個別受注型 機械・装置業、組立業の標準的な業務フロー個別受注生産のお悩みを解決する8つのポイント

CHAPTER2

まずは生産管理を理解するために、一般的な業務の流れをご紹介します。

受注から納品までの全体像

生産管理というと、工場などの生産現場に特化したイメージですが、受注から納品までの業務全般を把握する必要があります。そこで、生産管理に関わる業務を流れに沿ってご紹介します。

  1. ① 引合・見積
    • 顧客からの問い合わせ(引合)に対応
    • 社内へ積算依頼を行い、
      原価計算と適切な利益率を考慮した見積作成
    • 顧客との価格交渉や仕様の調整
  2. ② 受注管理
    • 正式な注文書の受領
    • 受注情報のシステム登録や社内共有
      (受注票や製造指図書の作成)
    • 受注残管理
  3. ③ 設計・開発
    • 詳細な製品仕様の決定
    • 設計図面や部品リストの作成
  4. ④ 調達・資材
    • 必要な部材や部品のリストアップ
      (部品手配リスト例:購入部品、外注加工品、社内加工品など)
    • 仕入先への発注見積(価格や納期確認)
    • 発注書の作成(発注手配と納期管理)
    • 入荷(仕入)対応
    • 在庫管理
  5. ⑤ 製造
    • 製造工程(大日程・小日程)の計画立案
    • 生産計画(ガントチャート)の作成
    • 各工程での加工・組立作業
    • 日報登録
  6. ⑥ 品質管理
    • 製品仕様に基づく検査
    • 検査結果の記録と保管
      (検査成績書や不良報告書の作成)
    • 不具合発見時の原因究明と対策立案
  7. ⑦ 出荷・納品
    • 製品の梱包や出荷準備
    • 納品書類の作成
    • 納品先(顧客)での据付や
      調整作業(必要に応じて)
  8. ⑧ 売上・請求
    • 売上処理および請求書の発行
    • 売上処理による受注残からの消込

この一連の流れを効率的に管理することが、個別受注型製造業における生産管理の基本となります。上記業務は一例となります。貴社ではどんな業務を行っているのか、フロー図などを作成し確認してみましょう。

部門別の業務例

次に、部門別の業務の割り当てイメージをご紹介します。あくまでも一例ですので、自社の組織図や業務範囲を確認する際の参考資料としてご確認ください。

部門 業務内容
営業 引合・見積、予算書の作成、原価管理 など
生産管理 受注情報登録、受注票・製造指図書などの社内展開資料作成、生産計画、原価管理 など
設計 設計、部品リスト(BOM)の作成 など
購買・資材 購入品リストの作成、発注・仕入、在庫管理 など
製造 工程指示、各工程での加工・組立作業 など
品質管理 検査、納品・出荷 など
経理・総務 売上処理、買掛・売掛管理、原価管理帳票作成 など

業務フローにおける情報連携の重要性

このように、生産管理に携わる様々な業務には、多くの部門や担当者が関わります。そのため、部門間で情報が共有されておらず、各部門がバラバラに動くと、情報の漏れや重複が発生し、ミスや遅延の原因となります。例えば、部門ごとにシステムや管理Excelが異なり、営業部門の受注情報が製造部門に遅れて伝わると、生産開始が遅れ、納期に影響を与える可能性があります。

各部門の情報をリアルタイムで共有するためには、生産管理システムなどの導入が効果的です。これにより、部門間の連携がスムーズになり、生産効率が大幅に向上します。部門間の情報共有をしっかりと行い、連携を強化することで、効率的な生産が可能になるのです。