月140時間以上の工数削減と業務改善に成功
株式会社エスケイメカニクス 様小物から大物、単品から量産品まであらゆる高精度加工に対応
株式会社エスケイメカニクス様は、小物から大物、単品から量産品までのあらゆる高精度加工を手掛けられています。その中でも特に、大型加工部品製造を得意とされ、徹底した品質管理と新技術の追求を日々続けられています。
2012年には、当時のベトナム人研修生からの熱烈なアプローチをきっかけに、ベトナム工場を設立し、海外進出にも成功されました。
品質面では、ISO9001:2015(品質マネジメントシステム)認証を取得し、お客様から非常に高い評価を得られています。さらにISO14001:2015(環境マネジメントシステム)認証も取得し、企業活動と地球環境の調和を大切に、環境問題にも積極的に取り組まれています。
【今回お話を伺った方】
資材部 部長 中島 秀樹 様
総務部 小川 美帆 様
商 号 | 株式会社エスケイメカニクス |
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所在地 | 埼玉県 |
設 立 | 1991年10月 |
資本金 | 2,000万円 |
事業内容 | 真空装置部品(チャンバー)他、液晶・太陽電池パネル製造装置部品、コンデンサー製造設備用部品、半導体検査装置用部品、各種開発試作部品、その他省力設備装置部品 |
ホームページ | http://www.skmek.com/ |
コストパフォーマンスの良さと品質の高さが導入の決め手に
中島部長:「元々、知り合いのシステム会社に開発してもらった生産管理システムを利用していました。しかし、データの蓄積により年々動作が遅くなり、不具合も多く発生していたことから、システムの更新を考えるようになりました。
複数社から見積を取得したところ、慣れ親しんだ既存システムの仕様に合わせるためには、非常に高額な費用がかかることが分かりました。
そんな中、パッケージソフトであるTECHS-BK(以下、TECHS)は、若干のカスタマイズで既存システムに近い仕様にできることが分かりました。さらに、検討していく中で、業務管理ツールとしての品質の高さを確信できたことも導入の決め手でした。」
ボタン1つで図面・参考資料を表示、月110時間の図面検索工数を削減
中島部長:「TECHS導入で、最も効率化できたことの1つは、図面検索です。以前は、1件につき10分ほどかかっていた図面や参考資料の検索が、ボタンをクリックするだけで、すぐに表示できるようになりました。その結果、月に110時間もの図面検索工数が削減できました。」
リアルタイムの進捗把握で、月20時間の進捗確認工数を削減
中島部長:「他にも、製番や工程の進捗が画面上で簡単に確認できるようになりました。進捗が色で表現されているので、パッと見て分かりやすいです。工場にもパソコンを2台置いて、誰でも進捗を確認できるようにしています。前工程の進捗が分かるようになったことで、治具などの準備ができるようになりました。
前のシステムは、進捗が確認しにくく、お客様から納期のお問合せをいただく度に工場に確認に行っていましたが、今はその回数が劇的に減りました。進捗確認に1日1時間ほどかかっていたので、月20時間の工数削減です。
また、以前は得意先の担当者しか納期回答ができなかったのですが、TECHSで全社員が同じ情報を確認できるようになったため、誰でもすぐに納期回答ができるようになりました。こちらも大きな導入効果です。」
オリジナル帳票で不良低減に成功
中島部長:「オリジナル帳票が作れる、伝票設計オプションも活用しています。例えば、過去の不良情報を作業指示書に記載することで、誰が担当しても、作業前に必ず不良情報を確認できるようになりました。これにより、加工の注意点を自ら上長に聞きに行くなど、社内で不良の再発を防ぐ意識が高まり、不良の発生率が確実に下がりました。」
小川様:「他にも、主に協力会社向けに、シール状の加工指示書を作成して活用しています。注文書と一緒に渡す図面に加工指示書を貼り、協力会社での加工時に必要な情報や、過去の不良情報が見られるようにしています。さらに社内用に、次工程や在庫品かどうかを記載することで、協力会社から戻ってきた際に、それをどこに持って行けばよいかの道標にもなっています。」
多方面でEUC Toolを活用し、月13時間以上の工数を削減
小川様:「EUC Toolは、自由にデータを抽出・加工でき、とても重宝しています。
例えば、手書きしていた棚卸リストをEUC Toolで簡単に出力できるようになった結果、リスト作成時間を含む棚卸工数を、月に5時間程度削減できました。また、棚卸の数や金額計算のミスも減り、経理での確認の負荷も軽減されました。
他にも、製品の原価金額を集計し、完成品原価として参照したり、支払や入金予定、毎月の購入品などのデータを定期的に出力し、分析するなどして活用しています。」
中島部長:「営業・経営会議用の資料作成にもEUC Toolを活用しています。必要なデータをすぐに集計・出力できるようになったことで、月に8時間以上の工数を削減できました。
他にも製造部では、担当者ごとに生産高目標を設定し、担当者別の生産高を見える化しています。ハンディターミナルを使った作業実績の登録で、実績データの精度が上がり、より正確な生産高がリアルタイムに見えるようになりました。これにより、担当者のモチベーションがアップし、改善意識と生産性が向上しました。その結果、コロナ禍で業務時間を短縮せざるを得ない状況でも、生産高目標を達成できています。」
在庫管理の精度向上で、必要数のみの製作が可能に
中島部長:「当社にとって、在庫管理はとても重要です。受注時の在庫状況に応じて製作するかどうかを判断していますが、TECHSで在庫管理の精度が上がり、必要な数だけ製作できるようになりました。」
小川様:「ハンディターミナルでの詳細な実績収集により、在庫品や製品をいつ、誰が作ったのか分かるようになりました。TECHSでは、製番に全ての製造情報が紐づいており、いつでもトレーサビリティに対応できるので安心です。」
今後の展望
中島部長:「例えば、作業担当者全員がタブレットを持って実績登録を行えたらいいですね。今後は、よりリアルタイムな管理体制で、原価管理の精度向上や短納期化の実現に向けて、TECHSを活用していきたいと思っています。」