『TECHS-S』でリアルタイム原価管理と大幅な工数削減を実現
ユニバース株式会社 様真空混練押出成形一筋に磨き続けた技術とノウハウ
ユニバース様は、神奈川県川崎市に本社を、佐賀県嬉野市に九州工場を置き、押出成形機をはじめとする各種装置の提案、設計、製造、販売を行っています。創業から50年余り、押出成形一筋に設計・製造技術を磨き続け、そのノウハウをもって、お客様に最適な提案をされています。
ユニバース様は、設計から成形まで、すべて自社で行います。製品の特性上、競合他社も自社設計が多い中、技術力・先進性・柔軟性の3つの点で、差別化をされています。中でも、きれいな成形を可能にする「練り」の技術力と、スクリューの構造など、設計力の高さが強みです。
今回は、九州工場工場長緒方様、生産管理課高田様にお話を伺いました。
商 号 | ユニバース株式会社 |
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所在地 | 【本社】神奈川県【九州工場】佐賀県 |
設 立 | 1966年2月 |
資本金 | 3,000万円 |
事業内容 | 真空混練押出成形機、および混合ミキサー・引取乾燥機・同調カット機等その他関連する商品の開発・設計・製造・販売 |
ホームページ | https://www.universe-kk.co.jp/ |
リアルタイムな原価管理を全社で切望
『TECHS-S』の導入経緯を、高田様にお聞きしました。
「以前は、購入費、外注費、労務費をExcelで別々に管理しており、原価集計作業に非常に時間がかかっていました。設計・製造に注力するため、原価集計作業は後回しになりがちで、出荷後数か月経ってから集計に取り掛かるような状態でした。中には、1年経っても集計が完了しない案件もありました。また、経理・営業部門がある本社では、工場と離れているため、仕掛案件の原価は一切把握できていませんでした。
本社から、即時の原価集計を求める声が上がってきたのと同時期に、原価を迅速に、自動集計したい、という全社の共通意識が芽生え、生産管理システム導入を検討し始めました。
そこにタイミングよく、テクノアの営業の方が訪問してくれました。『TECHS-S』は、中小製造業にとって現実的な価格だったこと、また、導入による費用対効果が十分見込めると判断したため、導入を決めました。」
3つの効果により、年間1,200時間の工数を削減
『TECHS-S』導入で得られた3つの効果について、高田様がご紹介くださいました。
「導入効果の1つ目は、待望の原価管理です。別々に管理していた各種データが『TECHS-S』で一元管理され、リアルタイムに集計や確認ができるようになった結果、年間480時間もの原価管理工数が削減できました。
また、早い段階で予実対比ができるので、原価低減対策を講じることもできます。さらに、各工程の予定原価を全社に公開することで、予定原価を超えないように、という意識が芽生え、作業者のやる気がアップしました。
2つ目は、工数管理です。以前は、作業者が手書きした日報を、後日
生産管理課員がExcelに転記していました。
『TECHS-S』導入後は、ハンディターミナルで作業実績を収集しています。実績を即時、正確に収集できるようになっただけでなく、日報の記入と転記の工数を、年間240時間も削減できました。
3つ目は、有意義な生産会議の実現と会議時間の短縮です。情報共有や個別案件の進捗確認だけで終わっていた生産会議が、今は、『TECHS-S』で一元管理している引合・受注情報や、全体の進捗・負荷状況をもとに、案件のスケジュール調整などの相談と決定ができる場になりました。
個別案件の進捗は、各担当者が『TECHS-S』の進捗問合せ画面で確認しています。これにより、会議での進捗確認時間が大幅に減ったことに加え、工場側が、作業効率を考えて主体的に進捗確認や相談をするようになりました。さらに、従来は関係者のみで行っていた納期遅れ対応の打合せも、生産会議で共有し、部門を越えて活発に意見を出し合えるようになりました。
このように、会議での進捗確認の時間が大幅に減った結果、情報共有と問題対応に時間が使えるようになり、有意義な生産会議が行えるようになりました。会議時間自体も、年間480時間削減できています。」
データの蓄積と「見える化」による導入効果
高田様は、他の導入効果についてもお話しくださいました。
「以前は、見積価格が高すぎる、とお客様だけでなく、社内の営業からも指摘されることがありました。積算精度が低く、概算で見積を出していたことが原因でした。
『TECHS-S』に蓄積したデータを基に、積算精度の高い、適正な価格が算出できるようになった結果、お客様にも価格をご納得いただけるようになり、受注量も増加しました。
また、日程計画オプションで、内作の負荷状況を見える化したことで、外作への変更判断を素早く行えるようになり、納期遅れが格段に減りました。」
また負荷管理について、緒方様も、「以前は、現場の負荷が全く見えていませんでした。そのため、仕事がなくならないよう、無意識に仕事を確保しすぎた結果、対応しきれず、納期遅れになってしまうようなこともありました。また逆に、自部門が低負荷でも、他部門の状況に合わせ、必ずしも今必要ではない仕事で残業をするような風潮が多少ありました。
現在は負荷の「見える化」により、必要がないときは残業せずに帰る、というように、作業者の意識が変わったことも大きな副次効果です。」と付け加えてくださいました。
さらなる『TECHS-S』活用について
緒方様は、『TECHS-S』のさらなる活用を考えていらっしゃいます。
「実績時間と標準時間の差を、人事評価の一つの指標として取り入れようと考えています。合わせて、各人の1日の稼働率も適切な値となるようにしていきたいです。
このように、今後もPDCAを回し続け、日々改善していくための道具として、『TECHS-S』に蓄積されるデータをどんどん活用していきたいです。」
また高田様からも、次のようなうれしいお言葉をいただきました。
「リードタイム短縮を図るために、日程計画をしっかりコントロールできるように、全体に目を配っていきたいと思います。
また、今後は、テクノアの提供するIoTにも期待しています。」