TECHSで経営数値のリアルタイム提示・共有を実現
株式会社山田製作所 様高い生産加工能力・確かな技術力・徹底したサービスでハイクオリティな製品づくり
株式会社山田製作所様は、1959年の創業以来、板金加工、プレス加工及び製缶加工から溶接、組付け調整までを、一貫生産されています。「図面の向こうに見える最終ユーザーの満足を追求する」という品質方針を掲げ、高精度の多種多様な加工に対応できる技術力と、信頼につながるサービスを強みとされています。
また、1999年から徹底した3S活動をはじめられ、「3S工場見学」として、通算64ヶ国、年間200社の様々な業種の企業に工場を公開されています。
さらに、ワイデクル(Y-decl)事業部では、進捗状況を顧客と共有し、安心を提供するためのツールとして、進捗管理システムを販売されています。
【今回お話を伺った方】
代表取締役社長 山田雅之様
商 号 | 株式会社山田製作所 |
---|---|
所在地 | 大阪府 |
設 立 | 1969年7月 |
資本金 | 1,000万円 |
事業内容 | 製缶・板金業(産業機械部品) |
ホームページ | https://www.yamada-ss.co.jp/ |
リアルタイムの経営数値共有に向けて導入を決意
「当社は、前社長(現会長)の方針で、社員個人の給与以外、月次決算書なども全てオープンにしていました。
これは、社員と信頼関係を築き、会社の経営を数値として正しく把握してもらうことが目的でした。しかし、原価などの集計に10日ほどかかり、リアルタイムでの情報提示ができていませんでした。
そんな中、前社長がTECHS-BK(以下、TECHS)のデモを見て、『個別受注生産に特化したこのシステムは、きっと当社に合う』と直感的に思ったようです。さらに、よく見ると、取引先からの発注書や納品書の多くが、TECHSから出力されたものでした。
それが後押しとなり、TECHSの導入を決めました。」
過去実績に基づく適正価格の発注で外注費を5%以上削減
「TECHSに蓄積された発注実績データを参照することで、協力会社に適正価格で発注できるようになりました。その結果、外注費を年間5%以上削減できました。以前は、手書きや口頭で発注しており、過去の発注情報が分からないまま、協力会社の提示額で支払っていました。
なお、当社の注文書は伝票設計オプションで作成したものです。価格回答欄を設けてあり、納品前に回答をいただくようにしています。
この注文書にするまでは、納品書が月末の締め後に来ることも多く、仕掛中に価格を把握することができませんでした。しかし、今では先手の発注価格管理が可能になりました。」
リピート品の見積工数が年300時間以上削減、精度も向上
「TECHSにより、誰でも早く正確に、過去の原価情報を確認できるようになりました。その結果、リピート品の見積について、年間300時間以上の工数削減と、見積提出時間の短縮、さらに見積精度の向上を実現できました。
以前は、リピート品の見積のたびに、過去の納品書を探して、1つ1つ仕入単価を確認していました。納品書を探しきれずに、金額が曖昧なまま積算することもあったので、大きな進歩です。」
データの一元化・共有で属人化解消資料作成工数も削減
「月次会議資料が、EUCToolからワンクリックでExcel出力できるようになりました。会議資料は前社長が一人で作成していましたが、他の人でも作成が可能になり、属人化解消と作成工数の削減を実現しました。
またシステム導入時に、テクノアのインストラクターが、EUCToolでの帳票作成や運用相談に真摯に対応してくれたので、大変助かりました。」
作業実績から問題点を見つけ、効率的な現場改善を実現
「当社では、生産前会議で予算と図面の注意事項の確認を行い、生産後会議で作業実績データを元に反省を行います。生産後会議は、PDCAのCheck(評価)にあたり、それが次のAction(改善・対策)につながるため、重要な会議です。
そこで、リアルタイムかつ正確な作業実績を収集するため、今まで手書きしていた日報からバーコードリーダーを接続したタッチパネル端末で入力し、翌朝入力漏れや間違いを確認する運用に変更しました。
その結果、作業実績の管理精度が格段に高まりました。さらに、TECHSに蓄積された実績データにより、問題点が明確になってきました。例えば、組立品に関しては、本体の加工に最も多くの工数がかかっていると思っていましたが、実際は本体以外の部品加工の方に多くの工数がかかっていることがわかりました。こういった問題に対して、現場の改善につなげるための、有意義な生産後会議が行えるようになったことは、大きな効果です。」
リアルタイムの経営数値提示で、社員の意識が劇的に向上
「データの見える化により、社員の意識が劇的に変化しました。目標や実績が早い段階で把握できるようになったことで、全社員が常に目標を意識して動くようになり、工程の見直しなどの対策もすぐに打てるようになりました。
TECHS導入前は、社員への情報提示に2ヶ月程かかっていました。そのため、提示する頃には詳細を忘れている、実感が持てないなど、情報提示の効果がそれほど感じられませんでした。
製造業では、売上を稼ぐのは営業ですが、限界利益を稼ぐのは現場の作業者です。不良が出なければ材料費は増えませんし、社内の生産性が上がれば内製比率を高められます。また、軍手を1枚節約すれば、その分消耗品費も減ります。『限界利益を稼ぐのは自分たちである』という意識を作業者に持ってもらうためには、生の数字をリアルタイムに提示することが最も効果的だと思っています。TECHSにより、それが実現できました。」
予実管理精度と、TECHS活用による3Sレベルの向上が目標
「現在は大まかな工程での管理ですが、今後はより詳細な工程別の原価分析を行っていきたいです。そして、予実管理の精度をさらに向上させていきます。
これからもTECHSについて学び続け、色々な機能を使いこなしたいと思います。
当社は3S活動に力を入れており、TECHSによって『情報の3S』を実現できました。今後は、TECHSの在庫管理と『モノの3S』を関連づけることで、3S活動のレベルをさらに上げていきたいです。」