属人化解消による削減工数を有効活用し、受注量が2倍に

杉野工業株式会社 様
加工製品(溶射施工)
今回お話を伺った、杉野社長(中央)、一柳様(左)、綾野様(右)

ワンストップサービスによる、短納期・高品質の機械部品補修に対応

三重県鈴鹿市にある杉野工業株式会社様(以下、杉野工業様)は、50年にわたり、各種専用機や機械部品の製造、修理、再生を手掛けられてきました。
一般的に時間がかかる機械部品の補修について、ワンストップサービスによる短納期、高精度、低コストでの対応を強みとされています。
さらに、三重県下で唯一の溶射施工企業として、耐久性に優れた部品製造により、高評価を得られています。高品質ながら迅速な納品を実現し、四日市の石油・化学コンビナート企業にとって欠かせないパートナーである杉野工業様。壊れた機械部品を補修・再生することで、機械の寿命を延ばし、SDGsの実現に向けた取り組みにも大きく寄与されています。

 

【今回お話を伺った方】
代表取締役 社長 杉野 大雄 様(中央)
工場長 一柳 充 様(左)
製造部兼営業部 次長 綾野 道雄 様(右)


           
杉野工業株式会社
CLIENT PROFILE
商 号杉野工業株式会社
所在地三重県鈴鹿市
設 立1973年8月
資本金1,000万円
従業員数32名
事業内容機械加工技術、溶射施工技術を駆使したリペアエンジニアリング および各種機械部品製造、溶接・製缶・板金、専用機械製作
ホームページhttp://sgn.co.jp/

バーコードを読み取るだけで簡単に集計できるTECHS-BKに興味

杉野社長:「以前は、販売管理システムや手書きの日報から、私が毎日何時間もかけて加工時間や材料費などを集計していました。その後、一柳がそれらをExcelで集計してくれるようになりましたが、手書きの日報を探して集めてくるなど、集計の準備と転記に大変時間がかかっていました。
そのような時に、他社でTECHS-BK(以下、TECHS)を使用しているのを見る機会がありました。作業指示書のバーコードを読み取るだけで、加工時間が集計できることに非常に驚き、興味を持ちました。そこで、TECHSのホームページを検索し、説明に来てほしいと依頼したのが導入のきっかけです」

 

TECHS導入をきっかけに社内体制を一新し、業務の属人化を解消

杉野社長:「TECHS導入をきっかけに、社内の体制づくりを行いました。
従来、私にしかできない業務が多いことが大きな課題でしたが、その状況を一新するのにいい機会だと思ったからです。
まずは、TECHSの専門部隊として、DX推進チームを発足しました。TECHSでの生産管理から、データの集計・分析まで、幅広く行っています。
また、製造部にはグループリーダーを配置しました。DX推進チームの分析結果を基にした適切なマシン選定など、現場の作業効率化を一任しています」

 

進捗管理工数が月60時間削減 進捗の見える化で製造部に変化

一柳様、綾野様:「当社は補修が多いため、作業していく中で必要な工程や工順が決まっていきます。そこで、作業指示書に作業予定の工程を載せるかわりに、伝票設計オプションを使って、全ての工程のバーコードを載せるようにしました。製造担当者に、少しでも簡単に実績を登録してもらうことが目的です。
担当者は、作業の完了時に、ハンディターミナルで作業工程のバーコードを読み取り、実績時間を入力します。その際に、後工程のバーコードも読み取ってもらいます。そうすることで、次はどの工程に流れるのか、現場でも確認できます。本来のTECHSの運用方法とは異なりますが、当社はこの運用が適しており、結果的に進捗や工数の管理が効率化できました」

杉野社長:「以前は、私が手書きで工程設定し、夕方に現場を回って進捗を確認していました。作業の工順や進捗も、私しか把握できていませんでした。
TECHSは、進捗が誰でも簡単に確認できます。これにより、私の作業工数が月60時間削減でき、属人化も解消しました。また、早い段階で進捗が把握できるため、多発していた現場の手待ち時間が0になりました。加えて、担当者が次の仕事内容を確認し、前もって治具を準備するなど、各自の自主性と生産性が飛躍的に向上しました」

 

月別や得意先別の売上分析資料の作成工数が月40時間削減

杉野社長:「月別や得意先別の売上分析資料がEUC Toolですぐに出せるようになりました。私が手作業で行っていた工数は月40時間削減できました。
今は一案件ごとに、利益が出る適切な時間チャージだったかを検証するのに時間を割くことができています。時間チャージの考え方は、テクノアのIT経営コンサルティングを受けた時に教えてもらいました。以前から経験則に基づいてチャージを設定していたので、通期で赤字を出すことは一度もありませんでした。それでも、より根拠のある時間チャージを設定できるようになったことで、工程別の社内貢献度も管理できるようになりました。
また、当社の損益分岐点を知り、利益を出すための価格設定から価格交渉に至るまでもご指導いただいた結果、赤字案件がなくなりました。お客様との価格交渉も、1社からもお断りされることがなく、逆に受注量が伸びたほどです。
TECHS導入前と比較すると、受注量が約2倍になっています。以前は日々の作業に追われていた私ですが、今はデータを分析し、様々な判断を行うための時間ができました。それがTECHSの一番大きい効果で、導入して本当によかったと思います」

 

図面参照と参考資料機能を活用し、リーダー会議の準備時間が1/10に

一柳様:「毎日夕方に行っているリーダー会議で、TECHSの図面参照と参考資料の機能を活用しています。受注入力画面から、ワンクリックで図面や参考資料が出せるのが大変便利です。参考資料には、製番ごとのフォルダを紐づけてあり、そこに見積や関連書類を保存してあります。これにより、紙の図面や資料を用意する必要がなくなり、準備にかかる時間が1/10以下になりました」

 

社員の家族向け社内報の発行と月に一度の原価会議が今後の目標

綾野様:「テクノアの、社員の家族向け社内報(ファミリー報)を見て、素晴らしいと思いました。今は、杉野工業版を企画中です。こうして新しいことを始められるのも、TECHSで業務効率化できたことが大きいと思います」

杉野社長:「今、TECHSから出る原価は私が見ているだけですが、今後はリーダーと原価会議を行っていきます。月に一度、製番ごとに、原価の確認や分析を共有できる場を設けていきたいと考えています」

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