製造期間の大幅な短縮と、業務改善・効率化に成功
大昌精機株式会社 様会社紹介
大昌精機株式会社様は、1946年の創業以来、工作機械の製造に特化し、自動車部品やベアリングの平面研磨加工を行う研削盤や、国内唯一のピーリングマシンを製造されています。
競争が激しい工作機械業界の中、高い技術力と長年の経験により、重研削から超精密研削まで、高精度な加工を可能にする研削盤メーカーとして、お客様からの厚い信頼を得られています。
また、日本だけでなく、アメリカや韓国にも拠点を置き、世界中のお客様のご要望に応じた、高精度、高生産性、低コストを実現させる、最適なマシンを提供されています。
【今回お話を伺った方】
調達部部長 上中三男様
調達部 佃美智子様
商 号 | 大昌精機株式会社 |
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所在地 | 兵庫県 |
設 立 | 1946年6月 |
資本金 | 7,000万円 |
事業内容 | 両頭平面研削盤(竪両頭平面研削盤(竪型・横型)、片面平面研削盤、型・横型)、片面平面研削盤、バーおよびコイルピーリングマシン、バー矯正機、専用工作機械等の製造 |
ホームページ | https://www.daishoseiki.co.jp/ |
TECHS-S導入後のイメージをすぐに思い描けたことが決め手
佃様:「以前は、食品・素材・化学などの、プロセス産業向けのパッケージソフトウェアをカスタマイズしたシステムを使っていました。しかし、当社の業務には合わず、仕入の登録にしか使っていませんでした。部品表はExcel管理、発注は図面に納期を書いてFAX、という状態で、大量の部品や図面、発注納期なども管理できていませんでした。
インターネットで個別受注生産向けのシステムを探す中、TECHS-S(以下、TECHS)を見つけました。当社に必要な機能を満たしており、費用面でも納得できました。また、デモを見て、当社でTECHSを使うイメージをすぐに思い描けたことも、導入の大きな決め手でした。」
全社あげての取り組みで皆で協力する社風に
佃様:「TECHSの導入は、スムーズでした。業務をどう置き換えていくべきか、テクノアの運用指導担当が分かりやすく説明してくれました。
もう一つの成功要因は、システムに業務を合わせようと、全社一丸で取り組んだことです。その結果、皆で協力して解決しようという風土が根付き、社風まで変わりました。これも、TECHSの大きな導入効果の1つです。」
部品の先行手配で、製造期間を最大4カ月短縮
佃様:「当社の製品は、個別受注生産が大半です。基本となる標準機にオプションが付く製品構成で、大量の部品や図面、その改定の管理が必要です。
TECHSの部品表は、品番などのマスタなしでも作成できます。また、品番と図番の両方のデータの登録や、改定管理ができるところが特長です。
当社では、ベースとなる標準機の部品表を登録しておき、それが常に最新になるよう管理しています。受注時には、その部品表をコピーし、オプションの構成部材を追加します。
それにより、標準機部分の部材を先行で手配できるようになり、6~8カ月かかっていた製造期間が、3~4カ月にまで短縮されました。今では、短納期が強みの1つになっています。」
進捗と納期の見える化で、月に60時間以上の工数を削減
上中様:「進捗と納期の管理も改善しました。手配の進捗や、納期の見える化による効果は計り知れません。
一例として、月に50時間以上の仕入工数を削減できました。仕入先によっては、1日に100件以上の納品があります。発注書と現品票を併用し、納品時に、バーコードリーダーで現品票の発注No.を読み取って、受入処理を行っています。これだけで、正確な納入状況を、簡単に、リアルタイムに管理できるようになりました。
また、部品表の画面表示を見れば、誰でも一目で手配の進捗状況が分かります。これにより、現場からの問合せが減り、月に10時間ほどかかっていた問合せ対応の時間も削減できました。」
将来を見据えた作業の標準化で、作業を効率化し、属人化を解消
上中様:「TECHS導入を機に、作業管理も改善しました。
当社はベテランも多く、図面があれば製品が作れます。しかし、将来的な技能伝承や標準作業工数の設定、進捗管理などを見据えると、作業の標準化が必要です。作業の流れを整備し、マスタ化した結果、作業効率の向上に加えて、誰でも作業指示書が発行できるようになりました。
また、作業完了時に、現場で日報を入力することで、工程の進捗や作業工数をリアルタイムに見える化できました。物の所在や、次の加工場所もすぐに分かるので、物を探して現場を走り回る必要もなくなりました。
以前は休みも取れない状態でしたが、これらの改善により、今では私も安心して長期休暇を取れるまでになりました。」
データ分析と、迅速な情報共有でPDCAを素早くまわせるように
上中様:「EUCToolでのデータ抽出や分析も、工数や原価の削減に繋がっています。例えば、取引先との年間の仕入額もすぐに分かるため、それを価格交渉の材料にしています。
例えば、TECHSの入力データのチェック結果や、日報の備考欄に記載された作業中の怪我などの情報が、関係者に自動でメール配信されるようにしています。それをもとに再発防止対策をたて、PDCAをまわしています。EUCToolは使いやすく、大変便利です。アイデア一つで、様々な使い方ができる点も面白いですね。」
今後の展望
佃様:「今後の展望としては、在庫管理の精度向上を目指します。これが、原価や見積の積算の精度、ひいては粗利率の向上に繋がります。
まずは、在庫品の見直しと、TECHSのデータ分析による適正在庫数の算出で、余剰在庫をなくす工夫を行っていきます。」
上中様:「TECHS導入で、システムへの入力工数は増えました。しかし、発注納期や手配状況、進捗などの見える化の効果や、それらのおかげで削減できた時間と比べれば、微々たるものです。この時間を、さらなる業務改善や、新規取引先の開拓に活用していきます。」