システム導入の目的を明確にし、部門横断で業務を改革

株式会社フジワラテクノアート 様

株式会社フジワラテクノアート様は、国内の製麹分野で約80%のシェアを誇る醸造機械のトップメーカーです。1933年の創業以来、醤油、味噌、清酒、焼酎などの醸造分野で、麹づくりの全自動無人化に挑戦され、その卓越した技術力は各方面から高く評価されています。特に、醸造で最も重要なプロセスである製麹、こうじ菌を大量培養する固体培養技術を得意とされ、個別受注生産・フルオーダーメイドで、お客様の幅広いニーズに対応できる「ワンストップ・サービス」の実現を目指されています。
2019年には、経営理念として、SDGsを取り入れた「開発ビジョン2050」を掲げ、発酵などの微生物の力を産業化することで、「こころ豊かな循環型社会」の実現を目指されています。

【今回お話を伺った方】

取締役副社長 藤原 加奈 様
経営企画室 係長 頼 純英 様
製造部 製造管理グループ 調達チーム チームリーダー 室井 俊輔 様
技術営業部 第二グループ 山崎 友香理 様


           
株式会社フジワラテクノアート
CLIENT PROFILE
商 号株式会社フジワラテクノアート
所在地岡山県
設 立1950年2月
資本金3,000万円
事業内容醸造機械・食品機械・バイオ関連機器の開発、設計、製造、据付、販売およびプラントエンジニアリング
ホームページhttps://www.fujiwara-jp.com/

フルオーダーメイドのものづくりをさらに高度化させるため、TECHS-S導入を決意

藤原副社長「2019年に、『創造的業務に向けた時間の創出』を経営方針として、業務効率化への取り組みを開始しました。その中で、最優先課題として挙がったのが、業務の可視化・標準化と、生産管理の効率化でした。
当時は、手組みの販売管理システムと、Excelや紙ベースでの設計・製造工程の管理を併用していました。新システムを検討する中で、TECHS-S(以下、TECHS)は、経営方針を実現し、フルオーダーメイドのものづくりをさらに高度化できると感じました。それに加え、5年、10年先の会社の成長も見据えて活用できるシステムだと感じ、導入を決意しました。」

TECHS導入の目的を明確化し、全部門で業務を見直し

藤原副社長:「TECHS導入にあたり、その目的を『「開発ビジョン2050」実現に向けて創造的業務のための時間の創出』と明確にした上で、業務改革を推進しました。
実現のために委員会を立ち上げ、トップダウンで行うだけでなく、ボトムアップ形式での意見も吸い上げられる体制を整えました。また、全部門の担当者を集め、業務フローの見直しとルール化を行うことで、これまで見えていなかった各部門のあるべき姿が明確になりました。
TECHSで情報の可視化が実現した結果、社内のコミュニケ―ションが想像以上に活性化しました。今では、役職や部門間の垣根を越えて、IT活用にとどまらず、組織体制、人材育成など、様々な意見が挙がるようになりました。」

正確な受注情報を共有、EUC Toolで原価を多角的に分析

山崎様:「営業部では、正確な受注情報の共有と原価情報の分析に取り組みました。
以前のシステムでは、入力項目の一部しか出力ができず、活用したい情報があっても取り出すことができませんでした。TECHSは、登録した全ての情報を検索・出力できるので、登録後のデータ活用を意識し、あいまいな情報ではなく、正確な情報を入力するようになりました。
原価情報の分析には、EUC Toolを活用しています。営業担当者ごと、地域ごと、受注項目ごと、など多角的に確認できるようになりました。」

部門横断の業務改革で発注時の転記工数を大幅削減

室井チームリーダー「部門横断で業務の見直しを行った結果、発注工数を大幅に削減できました。
以前は、設計からの図面データをもとに発注などを行っており、膨大な転記作業が発生していました。
そこでTECHS導入を機に、設計部門がExcel形式で部品表を作成し、直接TECHSに取り込む運用に変更しました。これにより、調達チームの負担が大幅に軽減されました。」

発注業務の電子化で、月400時間の発注工数と、月12万円のコストを削減

室井チームリーダー「他にも、BtoBプラットフォーム 発注連携オプションの活用で、発注業務が非常に効率化しました。
以前は発注書を印刷し、1社ずつFAXで送信していましたが、現在はインターネットを介し、自席ですぐに発注が完了します。また、インターネット上で、発注に関するデータや状況を、リアルタイムに協力会社と共有できるようになりました。その結果、電話やメールでの納期などに関するやり取りや、問合せの対応時間も減りました。
これらにより、月間400時間もの発注工数を削減できました。また、ペーパーレス化も実現し、用紙代や、電話・FAX等の通信コストだけでも、月に約12万円を削減できました。
ところで、発注業務の電子化には、取引先の協力が欠かせません。テクノアが用意したマニュアルを活用し、自社が主体となって説明した結果、今では120社以上に賛同いただき、ほとんどすべての発注をカバーできるようになりました。」

日程計画オプションで、生産計画の調整時間を月120時間削減

製造部ご担当者様:「日程計画オプションの活用で、月120時間もの生産計画の調整工数を削減できました。
以前は、私が一人で生産計画をExcelにまとめていました。同じ日程を、案件別、協力会社別、機械別などの様々な切り口に分ける必要があり、毎日膨大な時間を費やしていました。
今は画面上で簡単に、ガントチャート形式の計画表を作成できます。また、進捗や負荷などを様々な切り口で確認でき、大変便利です。今後は部品加工の進捗管理も強化していきたいです。」

「おかやまIT経営力大賞」受賞、さらなるIT活用への自信に

頼係長:「当社は、TECHSと、BtoBプラットフォーム 発注連携の導入によるIT活用が評価され、2020年に『おかやまIT経営力大賞』の大賞を受賞することができました。この受賞をきっかけに、IT化への自信がつき、TECHS導入プロジェクトに直接関わらなかった社員も、IT活用に前向きになりました。」

藤原副社長:「数年前はDXとは程遠く、ITに取り組む環境も整っていないような状況でした。システム導入成功の自信と、業務効率化による時間創出により、新たなチャレンジへの意欲が湧き、良い循環ができてきました。
今後も、コストダウンや納期短縮を図るため、全員参加型の委員会を定期的に開催して、TECHSに蓄積した情報の活用を続けていきます。
また、図面やお客様情報などのデータベース化にも着手し、受注前工程の改善も行っていきたいです。さらなるDXを推進し、知識の共有も行うことで、フルオーダーメイドのものづくりの高度化を目指していきます。」

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