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DXによる見える化で生産性2倍を短期間に達成

東亜テクニカル株式会社(会津若松事業所) 様

拠点統合を経て急成長 多様な高付加価値製品を生む技術力

東亜テクニカル株式会社様は、東亜電気工業株式会社様の100%出資子会社として、電子機器の受託生産サービス(EMS)を展開されています。今回お話を伺った会津若松事業所様は、2019年の設立後、他事業所との統合を経て、大きく発展を遂げられました。車載関連の需要拡大を背景に、従業員数は設立当初の約2倍となる140名規模にまで成長しています。同事業所では、大手自動車メーカー向けのカメラ用ヒーターハーネスをはじめ、建設機械用部品や半導体製造装置用ケーブルアセンブリーなど、多種多様な高付加価値製品を製造。計尺から圧着、半田付けに至るまで各種自動機を完備し、強みである電線ハーネスの高い技術力を活かし、安定した品質と高い生産性を両立されているのが特徴です。

【今回お話を伺った方】
会津若松事業所
取締役 所長 阿部 英昭 様
特機部 部長 風間 伸広 様
特機部 営業推進課 課長 鈴木 健一 様

堺事業所
情報システム管理課 課長 酒井 徹 様
勝井 喜岐 様
岸澤 真由美 様

 


           
東亜テクニカル株式会社(会津若松事業所)
CLIENT PROFILE
商 号東亜テクニカル株式会社(会津若松事業所)
所在地福島県会津若松市
設 立1978年2月
資本金9,800万円
従業員数140名
事業内容電線ハーネス製造、周辺機器の組立て、 電子機器の受託生産サービス
ホームページhttps://www.toadenki.co.jp/factory/f01/

拠点統合によるデータ分散の課題をTECHS導入で解決

鈴木課長「2019年に立ち上げた会津若松事業所へ、他の2事業所を順次統合しました。しかし、各拠点ではExcelや手書き、異なるシステムで業務が管理されており、情報が分散していることが大きな課題でした。
そこで、統合事業所の一つで既に稼働し、その実績を評価していた生産管理システムTECHS-BK(以下、TECHS)を全社標準システムとして導入することに決めたのです。全社の情報を一元管理し、業務プロセスを標準化することが主な目的でした」
堺事業所の成功がDX化の引き金に手探りで始めた見える化への挑戦
阿部取締役「堺事業所では、先行導入したテクノアの受託システムによる見える化で、生産性が2倍近く向上した実績がありました。その成功を背景に、膨大な受注残と納期遅れが常態化していた当工場でも、DX化に着手することになったのです。お客様側の諸事情もありましたが、根本的な原因は、私たちが現場に対して適切な生産目標数を示せていなかったことにありました」

酒井課長「当社の見える化は、もともとホワイトボードに手書きしていた案件情報のデジタル化から始まりました。当初は懐疑的だった現場も、成果が見え始めると『もっとこうしたい』と自発的に意見をくれるようになり、改善が加速していきました」

「進捗管理盤」と「箱番号」の運用で、1人あたり月25時間の検索時間を削減

酒井課長「見える化の第一歩は、 TECHSのデータとEUC Tool、BIツールを駆使し、部品構成や工程情報などをタブレットから1タップで深掘りできる『進捗管理盤』というポータルサイトの構築でした。
当社は1製品あたりの工程数が多く、すべてを表示すると情報過多になってしまいます。そこで、『直近の最終工程のみ表示したい』といった現場と管理側の声を積極的に取り入れ、担当者が見やすいように工夫しました。
また、私自身の製造現場での経験をもとに、必要部材が簡単に探せる『箱番号』を導入しました。以前は、部材の箱に貼付した指示書の図番や製番をもとに箱を探していましたが、桁数が多く、非常に時間がかかっていました。そこで、シンプルな『箱番号』を導入し、さらに追加改修してケーブルカットの進捗登録時に『箱番号』を入力できるようにし、進捗管理盤に連携させました。これにより、箱を探す時間が大幅に減り、1人あたり1日平均30分、月間では25時間の工数削減を達成することができました」

箱番号の運用で検索時間削減

ダッシュボードが現場の意識を変革 利益還元で生まれる好循環

阿部取締役「見える化で、現場の意識が劇的に変わりました。 工場の入口には、大型ディスプレイを設置し、日別の出荷台数や達成率、不良の発生状況などを表示するダッシュボードを構築しました。これにより、担当者は一目で自分たちが達成すべき目標と現状を把握できるようになり、『今日の目標まであと何台』と、自主的に取り組むようになりました。そして何より、この改善によって上がった利益は、夏や冬の賞与として社員にしっかり還元されています。
自分たちの意見で改善が進み、成果がきちんと評価される。この良い循環が、さらなるモチベーション向上につながっています」

工場入口の大型ディスプレイ

風間部長「DX化後、確実に担当者の作業スピードが上がりました。それにもかかわらず、不良品の数は減っています。おそらく、以前は納期遅延に追われる心理的なプレッシャーからミスが起きていたのでしょう。今は、今日やるべき目標が明確なので、皆が落ち着いて業務に取り組めるようになったのだと思います」

成功の立役者は「現場を知る」開発チーム

阿部取締役「短期間でこれほどの成果を出せた要因は、間違いなく開発担当者が現場業務を熟知していたからでしょう。開発を担当した酒井、勝井、そして岸澤も、時間があるときは製造を手伝ってくれていました。だからこそ、『現場はきっとこれを求めるだろう』と想像しながら、本当に使いやすいシステムを作ってくれました。これが、ここまで早く成果を出せた最大の要因だと思います」

岸澤様「私は情報システム管理課所属で、普段は堺事業所にいます。会津若松事業所とはWebでの打ち合わせが中心ですが、要望を形にしてリリースすると、電話口の声色がパッと明るくなるのが分かるんです。現場の声にこたえて、喜んでもらえたときが一番うれしいですね」

酒井課長「もちろん、こうした見える化が短期間で劇的な業務改善につながったのは、TECHSという情報の宝箱に、担当者が日々正しく実績を登録してくれていたことが大前提です。使いやすいタブレットでの実績登録も含め、TECHSという確固たるベースがあったからこそ、私たちのDX化は成功したと言えます」

今後の展望

勝井様「今は、手間がかかっていた棚卸業務を、RPAツールなどを活用して自動化する仕組みを構築しているところです。現場からの要望が、私たちの進化の原動力です。これからも現場に寄り添い、共に成長していきたいと考えています」

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