資金繰りの悩みで頭が一杯になる前に《先義後利》

著者:合屋 祐里(ごうや ゆり) 資金繰りの悩みで頭が一杯になる前に《先義後利》        
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合屋 祐里(ごうや ゆり) カスタマーサクセス本部

2022年 テクノア入社
2023年 中小企業診断士登録

農業系の団体職員を経て、顧客支援職として入社しました。
生産管理システムの運用指導を通して、お客様に寄り添いながら、中小製造業様の課題解決に尽力してまいります。

はじめまして、株式会社テクノアの合屋です。
今回は、中小企業経営者にとって厄介な悩みというべき、資金繰りについてお話ししたいと思います。

1.企業経営にとって資金繰りとは

企業の究極的な目的は、「存続すること」です。
では、利益さえ上がっていれば企業は存続できるのでしょうか。
皆様ご存知のとおり、巷には黒字倒産という言葉もあるように、利益が上がっているだけでは企業は存続できません。
企業が存続していくためには…
そう、現金預金(キャッシュ)が必要不可欠なのです。

たとえ赤字が出てしまっても、キャッシュが潤沢にあれば、従業員のお給料などの固定費の支払を続けることができますし、挽回に向けた時間的猶予も取り得るアクションの幅も格段に変わってきます。

また、キャッシュが足りなくなる、すなわち資金繰りが悪化することによって、経営者の頭の中はその問題で一杯になってしまい、本来の仕事である「経営」に集中できなくなってしまいます。
こうした経営者の不安・恐れは周囲に伝染してしまうため、会社全体が暗い雰囲気に覆われてしまい、さらなる業績悪化を招く…という悪循環にもなりかねません。
このように、企業経営において、潤沢なキャッシュの確保=資金繰りの安定は極めて重要なのです。

2.資金繰りについて最低限押さえておきたいポイント

キャッシュや資金繰りが大事だと聞いて、なかには「そうは言っても会計のことはよく分からないし…」といった感想を持つ方もおられるでしょう。
そこで、資金繰りについて経営者が最低限押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

【1】自社が確保しておくべき現金預金の適正水準を設定する
明確な基準がある訳ではないため、あくまで目安ですが、月商(月の売上)の2倍以上の現金預金を確保できていれば、安全経営だと言われることが多いです。
厳密には業種・業態によって適正な水準も変わりますが、自社が安心して経営に打ち込める現金預金の水準を目標として設定することが重要です。

【2】資金繰り悪化のメカニズムを知っておく
資金繰りが悪化する原因としては、継続的に赤字が出ている、売掛金の回収が遅い、無駄に在庫を持ちすぎている、借入金の返済負担が大きい、など様々なものが考えられます。
すでに悪化した状態では、早急な資金の手当てと経営改善が求められることになりますが、平時においても資金繰り悪化のメカニズムを念頭に置いて、そうならない行動を組織に定着させる必要があります。

【3】資金繰りを常日頃から管理する
皆様の会社では、月次の資金繰り表(実績・予定)を作成していますか?
資金繰り悪化を未然に防ぐためには、兆候の把握が何よりも大事です。
資金繰り表はExcelテンプレートを使って作成する方法以外に、会計ソフトから出力できたりもします。弊社が取り扱うTECHSのような生産管理システムでは、生産活動に伴う入出金予定を管理することが可能なので、資金繰り表の作成にも一部活用できます。
また、自社で経理業務を行っておらず、顧問税理士等に委託している場合、費用との兼ね合いにはなりますが、定期的な資金繰りサポートを依頼するなどの方法も考えられます。このように、資金繰りを常日頃から管理する体制を作っていきましょう。

3.まとめ

・お金の余裕は心の余裕-企業の存続には現金預金(キャッシュ)が不可欠
・要所を押さえた上で資金繰りを継続的に管理し、資金繰り悪化を未然に防ぐ

本コラムが経営者の皆様の一助となりましたら幸いです。

 

 

 

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