスを提供し続けたとしても、お客様が変化し視点が変わると、売れなくなることがあるのです。これを回避するためには、自社も柔軟に変化できること、つまりイノベーションを起こせる体制を整えておくことが重要です。
3.イノベーションの第一歩
では、イノベーションを起こすために、具体的に何から始めたらいいのでしょう。まずは、いつもと違う人に出会い、交流をすることです。今ある技術や知識は自分にとってなじみが深いため、新しい組み合わせのアイデアは生み出しにくくなりがちです。そこで、新たな方と出会い、話をすることで、気付きを得ていきましょう。必ずしもビジネスに直結しなくても構いません。異業種交流も重要です。他者の視点から、意外な組み合わせに気付くことができるかもしれません。
テクノアでは、製造業様同士がグループとなり、新たなものづくりに挑戦するプラットフォームサービス「プラッとものづくり」を提供しています。仲間と共に新しいものづくりに挑戦することで、自社のものづくりを見つめ直し、イノベーションの可能性を高めることができます。
https://platto.technoa.co.jp/service/group/
グループ活動の事例を紹介するセミナーや、オフラインでの交流会なども開催しておりますので、是非お気軽にご参加下さい。
また、テクノアの取組みをご参考にしていただける様、当社へのご来社も歓迎しております。当社とのご縁が、皆様のイノベーションの一助となれば幸いです。
4.まとめ
・イノベーションは必ずしも新しい技術の開発を伴わない
今あるものを新たに組み合わせることからも生まれる
・自社が変わらなくても、お客様の視点が変わると価値は変わる
・変化に対応できるイノベーションを起こせる体制を整えておくことが重要
・イノベーションの第一歩は新しい方との交流