採用手段のミスマッチとは?

著者:古川 祐介(ふるかわ ゆうすけ) 採用手段のミスマッチとは?        
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古川 祐介(ふるかわ ゆうすけ) IT経営プロジェクト

TECHSを導入検討いただく企業様に訪問し、 ヒアリング~課題抽出~課題解決提案を行う部門で、 東海北陸地区の営業責任者を務めさせていただいております。

TECHS営業課は、生産管理に課題を持つ多くの製造業様にお伺いします。 そこで見たり、聞いたり、感じた実際の事例と、 中小企業診断士の取得で得た知識を重ね合わせて、 改善ノウハウを、理論的に分かり易く、お伝えしてまいります。

私達、営業課は、
日々の活動の中でたくさんの製造業様を訪問し、お話をうかがいます。

 

そんな中、最近、特によく耳にするのが、
「採用が進まない」
「若い人の応募が全くない」
など、『人材不足』に関することです。

 

そこで、今回のテーマは

『採用手段のミスマッチ』について、ご説明したいと思います。

中小企業を取り巻く環境は?

日本経済は、緩やかな回復基調で雇用環境は改善しています。
その一方で、
生産年齢人口(15歳以上65歳未満の年齢に該当する人口)の減少や、
大卒予定者や転職者の大企業志向が高止まりしており、
中小企業の人手不足は深刻化している状況です。

つまり、
景気回復で仕事は増加傾向にあるものの、
働き手の減少や、中小企業で働きたい人の減少によって、
中小企業の人手不足感は高まっている状態であるといえます。

人材確保の状況は?

ここでは、採用にあたって、
中小企業が有効だと考える手段と、求職者が有効だと考える手段の違いである、

『採用手段のミスマッチ』を見ていきましょう。

 

下記の図をご覧ください。

 

第2-4-13図 労働人材の採用に当たって、中小企業・求職者が有効だと考える手段

 

出典:2017年版 中小企業白書 482ページ 第2-4-13図

労働人材の採用に当たって、中小企業・求職者が有効だと考える手段

※クリックで拡大します

この図は、
上段は、求職者が採用に有効だと考える手段
下段は、中小企業が採用に有効だと考える手段
を、年齢区分別に示しています。

①ハローワーク
中小企業の重要な採用手段となっており、約65%の中小企業が有効だと回答しています。
また求職者についても、どの年齢区分においても一般的な採用経路であることがうかがえます。
特に、55歳以上の求職者については他の手段に比べ、圧倒的に高くなっています。

②就職ポータルサイト
18歳~34歳の求職者が、「ハローワーク」に次いで有効性を認識していますが、
中小企業は有効性を認識していません。

③親族・知人・友人の紹介
中小企業が、「ハローワーク」に次いで有効性を認識しており、求職者も、

どの年齢層においても、他の手段に比べて相対的に有効性を認識する割合が高く、

一定の割合で、紹介などを通じた顔の見える採用手段を重視しています。

④新聞・雑誌等の紙媒体の求人広告
中小企業の認識に比べ、
特に18歳~34歳の求職者の有効性の認識が、とりわけ低い傾向にあります。

以上から分かるように、
②と④で、『採用手段のミスマッチ』が発生しており、
若い人材の採用を進めたい場合、①のみでは不足する、ということが分かります。

私達が訪問する製造業様も、
よく、「ハローワークに求人は出している。」とおっしゃいますが、
「他には?」と問うと、
「ハローワークだけ。」という事が多いように思われます。

「ハローワーク」は、
中小企業側から見ると、その簡便性や費用面の手頃さから、重要な採用手段になっていますが、
求職者から見ると、年齢層によっては、その有効性の認識度合いに差異が生じています。

今後、どの企業様でも、従業員の高齢化によって、

若い年齢層の人材確保をおこなう必要が出てくると考えられますが、

中小企業が今後の採用活動を行うにあたっては、
求める人材の年齢層にも考慮しながら、
「就職ポータルサイト」をはじめとするインターネット媒体の利用等、
採用手段の多様化を検討する必要があります。

このコラムをご覧の採用担当者様、
「就職ポータルサイト」で検索、からはじめてみてください。

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