個別受注生産の特徴と生産管理の重要性個別受注生産のお悩みを解決する8つのポイント

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生産管理とは、製造業において受注や仕掛状況を把握し、材料の調達や製造工程など、生産計画に基づいた業務全般を管理することを指します。具体的には「どの製品を、いつまでに、いくつ製造すべきか」を明確にし、資材調達や在庫管理、納品予定までを統括します。

特に個別受注生産型の製造業では、その重要性がより高まります。この生産方式では、受注ごとに異なる仕様の製品を作るため、標準化が難しく、柔軟な対応が求められます。また、工程や業務フローの複雑化により、生産管理の方法が課題となる企業も少なくはありません。

生産現場だけでなく、部門間の協力や生産管理の目的を共有することが重要です。また、生産管理システムの導入だけでなく、自社の部門別の管理方法や部門を跨いだ運用フローなど、生産活動に関わる業務全般を深く理解することが求められています。

個別受注生産とは?生産方式の特徴と一般的な適用業種

個別受注生産とは、顧客からの注文を受けてから製造を開始する生産方式です。この生産方式では、受注ごとに設計(部品リストの作成)から取り掛かり、部品手配や製造を行います。

受注ごとに製品の仕様が異なるため、手配部品の点数や数量、工程順序も異なり、標準化が難しいといった一面もあります。また、受注量の変動が大きく、生産計画の立案が難しいという課題もあります。

個別受注生産を行う主な業種例

  • 工作機械製造業
  • 金型製造業
  • 化学機械製造業
  • 工業窯炉製造業
  • 加工機械製造業
  • 食品機械製造業
  • 配電盤・電力制御装置製造業
  • 半導体製造装置製造業
  • 荷役運搬設備製造業
  • 電子応用装置製造業
  • 産業用ロボット製造業
  • 印刷・製本・紙工機械製造業
  • 電気計測器製造業
  • 建設機械・鉱山機械製造業
  • プラスチック加工機械製造業
  • 木材加工機械製造業
  • 包装・荷造機械製造業

生産方式に合わせた生産管理の重要性

個別受注生産の他にも、ライン生産やロット生産など、様々な生産方式があります。生産管理では、製品の生産計画に沿ってQCD(Q:品質・C:コスト・D:納期)を適切管理することが求められますが、生産方式によって管理方法が異なるため注意が必要です。例えば、生産管理システムの導入により、受注から納品までのプロセスを効率化し、属人化や進捗遅延などの課題を解決できますが、自社の生産方式や業務にあった機能があるかを見極める必要があります。生産方式に合わせた適切な生産計画の立案と管理が求められるのです。