記憶頼りの管理から脱却し、業務改善に成功

熊谷工業株式会社 様

会社紹介

精密部品加工や産業用機械を手掛けられる熊谷工業株式会社様は、茨城県日立市で1945年に創業されました。創業以来、時代に応じた先端設備や加工方法を導入し、常に新しい環境に対応できる体制をつくられてきました。
当初の事業である製缶溶接から、徐々に加工の幅を広げられ、今ではレーザー切断加工から、製缶溶接、機械加工まで、自社で一貫製作できることを強みとされています。また、すべての工程において、精密性と正確性を重視した高品質なものづくりをされており、その妥協しないプロの仕事で、お客様から高い評価を獲得されています。
機械加工では、ステンレスや難削材(ハステロイやインコネル)の加工をメインにされており、加工実績も豊富です。

【今回お話を伺った方】
 代表取締役 熊谷 輝彦 様


           
熊谷工業株式会社
CLIENT PROFILE
商 号熊谷工業株式会社
所在地茨城県
設 立1962年7月
資本金1,000万円
事業内容ステンレス・アルミ・難削材等のレーザー切断及び機械加工、多品種少量・中量生産部品の製缶溶接・機械加工、省力化機器・自動化システムの設計・製作
ホームページhttps://kumagai-ltd.co.jp/

導入のきっかけ

熊谷社長:「以前使用していたシステムは、作業指示書に工程や工順の記載ができず、各個人の記憶を頼りに作業を行っていました。そのため、前回と違う作り方をしてしまい、リピート品や類似品の品質にバラつきが出るなどのトラブルもありました。さらに、工順がわからないことで作業が頻繁にストップし、進捗状況の確認にも時間がかかっていました。
多品種少量生産を続けていくには、情報の属人化を解消し、記憶頼りの作業を改善する必要があると感じ、TECHS-BK(以下、TECHS)の導入を決意しました。
TECHSを使用し始めて17年が経ちます。その間に、受注件数が大きく増加していますが、問題なく順調に管理できています。」

ハンディターミナルでの実績登録状況を公開し、運用中断から登録率90%超

熊谷社長:「作業実績は、ハンディターミナルで収集しています。これにより、工数、進捗状況をリアルタイムに把握できるようになりました。
しかし導入当初は、現場担当者からの抵抗が強く、何度も運用を中断しました。何とか改善できないかと、担当者に登録しない理由を聞いていくと、『きちんと登録できているのかわからないので、やる気が起きない。』という声がありました。そのため、月に一度、作業実績の登録状況を公開するようにしました。勤務時間と加工時間を比率で表示し、比率が0の場合は未登録、比率が100以上の場合は登録ミスの可能性がある、といったように、状況がひと目でわかるようにしました。
その結果、作業実績の登録率は90%以上となり、実績データの精度も70%以上向上しました。また、手書きの作業日報を転記して集計する作業もなくなり、年60時間の事務工数を削減できました。
TECHSで、工数、進捗、原価などのデータが1つにつながるようになりました。その蓄積された工数や原価のデータを、類似品の見積時などにも活用しています。」

進捗確認工数を年100時間削減 さらに残業時間も15~20%削減

熊谷社長:「TECHSによる情報の一元管理で、工場間での情報共有が実現できました。
進捗の見える化で、年100時間の進捗確認工数を削減できました。以前は、進捗確認のために現場を走り回っていましたが、今は事務所にいながら進捗が確認できます。さらに、お客様からの納期の問合せにもすぐに回答できるようになり、納期の繰り上げや仕様変更などのご要望にも対応できるようになりました。また、各工程の担当者が事前準備や調整など、自ら考えて効率的に行動できるようになったことで、加工部門の残業時間が15~20%減りました。これも、TECHSの大きな導入効果の1つです。」

リピート品の作業指示時間を年540時間削減、不良をほぼ0に

熊谷社長:「リピート品や類似品の過去実績も簡単に参照できるようになりました。それにより、年540時間もの作業指示工数を削減できました。
以前は、リピート品の受注時には、図番や曖昧な記憶を元に、膨大なファイルの中から過去の図面や資料を探していました。やっと見つけても、今度はその図面を隅々まで見て確認する必要があり、作業指示書を発行するまでに大変時間がかかっていました。しかし、リピート品の過去実績が簡単に参照できるようになったことで、すばやく作業指示書を作ることができ、かつ前回と違う作り方をしてしまうようなこともなくなりました。
他にも、図面や協力会社からの見積、ミルシート情報、寸法記録、連絡事項、写真などの情報をスキャンして、案件と紐づけて保存するよう徹底しました。紙管理を廃止し、データ化を進めた結果、スペースのムダが削減でき、情報共有も進みました。
また以前は、不良品の不適合報告書は紙管理で、リピート品の製作に活かせていませんでした。TECHSに不適合事例を登録しておけば、リピート時に作業指示書と図面、不適合事例がセットで発行され、製作時に確認できるようになりました。その結果、リピート品の不適合率は、ほぼ0になりました。」

負荷状況の見える化で、納期遅延を大幅削減

熊谷社長:「他にも、リアルタイムの負荷状況を把握できるようになりました。これにより、負荷状況を考慮せずに受注するようなこともなくなり、すばやい負荷・納期調整や、内外作判断が可能になりました。また、どこかの工程で遅れが出ていても、誰かが気付いてフォローできるようになりました。その結果、納期遅延が大幅に削減できました。」

TECHSの蓄積データをEUC Toolで抽出・分析し、経営判断などに活用

熊谷社長:「TECHSに蓄積されたデータは、EUC Toolで抽出し、様々なところで活用しています。例えば、納期遅延件数を出力し、原因の分析と対策を行ったり、売上や利益のデータを経営判断の材料として活用したりしています。
今後も、業務改善や経営判断の材料として、さらなるデータ活用を進めていきます。」

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