コラム

「どう変わる?適格請求書等保存方式」 大原 隆寛2020.06.22

こんにちは、テクノアの大原隆寛と申します。

軽減税率導入より早1年が経ちましたが、より大きな税制改正となる
「適格請求書等保存方式」への変更が2023年に予定されています。
この大きな税制改正は、現場の業務に大きく影響を与えます。
しかし、具体的にどのような影響が発生するのか、
本制度についてまだ充分な理解が現場に認知されているとは言えない状況です。
(弊社もユーザー様よりお問い合わせを頂くことがありますが、ごく少数の状況です。)
そこで今回は、この「適格請求書等保存方式」について、
「どう変わるのか?」を焦点にご説明したいと思います。
 
■適格請求書等保存方式とは
2023年10月1日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として
適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入されます。
適格請求書等保存方式の下では、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である
「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」等の保存が仕入税額控除の要件となります。
取引先の仕入税額控除に関わりますので、適格請求書を発行できることは、
請求側にとって実質マストの対応と言えます。

適格請求書として認められるためには、「適格請求書発行事業者」であることと、
「請求書に所定の記載事項があること」の2つの条件が存在します。
それぞれ順に説明します。

 

■適格請求書発行事業者の登録制度

 

適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。
また、適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、
登録を受ける必要があります。
適格請求書発行事業者の登録については、2021年10月1日からその申請を受け付けます。
2023年10月1日から適格請求書を発行したい場合、
原則として2021年10月1日〜2023年3月31日の間に登録申請書を提出する必要があります。

上記期間を過ぎた場合であっても登録は可能ですが、制度開始には間に合いませんのでご注意ください。

TMS

 

 
 
 
■適格請求書の記載事項
適格請求書の様式に特に規定はありませんが、以下の6つの事項を記載する必要があります。

TMS

 

 
上記以外のルールとして、1円未満の端数の処理については、一請求書当たり、税率ごとに一回ずつとされます。
このルールにより、「明細単位」による課税計算方法は適格請求書としての要件を満たさないため注意が必要です。
 
■仕入税額控除の要件
適格請求書は仕入税額控除の要件であるため、買い手側は一定期間保存する必要があります。
保存期間は、これまでと同様、交付日または受領日の翌月1日から2ヶ月後を経過して7年間となります。
保存が必要とされる請求書等には、適格請求書や適格請求書の記載事項が記載されている売上納品書等、
またそれらの電磁的記録(PDFなど)が含まれます。
買い手だけでなく、売り手側となる適格請求書発行事業者にも、交付した適格請求書の写しを
保存する義務が課せられます。
 
弊社を含め、既に多くのシステム(販売管理系や会計システム)で、
適格請求書等保存方式制度を見据えた機能変更が予定されています。
お使いのシステムが適格請求書等保存方式に対応することは、スピーディーな請求業務へと繋がりますので、
今後の業務効率化の重要な要素の一つと言えます。
国税庁ホームページでも、「適格請求書等保存方式に関するQ&A」として随時情報が更新されていますので、
今後の動向も注視しつつ、早め早めに対応準備を行っていきましょう。
 
 

氏名:大原 隆寛(おおはら たかひろ)

所属:TECHS事業部 製品開発1課

 

システム開発者として、主に生産管理システムの製品開発や、

お客様に対しシステム導入前の提案業務に従事しています。


10年以上の経験による、IT技術や開発プロジェクトに関する知見を活かし、

問題の早期抽出及び解決策を提案致します。

(株)テクノア 大原