原価・利益・進捗の見える化で残業を月間100時間削減

有限会社桑原製作所 様

「お客様が使いやすい金型作り」をモットーに自動車部品用のプレス金型を一貫生産

有限会社桑原製作所様は、主に自動車の足回り部品や、排気系部品用のプレス金型を製作されています。
設計から機械加工、金型の組み付け、試作のプレス加工までの自社一貫生産と、社員全員が全ての工程をこなせる体制により、お客様からのご要望をすぐに取り入れ、臨機応変な対応ができることを強みとされています。
「お客様が使いやすい金型作り」をモットーに掲げ、お客様に寄り添ったものづくりを続けられています。

【今回お話を伺った方】
取締役 新井由佳様


           
有限会社桑原製作所
CLIENT PROFILE
商 号有限会社桑原製作所
所在地群馬県
設 立1983年5月
資本金500万円
事業内容自動車部品用プレス金型
ホームページhttps://kuwabara-s.co.jp/

一番の課題だった原価管理が簡単・正確にできると確信し、導入を決意

「私が入社した時は、材料原価すら管理されておらず、案件ごとの利益率はおろか、赤字なのか黒字なのかもわからない状況でした。
そこで、まずは案件ごとの材料原価の集計から始めました。そうしていくうちに、次は案件ごとの全原価も把握すべきと考えるようになりました。
しかし、当時は、集計作業の時間が取れず、社内加工費などを把握できませんでした。簡単で正確な原価管理方法はないかと模索していたところ、ちょうどテクノアから電話があり、TECHS-BK(以下、TECHS)を知りました。さっそくデモンストレーションを見せてもらい、これなら工数の負担も少なく、正確に原価管理ができると確信し、導入を即決しました。」

手書き・転記工数を月24時間削減

「TECHSの導入で、月24時間の転記工数を削減できました。その分、得意先との値段交渉や機械メンテナンス管理方法の見直しなど、より付加価値の高い仕事を行えるようになりました。
私は設計を担当しているのですが、TECHS導入前は、金型設計時に作成した部品表の内容を、材料表や発注書に手書きで転記して発注していました。発注書は、担当者によって手書きやExcelなど、バラバラの方法で作成、管理されており、情報の共有もできていませんでした。
また、現場への作業指示書も発行していなかったため、図面を基に、担当者の判断で金型を製作していました。
今は、部品表の情報をCSVに変換すれば、そのままTECHSに取り込めるため、転記作業やミスもなくなりました。その情報を使って、作業指示書もスムーズに発行できています。さらに、発注情報の一元管理により、蓄積された過去の発注情報を、誰でも簡単に参照できるようになりました。」

金型ごとの原価・利益率データを得意先との価格交渉に活用

「TECHSに蓄積された原価データも大いに活用しています。以前の、赤字かどうかわからない状態から、金型1個あたりの製作工数や原価、利益率までわかるようになりました。
その原価データを基に、EUCToolで金型の種類ごとの利益率を算出し、赤字の恐れがある案件については、得意先と価格交渉をしています。過去の原価データを具体的な根拠として示せるようになったことで、交渉もしやすくなりました。」

ハンディターミナルで実績収集見える化と人事評価で精度アップ

「以前は日報がなく、工数を把握することができていませんでした。そもそも、実績をとっても集計する時間が取れませんでした。
現在は、ハンディターミナルを使い、各担当者が現場で作業実績を登録できるようにしています。人手を介することなく、データが自動で集計されますので、とても助かっています。
そして、入力されたデータから、月別/担当者別の作業時間集計グラフを作成し、社内に掲示することで、入力漏れも一目で分かるようにしています。
加えて、朝礼で入力漏れについて注意喚起したり、作業実績を人事評価に反映することで、実績収集の精度向上と担当者のモチベーションアップに繋げることができました。」

原価・進捗の見える化で生産性向上残業を月間100時間削減

「案件ごとの原価・進捗を見える化したことで、生産性が向上し、売上金額が増えているにも関わらず、全社で月間100時間も残業時間が削減できました。
週に1回、TECHSの進捗データを基にExcelで案件ごとの進捗状況表を作成し、現場に貼り出しています。これは、当社にいらっしゃるお客様にも大変好評で、管理体制のアピールになっています。
さらに、担当者が確認する進捗画面は、誰もがわかりやすいように、信号をイメージして、未着手は赤色、着手中は黄色、完了は青色にしています。自然と担当者が赤色に危機感を持つようになり、各工程の進捗が早くなったことで、納期遵守率が確実に上がりました。
また、製品の加工精度を保つために、機械のメンテナンスは非常に重要です。しかし、実施する人としない人の差があることが気になっていました。
そこで、メンテナンスを工程の一つとして捉えて、TECHSで作業指示や実績管理をするようにしました。そうして作業状況を見える化し、人事評価につなげる仕組みまで作ったことで、社員のメンテナンスへの意識も向上することができました。」

今後の展望

「今後は、デジタルサイネージオプションを活用して、案件進捗や材料在庫数、機械メンテナンス状況などを大きな画面に表示し、担当者が現場でより確認しやすい環境をつくることが目標です。」

導入製品・サービス