『TECHS-BK』のデータ活用で、本当の生産管理を実現

芙陽工業株式会社 様

1938年創業の長い歴史を誇る自由鍛造メーカー

1938年創業の芙陽工業様は、その長い歴史の中で培われた独自の自由鍛造技術により、主にフォークリフトのフォーク(爪)を製造されています。
高い技術力とフレキシブルな製造で、特殊フォークや部品のオーダー製作・取付にも対応し、お客様の厚い信頼を得られています。
また、その品質の高さや、多品種小ロットの製造、加工、アッセンブリーまで手掛けられていることなどから、大手メーカー数社から第二純正品として公認され、アフター市場でも高いシェアを誇られています。
今回、代表取締役社長田中亮平様と、生産管理課係長岡﨑真平様にお話を伺いました。


           
芙陽工業株式会社
CLIENT PROFILE
商 号芙陽工業株式会社
所在地大阪府
設 立1945年3月
資本金2,300万円
事業内容主に産業車両用部品(フォーク)、関連部品等の鍛工品製造、企画・設計、修理・アフターサービス
ホームページhttp://www.fuyo49.co.jp/

様々な声が盛り込まれた、『TECHS-BK』に決定

『TECHS-BK』導入の経緯や効果について、岡﨑様に伺いました。
「以前は、主にExcelで業務を管理していました。しかし、販売管理システムとの二重管理や、情報管理の属人化など、様々な問題点がありました。
また他にも、品番、品名などの呼び名が統一されていない、原価がどんぶり勘定、といった課題があり、システム導入を検討しはじめました。
システムの要件は、自社の生産形態に合っていること、納得できる価格であること、サポート体制がしっかりしていることでした。
他に、導入実績の多さもポイントでした。システム導入にあたり、ある程度自社をシステムに合わせる必要があります。多数の会社で使われ、様々な意見や要望が盛り込まれたシステムなら、当社も合わせやすいと考え、『TECHS-BK』に決めました。」

情報の一元管理で、業務の効率化と社内統制を実現

「『TECHS-BK』導入後、すぐに感じたのは、情報の一元管理による効果です。データの二重管理や台帳などへの転記もなくなり、業務管理用のExcelファイルを9割廃止できました。また、全社共通のシステムを使うことで、社内での品番、品名などの呼び名も統一できました。
またこれまでは、情報がどこにあるか、誰に聞くべきか迷うことも多い状態でした。今はまず『TECHS-BK』で検索します。必要な時に、すぐ簡単に欲しい情報を引き出せる、当社専用の検索サイトのようなものですね。」

効率的な指示と仕入管理で、納期遅れを9割削減

「他にも、納期遅延が9割削減しました。また、それに伴う納期交渉の時間も不要になりました。
以前は、作業はほぼ現場任せでした。知らないうちに工程が追加され、納期が遅れることもありました。
『TECHS-BK』導入後は、作業指示書を出し、ハンディターミナルで作業実績を入力するようにしました。
負荷や進捗が可視化された結果、生産管理課主導で、他部門や後工程を考慮した納期設定や作業指示が可能になりました。さらに、作業指示書で後工程が分かるため、注意点などの申し送りもできるようになりました。
次に、仕入が管理できるようになったことも大きいです。以前は、物は直接現場に納品され、事務所では納品書だけを受け取っていました。使う直前に不具合が見つかり、作業が遅れることもありました。
『TECHS-BK』導入後、仕入データの管理や検品処理を徹底するようになりました。その結果、仕入品の不具合が早期発見できるようになり、納期遅れが大幅に減少しました。加えて、製品の品質も向上し、物の入荷状況を全社で共有できるようになりました。
仕入も、納品書の伝票番号で簡単に処理できます。物と伝票、金額の突合せも不要になり、仕入処理自体も大幅に効率化できました。」

情報の見える化により営業部門の意識も変化

「営業部門の意識も変わりました。以前は原価意識が高いとは言えない状態でしたが、今は過去の価格も『TECHS-BK』ですぐに分かるので、類似品の価格検索などに日々活用しています。見積時の仕入先への価格確認も不要になり、より早く、正確な見積が作成できるようになりました。
他に、進捗が見える化されたことで、お客様からのお問合せに対し、営業の誰でもすぐに回答できるようになりました。これにより、社内の部署間での問合せの負荷も減りました。」

計画的な作業と効率化で本当の生産管理を実現

「在庫管理も改善しました。仕入や売上などを行うだけで、自動で入出庫が記録され、在庫の数が更新されます。台帳記入やデータ集計も不要になり、棚卸の手間も減りました。
また以前は、在庫の補充は発注担当者の勘頼りで、製品も、現場判断で余分に製作したりしていました。
しかし今は、発注や仕入、在庫管理は、調達部門が行っています。『TECHS-BK』で収集したデータを活用すべく、この部門を立ち上げました。受注の動向や使用量などのデータを基に、在庫が計画できるようになり、属人管理も解消しました。
また、残業時間も格段に減りました。ある担当者の例では、月に35時間以上の工数を削減できました。その時間を、データの分析やQC活動など、今までできなかった改善活動に充てています。
このように、効率的、かつ計画通りに仕事を進められるようになったことで、本当の意味での生産管理ができるようになったと感じています。」

データの活用でさらなる業務改善を

データ活用と今後の展望について、田中様がお話しくださいました。
「業務改善には、現状把握と分析が欠かせません。『EUCTool』で抽出したデータを活用しています。例えば、分析した作業実績や不良理由をもとにミーティングを行い、作業改善と再発防止に活かしたり、BIツールで『TECHS-BK』と他システムのデータを連携させ、原価や負荷などを分析したりしています。今後、さらにデータが蓄積されることで、より有益な利用や分析ができるようになります。」

今後の展望

「当初は、重複入力が減り、業務が効率化できれば、と考えていました。結果として、それは実現しましたが、問題点が明確になり、今後取り組みたいことは増えました。
システム導入を機に、業務の洗い出しや見直しを行う過程で、様々な課題を発見できました。これらの課題の解決と改善に仕事の重点がシフトされ、自然と事務所での会話の質も変わりました。
改善には終わりがありません。今後も日々改善を重ね、よりシンプルで精度の高い仕事を目指していきます。」

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