「データが揃わない会社」が最初にやるべき現場整理6ステップ
著者:ものづくりコラム運営
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データが揃わない会社がまずやるべきことは、“集める方法”ではなく“整理する順番”を整えることです。
現場は毎日忙しく、記録のルールもバラバラ。そのため、「データが足りない」「記録が続かない」といった状況は、多くの企業で起きています。
しかし、実は“完璧なフォーマット”を作る必要はありません。大切なのは、現場がムリなく続けられる“手順”をつくること。
本コラムでは、データが揃わない会社が最初に取り組むべき 6つの現場整理ステップ をやさしく解説します。
1.なぜ「データが揃わない」問題は放置されやすいのか
データを集めることの必要性は多くの会社が理解しています。それでも、実際には次のような理由で整理が後まわしになりがちです。
| ✅現場が忙しく、記録に時間を割けない ✅入力フォーマットが部署ごとに違い、統一できていない ✅記録しても活用されないため、モチベーションが続かない ✅「どのデータから始めるべきか」が曖昧で、動き出しにくい |
こうした背景から、データの整備は「必要なのに、なかなか着手できない領域」になりがちです。では、まずどこから手をつければよいのか、6つのステップに分けて整理します。
2.最初に進める6つの現場整理ステップ
ここからは、データが揃っていない状態でも「今日から始められる」実践的な手順を紹介します。
ポイントは、データそのものではなく、“業務 → 情報 → 情報源 → ルール → 理由 → 小さな成功”の順に整えることです。
この順番を守るだけで、ムリのないデータ活用の土台ができあがります。
STEP1:まず“どの業務”から整理するかを決める(業務の棚卸し)
データ整理を進める前に、「どの業務を対象にするか」を最初に絞ります。
生産、在庫、購買、品質…すべて一度に手をつけると必ず失敗します。まずは 1つの業務 から始めることが成功の近道です。
また、現場ごとに「記録しているもの」「していないもの」の差を把握するだけで、整理すべきポイントが見えてきます。
STEP2:その業務で“意思決定に使っている情報”を洗い出す
業務が決まったら、「その仕事を判断するために、本当に必要な情報」を書き出します。
例えば、生産遅れなら「計画」「実績」「遅れの理由」が必要になります。ここでは“理想のデータ”ではなく、現実に使っている情報に絞ることが大切です。
STEP3:“情報源がどこにあるか”を整理する(情報の地図づくり)
次に、洗い出した情報がどこに存在しているか、どんなシステムやツールで管理しているのかをまとめます。
紙のノート、Excel、ホワイトボード、口頭、システム…
情報が散らばっていることこそ、データが揃わない最大の原因です。まずは「情報の地図」を描くように一覧化しましょう。
STEP4:入力・記録ルールの“最小単位”を決める
ここで初めて“ルール”を作ります。
ポイントは、いきなり完璧にしないこと。
日次なのか、品目単位なのか、ライン単位なのか。
最小限で守れるルールだけ を設定し、まずは慣れることを優先します。
STEP5:経営者が“記録する理由”を明確に伝える
現場が入力しない最大の理由は、「記録しても意味があるのか分からない」こと。ここで必要なのは、経営者や管理者からのメッセージです。
「この記録が、納期改善につながる」「ミス削減に役立つ」など、記録の目的と、成果につながる理由 を共有しましょう。
STEP6:まず“1つの見える化”だけ試して、小さな成功をつくる
最後に、すぐ実感できる小さなテーマに絞って見える化します。
例えば
| 🔎在庫の見える化 🔎工程負荷の見える化 🔎仕掛りの見える化 |
など、1つだけで構いません。
小さな成功体験が生まれると、現場も協力的になり、次の改善につながります。
3.まとめ:データが揃わない会社は“フォーマットより順番”が重要
データが揃わない会社の課題は、「仕組みがない」からではありません。
正しい順番で整理されていないこと が根本原因です。
| 💡データの利活用のための準備・手順 【1】業務を選ぶ 【2】情報を洗い出す 【3】情報源を整理する 【4】最小限のルールを作る 【5】理由を伝える 【6】小さな成功をつくる |
この流れを踏むだけで、ムリなく・確実にデータが揃い、現場が自走できるようになります。
データ活用の本質は、ツールではなく“運用の質”です。まずは、できるところから一歩ずつ進めていきましょう。
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