日次での粗利公開で、社員の原価意識と行動に変化

昭和工業株式会社 様

会社紹介

昭和工業株式会社様は、大阪府枚方市に本社を構える工業用の総合ブラシメーカーです。創業から50年、親子三代にわたって蓄積されたブラシ作りのノウハウを、様々な分野で活かされています。特に、製鉄メーカー向けの大型ブラシ、トンネルを掘る大型シールドマシン用の浸水防止ブラシ、ものづくりの現場で使われる研磨用ブラシの製造などを得意とされています。
現在は、最先端の技術でお客様に高品質な製品を提供することをモットーに、さらに多様化する要望に対応されています。三代目社長の 新井 雄太郎様は、新たに半導体向けのブラシの実用化を目指し、研究・開発に注力されています。

【今回お話を伺った方】
代表取締役社長 新井 雄太郎 様


           
昭和工業株式会社
CLIENT PROFILE
商 号昭和工業株式会社
所在地大阪府
設 立1972年6月
資本金1,200万円
事業内容工業用ブラシの製造・販売
ホームページhttps://www.skbrush.co.jp/

原価管理・情報共有を目的にTECHS-BKを導入

新井社長:「以前、社内の情報は、紙やExcelで管理していました。また、売上重視の経営で、原価や粗利の管理を行っていませんでした。そのため、利益がでているかどうかは、年1回の決算後でないと分からない状態でした。それに加えて、複数の拠点間で、情報共有ができていないことも問題でした。
これらを改善するために、Excelで試行錯誤した時期もありました。しかし、その管理に限界を感じ、生産管理システムの導入を検討しはじめました。インターネットで調べ、3社ほど検討した結果、TECHS-BK(以下、TECHS)が、価格面、機能面で最も優れていたため、導入を決めました。」

日報情報の収集・管理方法を工夫し、精度の高い工数管理を実現

新井社長:「TECHS導入を機に、経営判断につながる粗利を正確に把握したいとの思いがありました。そのために、まずは正確な工数管理に取り組みました。
当社には、高齢の社員が多数在籍しています。パソコンに不慣れな作業担当者でも、簡単に、継続して日報を登録できるように、バーコードリーダーを採用しました。不明点にすぐに対応できるよう、私もしばらく工場に常駐していましたが、これなら簡単に入力できる、と大変好評で、短期間でTECHSに日報を登録する習慣が定着しました。
また、以前は各自が手書きした日報についてはチェックすることなく、そのまま書庫に眠らせていました。気になる案件は、書庫から日報を探し出して原価を集計したりしていましたが、データの精度が低く、参考とするには不十分でした。
今は、登録された日報情報は、私がその日のうちに全てチェックし、入力ミスの確認と修正を行っています。その結果、精度の高い工数管理を実現できました。」

日次での粗利公開で、社員の原価意識と行動に変化

新井社長:「工数管理の精度が上がったことで、材料費、外注費などを含めた正確な粗利を、日次で把握できるようになりました。粗利はEUC Toolで出力し、毎日全ての製品分を確認しています。
それに加えて、粗利率が一定以下の製品の情報を、日々営業部と製造部にメールしています。その結果、社員のコスト意識が向上し、営業は売価が妥当であるかの見直しを、作業者は作業効率を上げ、不良を減らすよう改善してくれるようになりました。
また、粗利率が低い製品の原因を追究し、対策を打った結果、確実に粗利率が向上するようになりました。粗利率が低い製品は、TECHSで労務費や材料費などの原価を確認し、原因を調べます。例えば、工数が原因の場合は、工順や治具を見直します。そういった対策でも効果が出ない場合は、営業担当者が得意先と価格交渉を行います。今では、営業担当者は、原価グラフを注視することが習慣になっています。
TECHS導入による一番大きな変化は、私が繰り返し伝えてきた、『経営上大事な数字は、売上金額ではなく粗利額である』という考えが、全社員に徹底されたことだと思います。利益がでてこそ会社が存続していけるのだということを、皆が理解してくれるようになりました。」

月100時間の事務工数削減で、事務員を2名から1名体制に

新井社長:「他にも、月に100時間近くの事務工数を削減し、事務員を2名から1名の体制にできました。
以前は、紙の製作伝票の内容を、Excelに転記して受注台帳を作成していましたが、現在は受注内容をTECHSに入力することで、自動で製作伝票と受注台帳が作成されるようになり、転記やチェックなどの工数を削減できました。」

データの一元管理で情報共有を実現 リアルタイムの進捗把握が可能に

新井社長:「拠点間の情報共有も実現しました。以前は、拠点間はネットワークで繋がっておらず、情報共有ができていませんでした。お客様から納期の前倒し依頼があった場合、その都度、営業担当者が工場に進捗確認を行っていました。
現在は、TECHSを見れば、どの拠点からもリアルタイムの進捗状況が確認できます。それに加えて、事務工数の削減でできた時間で、事務員が自主的に進捗を確認し、お客様からの納期の前倒し依頼に対応してくれています。」

今後の展望

新井社長:「今後は、私が直接現場を見なくても、各部門の責任者が部下の意見をしっかりと拾い上げ、ボトムアップで現場改善できる体制を整えていきます。社員に、やりたいことをやってもらえる環境を提供するためにも、経営判断のツールとして、TECHSのデータ活用を続けていきます。」

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