コラム

第14回「B/SとP/Lの読み取りポイント」 古川 祐介2018.04.10

3月に決算期を迎えられた企業様も多いと思います。
今回は、決算期にちなんで、「B/S(貸借対照表)」「P/L(損益計算書)」について解説します。
 
『中小企業の経営者様の多くは、決算書をしっかり見ない、見方を知らない。』
『関心があるのは、売上高だけ。』
年間約300社の製造業様を訪問させていただいている私の経験から、そう感じます。

それはつまり『決算書は難しい。』と思われている経営者様が多い、
ということではないでしょうか。

資産・負債・資本・・・
売上・売上原価・販管費・営業外損益・・・
 
ひとつひとつの説明は、ここでは控えますが、
こういう説明から入ると、頭が痛いですよね。

本コラムでは、大事なポイントを3点ピックアップします。

〈ポイント1〉 「B/S(貸借対照表)」

経営者が優先して読むべきなのは、「B/S」です。
 
経営で最も大事なのは、「キャッシュ(現金及び現金同等物)」です。
支払いに充てる「キャッシュ」があれば、会社は存続できるからです。
 
「P/L」を優先して見る必要はありません。
なぜなら「P/L」は、黒字か赤字かの状態を表すもので、1年間の経営成績、
つまりは過去の数字の情報なのです。
「P/L」が黒字であっても、「キャッシュ」がなければ会社は存続できません。
 
現時点の資産の状態を示す「B/S」の左側「資産の部」、「流動資産」の中に
「現金預金」という勘定科目があります。
まずは、「現金預金」の数字を見てください。

〈ポイント2〉 流動性の高さ

「B/S」は、左側が「資産の部」、右側が「負債の部」となっています。
ここでは、この並び順に着目してみましょう。
 
まず、「資産の部」ですが、
上から短期間で現金化しやすい項目の順に並んでいます。
「キャッシュ」以外にも、短期間で現金化しやすい「資産」
持っているほうが、会社の流動性は高いと言えます。
つまり、「資産の部」には上位の勘定科目に数字が多くある方がよいと言えます。

次に、「負債の部」です。こちらは、
上から資金調達が容易で、短期間で返す必要のある項目の順に並んでいます。
資金調達を行うには、会社の信用力が必要になりますが、上位の項目は、
下位の項目より会社の信用力が低くても調達しやすく、
その代わり、短期間で返す必要のある調達方法となります。
 
「負債の部」では、下位の勘定科目に数字がある方がよいと言えます。
上位の「短期借入金」よりは、すぐに返す必要のない、
下位の「長期借入金」の方が好ましいということです。
 
同じ数字でも、
「資産の部」ではより上位へ、「負債の部」ではより下位へと移していくことが、
財務基盤の強い会社を作ることに繋がります。

〈ポイント3〉 「P/L(損益計算書)」

〈ポイント1〉でも説明したとおり、「P/L」は1年間の経営成績です。
 
 売上
-売上原価
--------------------
 売上総利益企業のもっとも基本となる利益)
 -販管費
--------------------
 営業利益企業が本業で稼いだ利益)
 ± 営業外損益
--------------------
 経常利益(企業が本業と本業外で獲得した利益)
 
「P/L」は今のことではなく過去のことですので、経営の振り返りに活用します。
 
それぞれの勘定科目に対しては、『増えたか?』『減ったか?』に注目し、
『なぜ増えたのか?』『なぜ減ったのか?』をチェックすることから始めてみましょう。
チェックを繰り返すことで原因がわかります。
 
良い場合はそれを伸ばし、悪い場合はそれを取り除くことで、経営改善が進みます。
 
 
ここまで大事なポイントを3点解説しましたが、
当コラムをきっかけに『決算書は面白い。』と思っていただけますと幸いです。

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氏名:古川 祐介(ふるかわ ゆうすけ)
所属:(株)テクノア TECHS事業部 中部営業部
TECHSを導入検討いただく企業様に訪問し、
ヒアリング~課題抽出~課題解決提案をおこなう部門で、
東海北陸地区の営業責任者を務めさせていただいております。
TECHS営業課は、生産管理に課題を持つ多くの製造業様にお伺いします。
そこで見たり、聞いたり、感じた実際の事例と、
中小企業診断士の取得で得た知識を重ね合わせて、
改善ノウハウを、理論的に分かり易く、お伝えしてまいります。
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