導入事例 CASE STUDY

目標・数字への意識を高めると、社員の「行動」が変わる ~過去最高益が見えてきた~

有限会社マーベル 様
TECHSシリーズ | TECHS-BK IT経営プロジェクト 10~30名未満 部品加工業 その他加工(金属以外)

有限会社マーベル様は、眼鏡産業が盛んな鯖江市で、眼鏡のフレーム、および部品の切削・加工を行っている会社です。職人の高い技術力により、メタル・プラスチックなど、メガネに使用される多彩な素材の加工を請け負い、Made in Japanの精度・品質にこだわった小ロット・高品質な眼鏡フレームを企画・デザインから提供しています。
生産管理システム『TECHS-BK』の導入で個別原価を見える化できましたが、さらに経営管理の強化・現場での管理会計の必要性を感じ、『IT経営プロジェクト』を導入されました。


CLIENT PROFILE
商 号有限会社マーベル
所在地福井県
設 立1995年8月
資本金3,000千円
事業内容眼鏡メーカー向けアセチロイド樹脂、セルロイド樹脂を材料とした、眼鏡部品の成形と加工及び、ベリ銅、銀を材料とした鋳造部品の販売
ホームページhttps://www.marvel-inc.co.jp/

きっかけは売上減少・収益性低下・社長の交代

マーベル様では、2019~2020年にかけて大幅に売上が減少、2018年以降は売上高営業利益率も低下し、利益率が高かった2017年と比べて約3分の1になっていました。また、2021年には、前年度比でさらに売り上げの1割減が見込まれていました。そんな状況の中、マーベル様は2020年8月に創業25周年を迎え、また、同じタイミングで現社長 石山 将平様が社長に就任されました。石山社長は売り上げの減少、さらに収益性の低下が発生しているにもかかわらず、現場リーダー達に切迫感が無いことに危機感を覚え、経営管理の強化・現場での管理会計の必要性を感じ、『IT経営プロジェクト』の導入を決めました。

売上・利益率の推移

売上減少・収益性低下の原因は「意識」の問題だった

『IT経営プロジェクト』では、テクノア所属の中小企業診断士が現状分析を行い、原因・課題を抽出して改善に向けた取り組みの開始を支援します。
まずは財務諸表・ヒアリングで現状を分析し、原因・課題を抽出しました。

眼鏡製造業界には「完成した時が納期」という商習慣があり、マーベル様では外注先からの納期遅延・得意先からの要求による納期変更が多く発生していました。その結果、予定通りに出荷ができず、売上時期が延びていました。また、売上目標(年間/月間)の管理が無く、「延びたものは仕方がない」という意識があり、売上減少につながっていました。そして、売上(仕事量)が減少しているにもかかわらず、残業が増加することで労務費が増加し、赤字物件も発生していました。しかし、現場には「残業が必要なんだから仕方がない」という意識があり、それが収益性低下の原因となっていました。

そこで、「仕方がない」という意識を改変して、管理体制を強化すること、特に原価管理・売上管理体制の構築を行うことが当面の取り組みとなりました。

現状分析と改善の取り組み
現状分析と改善の取り組み

適切な売り上げ目標/原価目標の明確化と共有

現在の製造原価や販売費を基に、目標とする営業利益率のために必要な売上目標(年間/月間)と目標個別原価を設定しました。

そして、ただ設定するだけでなく「なぜそれが目標となるのか」「どうして達成しなければならないのか」をマーベル様の財務諸表の数字から現場リーダー達に説明しました。これにより、目標が明確化され、目標が達成されないことについて「理由が何であれ仕方がないではいけない」という意識が共有されました。

売上管理は「結果を確認すること」ではなく「売上予定を管理すること」

売上目標を決めたら、それに向けて行動する必要があります。1ヵ月が終わって、目標を達成できたかどうか結果を確認することは売上管理ではありません。外注先や得意先の都合による納期変更は避けられませんが、月中に売上目標と売上予定金額を確認しながら、自社都合の売上延期の防止・次月売上予定の前倒しの検討を行うなど、月次の売上目標達成に向けて意識が変化しました。

自社の費用を基に時間チャージを決定し、社内加工費を含めた個別原価管理を開始

マーベル様の従来の原価管理は、材料の調達・外注などの社外費用の管理のみが対象でした。
そこで、まずは自社の労務費を基にした時間チャージを設定して、生産管理システム『TECHS-BK』で加工工数の収集を行い、社内加工費を含めた個別原価を見える化しました。
そして、目標利益・販管費・製造間接費を考慮した結果、適切な製造原価率の目標値を決定しました。
個別原価が見えるよおうになると、目標原価率を超えた物件が数多くあること、赤字物件も複数発生していることが判明しました。その中には、赤字の予想をしていた物件もありましたが、予想していなかったものもありました。日ごろ頑張っている現場のリーダーにとっては非常につらい現実ではありますが、一方で見える化されることで振り返りの必要な物件が明らかになりました。

改善に向けた原価会議の開始

前週に納品した物件のうち、目標原価率を超えた物件について、原価の振り返り会議を行うことになりました。
会議資料、会議運用方法を決定し、テクノアのコンサルタント立ち合いのもと、原価会議が開始されました。『TECHS-BK』で目標原価率以上の物件を抽出し、仕入・作業実績を確認して原因を特定。そして改善方法を検討します。

適切な目標とその共有が一人一人の「意識」を変え、「行動」を変える

今では週に1回、石山社長と現場リーダーが集まって原価会議を実施しています。以前は会議というと、石山社長が仕切って現場リーダーがその場で考えて質問に答えるだけでした。しかし、現在は現場リーダーが中心です。各リーダーが正確なデータを基に、目標原価を上回る物件について事前に原因を確認してから会議に参加し、再発防止に向けて話合うようになりました。売り上げの目標管理も、原価会議もまだ始まったばかり。業績への効果はまだまだこれからですが、現場リーダーの意識が変わり、改善に向けた行動に変化が生まれています。(2022年、過去最高益を達成できそうだというお言葉をいただいております)

石山社長からは、「『IT経営プロジェクト』で、社員に対して、利益が出ない理由と利益を出す方法を教えてもらい、おかげで社員が会社のことを自分ごとのように意識するようになりました。」とお喜びの声をいただいております。