支給品の管理方法とは?有償支給・無償支給の違いと、現場でよくある課題・管理表の作り方
著者:N.K(ITコーディネータ:認定番号9036622022C)
モノづくり企業様の「知りたいが見つかる」そんなコラムを作成し、情報発信してまいります。
IT利活用による可能性を模索し、お客様に寄り添った課題解決ができるよう、お手伝いさせていただきます。
支給品の管理は、「置き場を分ける」「受け入れた時に数える」「使った数と残りを毎月照合する」の3つで大きく改善できます。
「支給材の数が、月末になると合わない」「有償と無償、どっちだったっけ?」。そんな声は、多くの現場で聞かれます。支給品は自社の材料と見た目が同じことも多く、気をつけていても混ざりやすいものです。
この記事では、まず有償支給と無償支給の違いを整理します。そのうえで、現場でよくある課題を失敗例・成功例で比べ、明日から使える管理の手順とExcel管理表のフォーマットを紹介します。新しいシステムを入れなくても、手元の伝票と日報の使い方を少し変えるだけで突破できる内容です。
💡この記事でわかること
• 支給品とは:取引先から加工・組立のために預かる、または買い取る材料・部品のこと
• 有償支給と無償支給の違い:材料の代金が発生するか、所有権がどちらにあるかが分かれ目
• 数が合わない主な原因:置き場の混在、不良・ロスの未記録、残材返却の記録漏れ
• 管理の基本手順:受入→保管→払出→不良・ロス報告→月末照合の5ステップ
• 残数の計算方法:残数=前月繰越+受入数-使用数-不良・ロス数-返却数で、帳簿と実物を照合する
• お金と取引ルールの考え方:有償支給材の代金の精算時期には、取適法上のルールがある
1.支給品とは?有償支給と無償支給の違い
支給品の管理は、「その材料は誰のものか」を知るところから始まります。有償か無償かで、お金の流れも、なくした時の扱いも変わるからです。まずは用語と違いを整理し、自社の支給品がどちらにあたるかを確かめましょう。
支給品とは?
支給品とは、取引先から加工や組立のために提供される材料・部品のことです。「支給材」「支給部品」「預かり品」とも呼ばれます。
鋼材や樹脂材料、購入部品、基板、途中まで加工された半製品などが代表例です。受け取った側は、支給品を使って加工・組立を行い、完成品として納めます。
取引先が材料を支給する主な理由として、次のようなものが挙げられます。
有償支給とは?
有償支給とは、取引先が材料を代金付きで渡し、加工後の製品を買い取る取引です。受け取る側から見ると、材料を「買って」加工し、製品を「売る」形になります。
実務では、材料代を加工品の代金と差し引き(相殺)して精算することもあります。材料代と加工代の両方が伝票に出てくるため、事務処理が複雑になりがちです。
無償支給とは?
無償支給とは、取引先が材料を代金なしで渡し、受け取る側は加工代だけを請求する取引です。材料は取引先のもので、受け取る側はそれを「預かっている」状態になります。
代金のやり取りがない分、伝票はシンプルです。ただし、自社の材料と見た目が同じだと混ざりやすく、数の管理はむしろ難しくなることがあります。
有償支給と無償支給の比較表
| 比較する点 | 有償支給 | 無償支給 |
| 材料の代金 | 発生する(加工代と相殺されることが多い) | 発生しない |
| 材料の持ち主(一般的な考え方) | 取引先が製品を買い戻す約束の有無など、契約内容によって考え方が変わる | 支給した取引先のまま(預かり品) |
| 受け取る側の請求 | 製品の代金(材料代+加工代) | 加工代のみ |
| 不良・紛失時の負担 | 契約内容で決まる(基本契約書・覚書で確認) | 契約内容で決まる(基本契約書・覚書で確認) |
| 管理の目的 | 材料代の精算を正しく行う | 預かった数を正しく返す・報告する |
※持ち主や会計上の扱いは、契約の内容(買い戻しの約束があるかなど)によって変わります。最終的には契約書と、顧問税理士の判断で確認してください。
「有償だっけ?無償だっけ?」を防ぐ確認方法
現場でよく起きるのが、同じ取引先でも品目によって有償・無償が混在するケースです。次の3点で確かめると、迷いが減ります。
✅ 基本契約書・覚書:支給の条件や、不良・紛失時の取り決めが書かれていることが多い
✅ 支給伝票・納品書:有償支給なら、単価や金額が記載されているのが一般的
✅ 取引先の購買担当への確認:書面で判断できない時は、品番ごとに確認して一覧にしておく
確認した結果は、後で紹介する支給品管理表の「区分」欄に記録しておきます。担当者が変わっても、迷わず判断できるようになります。
2.支給品の管理で現場によくある5つの課題
支給品の数が合わない時は、誰かの不注意を疑う前に「記録の仕組み」を見直すのが近道です。あなたの職場の日報や伝票は、支給品の動きを後から追える形になっているでしょうか。ここでは現場でよくある5つの課題を、失敗例(NG)と成功例(OK)で比べます。
課題1:自社の材料と支給材が混ざる
同じ規格の鋼材を、自社でも買い、取引先からも支給されている。そんな現場では、置き場が同じだとすぐに混ざります。混ざった後は、どれが支給品だったのか誰にも分かりません。
・NG:同じ棚に置き、「だいたい手前が支給品」と口頭で共有している
・OK:支給品専用の置き場を決め、取引先名と品番を書いた札を付ける。置き場がない時は、色テープやカゴで区画を分ける
課題2:不良や加工ロスを記録していない
加工中の不良や、段取りで使った試し削りの材料は、どうしても出てきます。問題は、それが記録に残らないことです。記録がないと、月末に「受け取った数」と「納めた数」が合わない時、原因を探すのに時間を取られてしまいます。
・NG:日報に「良品数」だけを書き、不良やロスは書かない
・OK:日報に「不良数」「ロス数」の欄を設け、理由も一言添える(例:寸法不良、段取り試し加工)
課題3:残材や端材の返却・報告が漏れる
無償支給の場合、使い切らなかった材料は取引先のものです。返却や報告のルールがあいまいだと、残材が倉庫の奥で眠り続けます。
・NG:残った材料を「次の注文で使うから」と、記録せずに置いておく
・OK:残材は「返却」「次回へ繰り越し」のどちらかに必ず決め、管理表に記録する。繰り越しの場合は取引先にも一報を入れる
課題4:受け入れ時に数を確かめていない
支給品が届いた時、伝票の数字をそのまま信じて受け取っていませんか。もともと数が足りなかった場合、後から証明する手段がなくなります。
・NG:忙しいので伝票にサインだけして、数は後で確認する
・OK:受け取ったその場で数を数え、伝票と違えば伝票に差異を書いて、取引先に連絡する
課題5:棚卸で数え漏れ・二重計上が起きる
期末の棚卸で、無償支給品を自社の在庫として数えてしまうケースがあります。逆に、有償支給で自社の在庫にすべき材料を数え忘れることもあります。
・NG:棚卸表に支給品の区分がなく、置いてある材料をすべて同じ表に書く
・OK:棚卸表を「自社材」「有償支給」「無償支給」に分け、数える前に区分を確認する。扱いに迷う時は、経理担当や税理士に事前に相談しておく
見落としがちな落とし穴:データはあるのに使えない
日報や伝票は、すでに手元にある「データ」です。ところが、次のような理由で、支給品の照合には使えないことがよくあります。
| よくある状態 | なぜ照合に使えないか | ひと工夫 |
| 日報に品番はあるが、支給品か自社材かの区別がない | 使った数を支給品ごとに集計できない | 日報に「支給品」のチェック欄を1つ足す |
| 支給伝票が紙のまま、ファイルに綴じてあるだけ | 月の合計を出すのに手作業で数え直す | 受け入れた日に、管理表へ数字だけ転記する |
| 品番の書き方が人によって違う | 同じ品目が別物として集計される | 品番は取引先の伝票の表記に統一する |
| 不良品を現場の判断で捨てている | 数が合わない理由を説明できない | 捨てる前に数を記録し、取引先の指示を確認する |
記録をゼロから増やす必要はありません。今ある日報と伝票に「区分」と「不良・ロス」の欄を足すだけで、支給品の動きはぐっと追いやすくなります。
3.支給品の管理方法5ステップと残数の計算方法
支給品の管理は、「受入→保管→払出→不良・ロス報告→月末照合」の5ステップで回すのが基本です。どれも特別な道具はいりません。大事なのは、5つの場面で必ず「数」を残すことです。ここでは手順と、迷いやすい残数の計算方法を具体的に示します。
支給品管理の5ステップ
✅ 有償・無償の区分を確認し、管理表に「受入日・品番・数量・区分」を記録する
✅ 同じ規格の自社材とは、棚・カゴ・色テープなどで必ず区画を分ける
✅ 1台あたりの使用数(員数)が決まっていれば、納品数から逆算してもよい
✅ 取引先との取り決めに沿って、不良品の返却・廃棄・報告を行う
✅ 差異があれば、その月のうちに理由を調べてメモを残す
残数の計算方法
「月末に何個残っているはずか」は、次の式で計算します。
そのうえで、実際に数えた残数との差を確認します。
差異がマイナスなら「記録より少ない」、プラスなら「記録より多い」状態です。マイナスは不良・ロスの記録漏れ、プラスは受入の二重記録や使用数の書き過ぎが疑われます。
計算例:支給部品Aの場合
1つの製品に支給部品Aを2個使う、という条件で考えます。
| 項目 | 数量 | メモ |
| 前月繰越 | 20個 | 先月末に数えた実数 |
| 当月の受入数 | 100個 | 支給伝票2枚分(50個×2回) |
| 使用数 | 80個 | 納品した製品40台×2個 |
| 不良数 | 3個 | 組付け時の傷・寸法不良 |
| ロス数 | 2個 | 段取り時の試し組み |
| 返却数 | 0個 | 当月の返却なし |
| 帳簿上の残数 | 35個 | 前月繰越+受入数-使用数-不良数-ロス数-返却数 =20+100-80-3-2-0 |
| 実際の残数 | 33個 | 月末に数えた数 |
| 差異 | -2個 | 理由を調査する |
この例では、2個が記録より少なくなっています。まずは日報の不良・ロス欄に書き漏れがないかを確認します。次に、員数(1台あたり2個)どおりに使われたかを、現場に聞き取ります。
CHECK
計算でつまずかないためのコツ
-
- ☑
単位をそろえる:
鋼材などは「本」「kg」「m」が混ざりやすい。取引先の伝票の単位に合わせる
- ☑使用数は2通りで確かめる:
日報の記録と「納品数×員数」を比べると、記録漏れに気づきやすい
- ☑長さ・重さで支給される材料は「取り数」で考える:
定尺材1本から何個取れるか(取り数)で使用量を見積もり、切り残した端材も残数として記録する
- ☑
- ☑
差異はその月のうちに調べる:
翌月以降は記憶が薄れ、原因を特定できなくなる
4.Excelで作る支給品管理表のフォーマット
支給品管理表は、Excelの「受払台帳」と「月次照合表」の2枚から始められます。新しいシステムを入れる前に、まずは手元のExcelで支給品の動きを見える形にしてみましょう。ポイントは、1つの動きを1行で記録することです。
シート1:受払台帳(1つの動きを1行で記録)
受入・使用・不良・返却など、支給品が動くたびに1行ずつ追加します。シート名は「受払台帳」にしておくと、後で紹介する集計の式がそのまま使えます。
受払台帳
| A | B | C | D | E | F | G | H | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 日付 | 取引先 | 品番 | 区分 | 動き | 数量 | 単位 | 伝票番号・メモ |
| 2 | 2026/11/05 | A社 | P-1001 | 無償 | 受入 | 50 | 個 | 支給伝票No.123 |
| 3 | 2026/11/08 | A社 | P-1001 | 無償 | 使用 | 40 | 個 | 製品20台分 |
| 4 | 2026/11/08 | A社 | P-1001 | 無償 | 不良 | 1 | 個 | 寸法不良、A社へ報告済み |
| 5 | 2026/11/12 | B社 | S-200 | 有償 | 受入 | 10 | 本 | 支給伝票No.456 |
| 6 | 2026/11/19 | A社 | P-1001 | 無償 | 受入 | 50 | 個 | 支給伝票No.130 |
| 7 | 2026/11/22 | A社 | P-1001 | 無償 | 使用 | 40 | 個 | 製品20台分 |
| 8 | 2026/11/22 | A社 | P-1001 | 無償 | 不良 | 2 | 個 | 組付け時の傷、A社へ報告済み |
| 9 | 2026/11/22 | A社 | P-1001 | 無償 | ロス | 2 | 個 | 段取り時の試し組み |
| 10 |
|
|||||||
| 11 | ||||||||
| 12 | ||||||||
| 13 | ||||||||
| 14 | ||||||||
| 15 |
※P-1001の11月分は、第3章の計算例(支給部品A)と同じ数字です。前月繰越の20個は、次の月次照合表に記入します。
「区分」と「動き」は、Excelの入力規則(リスト)で選択式にしておくと、表記の揺れを防げます。
✅ 区分:有償/無償
✅ 動き:受入/使用/不良/ロス/返却
シート2:月次照合表(品番ごとに残数を確認)
品番ごとに1行で、月末の残数と差異を確認します。黄色のセルは式で自動計算するため、手で入力するのは白いセルだけです。
表は横にスクロールして確認できます。
| A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 集計開始日 | 2026/11/01 | ||||||||||
| 2 | 集計終了日 | 2026/11/30 | ||||||||||
| 3 | ||||||||||||
| 4 | 品番 | 区分 | 前月繰越 | 受入 | 使用 | 不良 | ロス | 返却 | 帳簿上の残数 | 実際の残数 | 差異 | 差異の理由 |
| 5 | P-1001 | 無償 | 20 | 100 | 80 | 3 | 2 | 0 | 35 | 33 | -2 | 調査中 |
| 6 | S-200 | 有償 | 0 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 10 | 0 |
受入から返却までの数は、受払台帳からSUMIFS関数で自動集計します。照合表のセルB1に月初の日付、B2に月末の日付を入れたうえで、セルD5に次の式を入力します。
=SUMIFS(受払台帳!$F:$F,受払台帳!$C:$C,$A5,受払台帳!$E:$E,D$4,受払台帳!$A:$A,">="&$B$1,受払台帳!$A:$A,"<="&$B$2)
この式は、4行目の見出し(受入・使用・不良・ロス・返却)を集計の条件に使っています。そのため、D5の式をH5まで右へ、さらに下の行へコピーするだけで、すべての品番と動きを集計できます。見出しの文字は、受払台帳の「動き」と同じ言葉にそろえてください。
帳簿上の残数と差異は、次の式で求めます。
表は横にスクロールして確認できます。
| セル | 入力する式 | 意味 |
|---|---|---|
| D5〜H5 | 上記のSUMIFSの式 | その月の受入・使用・不良・ロス・返却の合計 |
| I5 | =C5+D5-E5-F5-G5-H5 | 帳簿上の残数(前月繰越+受入-使用-不良-ロス-返却) |
| K5 | =J5-I5 | 差異(実際の残数-帳簿上の残数) |
日付は「11/5」のような文字ではなく、Excelの日付形式で入力してください。文字のままだと期間の条件が効かず、集計から漏れてしまいます。日付として正しく入力されていれば、セルの中で右に寄って表示されるので、見分けの目安になります。同じ品番を複数の取引先から支給されている場合は、取引先の列(受払台帳のB列)も条件に加えます。
管理表を続けるための運用ルール
✅ 入力する人とタイミングを決める:受入は事務担当がその日に、使用・不良は日報をもとに週1回、などと決める
✅品番は取引先の表記にそろえる:社内の呼び名ではなく、支給伝票の品番を使う
✅月末照合は30分で終わる範囲から:最初は金額の大きい品目や、よく差異が出る品目だけに絞って始める
✅差異の理由を必ず書く:理由の記録が貯まると、同じ失敗を繰り返さない職場に生まれ変わる
取引先からの「支給品の残高確認」にもすぐ答えられる
取引先から「支給品が今いくつ残っているか」の報告を求められることもあります。月次照合表で残数を管理していれば、品番ごとの残数をそのまま回答できます。
回答する時は、次の3点をそろえておくと、取引先とのやり取りがスムーズです。
✅ 基準日:何月何日時点の残数か
✅ 数字の種類:帳簿上の残数か、実際に数えた残数か
✅ 差異の説明:差異がある場合は、その数と理由
5.知っておきたいお金と取引ルールの考え方
支給品の管理は、数を合わせるだけでなく、お金の精算とも深くつながっています。ここでは、事務担当が押さえておきたい考え方だけを紹介します。個別の判断は契約内容によって変わるため、最終的には専門家に確認してください。
有償支給材の代金は「いつ」精算されるのか
2026年1月1日に、下請法を改正した「取適法」が施行されました。正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」です。
※出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」
公正取引委員会の解説では、委託事業者(発注側)の禁止行為の1つに「有償支給原材料等の対価の早期決済」が挙げられています。有償で支給した材料の代金を、その材料を使った製品の代金の支払期日より早く支払わせたり、差し引いたりすることは、取適法違反になるとされています。(出典:公正取引委員会「委託事業者の禁止行為」)
ただし、この禁止は、受け取った側(中小受託事業者)に責任がない場合を対象としています。受け取った側の責任で材料を使えなくした場合などは、扱いが異なります。(出典:公正取引委員会「委託事業者の禁止行為」)
取適法が適用されるかどうかは、取引の内容と、双方の資本金や従業員数で決まります。(出典:公正取引委員会「取適法の概要」)
事務担当としては、相殺明細に書かれた材料代が「どの製品の代金と、いつ差し引かれているか」を確認できるようにしておくと安心です。第4章の受払台帳に受入日と伝票番号を残しておけば、確認がスムーズになります。
会計・税務の考え方(概要)
有償支給と無償支給では、帳簿での扱いの考え方が異なります。
📦有償支給
材料代の動きがあるため、記帳が必要になります。会計上の扱いは、取引先が加工後の製品を買い戻す約束(買戻し義務)があるかどうかで考え方が変わると解説されています。受け取る側の売上の計上についても、加工代相当額だけを計上する方法と、材料代を含めた総額で計上する方法が実務上あるとされています。(出典:TKC「『有償支給取引』の連結への影響を考察する~解説編~」)
📦無償支給
材料の代金は発生しません。取引先から預かっている材料として自社の材料とは分けて管理し、取引先には加工代を請求します。
なお、有償支給の考え方を定めた企業会計基準委員会の「収益認識に関する会計基準」と、その適用指針は、上場会社や会社法上の大会社などには強制適用、それ以外の会社は任意適用とされています。
受け取る側の記帳方法や消費税の扱いは、契約の内容や取引先の処理によって変わることがあります。迷った時は、契約書と支給伝票を用意して、顧問税理士に相談してください。
6.まとめ
支給品の管理は、「置き場を分ける」「受け入れた時に数える」「使った数と残りを毎月照合する」の3つで大きく改善できます。
有償支給は材料代の精算を、無償支給は預かった数の報告を正しく行うことが目的です。どちらも、日報と伝票に「区分」と「不良・ロス」を残すことが出発点になります。
まずは、差異がよく出る品目を1つ選び、今月から受払台帳をつけてみてください。月末の数合わせに追われる職場から、理由を説明できる職場へ生まれ変わる第一歩になります。
7.Q&A(現場でよくある疑問)
| Q.無償支給品は、自社の在庫(棚卸資産)に含めますか? |
| 無償支給品は、取引先から預かっている材料です。まずは自社の材料と混ざらないよう、棚卸表でも分けて数えておくことが大切です。在庫に含めるかどうかの会計上の判断は、契約書を用意したうえで顧問税理士に確認してください。 |
| Q.受け取った支給品に、最初から不良や数の不足がありました。どうすればいいですか? |
| 受け取ったその場で伝票に差異を書き、すぐに取引先へ連絡してください。不良品は使わずに別の場所へ分けて保管し、取引先の指示を待ちます。後から報告すると、受け入れ後の不良と区別できなくなります。 |
| Q.加工中に不良を出した場合、支給材の代金は誰が負担しますか? |
| 取引先との契約内容で決まります。まずは基本契約書や覚書に取り決めがあるかを確認しましょう。取り決めがない場合は、トラブルになる前に取引先と話し合い、書面で残しておくと安心です。 |
| Q.有償支給材の代金が、製品代金の支払日より前に差し引かれています。問題ないのでしょうか? |
| 取適法の対象となる取引であれば、委託事業者の禁止行為に当たる可能性があります。ただし、受け取った側に責任がある場合は扱いが異なります。まずは相殺明細を確認し、取引先の担当者に経緯を確かめましょう。判断に迷う時は、公正取引委員会の取適法に関する相談窓口を利用できます。 |
| Q.紙の日報とExcel、どちらで管理すべきですか? |
| 現場の記録は、使い慣れた紙の日報のままで構いません。そのうえで、月末の照合はExcelで行うのがおすすめです。紙の日報に「支給品」「不良・ロス」の欄を足し、事務担当がExcelに転記する形なら、現場の負担を増やさずに始められます。 |
| Q.支給品の数が毎月少しずつ合いません。どこから手をつければいいですか? |
| まずは日報に「不良数」「ロス数」の欄を足すことから始めてください。数が合わない時に、まず疑いたいのが不良やロスの記録漏れです。記録を続けると、差異の原因を絞り込みやすくなります。 |















