『TECHS-BK』で業務効率化、 社員の意識向上を実現

株式会社山口技研 様

材料調達から仕上げまで 一貫した「自社製作」

山口技研様は、1977年に富山県下新川郡でプレス金型設計会社として創立されました。その翌年に製作部門を立ち上げ、2003年にはマシニングセンターを導入し、精密加工分野に進出されました。現在は主に、自動車会社、食品会社などの自動化ライン向けの精密部品や冶具を、製造・販売されています。
山口技研様の強みは、材料調達から仕上げまで一貫した自社製作により、高技術・高品質・低コスト・短納期での製造ができることです。月におよそ2,500件ある受注のほとんどが、受注数量が1、2個という、「超」多品種少量生産で、お客様のご要望に応えられています。
今回は、代表取締役社長山口様と、業務部春若様に『TECHS-BK』導入効果についてお話を伺いました。


           
株式会社山口技研
CLIENT PROFILE
商 号株式会社山口技研
所在地富山県
設 立1977年6月
資本金1,500万円
事業内容工作機械・専用機・自動化省力化機械向け位置決め治具、各種金型部品の設計製作
ホームページhttps://www.yamaguchi-giken.com/

Excel管理に限界を感じ、 システム導入を検討

まず、『TECHS-BK』導入の経緯について山口様に伺いました。
「約13年、Microsoft®Excelで生産管理を行っていました。しかし、使用年数の経過に伴い、ファイルやシート間の連携が複雑になり、処理に時間がかかるようになりました。また、操作ミスでデータが壊れ、データ自体のチェックやメンテナンスが必要となったりと、運用の限界を感じていました。
そこで、システム導入の検討を始めました。当社がシステムに求めたものは、入力の負担が少ないこと、中小製造業で実績があること、情報の一元管理が行えること、そしてサポート体制がしっかりしていることでした。
『TECHS-BK』は、これらの条件に加え、データ抽出が簡単で、帳票作成も融通の利く点が気に入り、導入を決めました。」
サポート体制について春若様は、「運用指導やサポートには大変満足しています。運用指導担当の方に、パソコンが苦手な人にもわかるよう説明してほしいとお願いしたところ、わかりやすい言葉で説明していただけたので、順調に稼働できました。
また、困ったときはオンラインサポートを利用しています。電話で伝えづらい内容でも、同じ画面を確認しながら操作を教えてもらえるので、とても便利です。」とお話しくださいました。

進捗確認の工数を 年間1,200時間削減

『TECHS-BK』導入効果の1つ、進捗管理について、山口様は「以前は、得意先から問合せがある度に、工場内を一日に何回も探しまわっていました。
今は、製品の進捗状況が自席で確認できるので、工場内を歩き回る必要もなく、すぐに得意先に納期回答ができるようになりました。平均して日に10件は問合せがあるので、1件につき30分として、月間100時間、年間1,200時間もの工数が削減できました。」

図面を技術的財産として 活用

「また、図面管理も効率化しました。以前は、製品完成後、注意事項やメモが書き込まれた図面をそのまま書庫に保管していました。そのため、類似案件の注文が入っても、その図面を探すのに非常に時間がかかっていました。
『TECHS-BK』導入後は、図面をスキャンし、製番別に、サーバー上のフォルダに保存しています。富士ゼロックス社製のドキュメント管理ソフト『DocuWorks』とも連携しているので、ボタンを押すだけで、図面検索や参照が行えるようになりました。
新規注文が入ったら、類似品の図面に記載した加工時の注意事項やメモ情報を、必ず確認しています。
また、見積よりも実際の作業時間が長くかかった、というような情報もすべて図面に書き込んでいるので、実作業時間を加味した見積ができるようになりました。図面を当社の技術的財産として活用できるようになった点も、『TECHS-BK』導入の大きな副次効果です。」とお話しくださいました。

データの活用により 収益率が10%アップ

『TECHS-BK』の原価グラフと、『EUCTool』の活用について、春若様に伺いました。
「当社で原価グラフを一番活用しているのは営業ですね。当初積算した予定原価をオーバーしていないか、常に確認しています。これにより、原価を細かく見る習慣がついたので、同じ加工でも、熟練者と新人では工数が変わる、ということまで踏まえて積算を行うようになりました。また過去に赤字であった製品と似た引合があった場合、必ず得意先に売価の根拠を提示して、価格交渉を行うようになりました。
さらに、『EUCTool』から出力したデータをもとに、受注目標金額に対し、受注金額ベースで負荷状況を確認するグラフを作成し、生産会議で活用しています。これらの活用により、売上金額を伸ばすためだけに赤字覚悟で受注する、といったことがなくなり、収益率を10%アップすることに成功しました。」

「中部IT経営力大賞2018」 奨励賞を受賞

山口技研様は、2018年に特定非営利活動法人ITC中部が主催する「中部IT経営力大賞2018」で奨励賞を受賞されました。情報の一元管理や、図面管理などによる効率化、進捗・負荷の見える化といった、システム導入による改善効果と、社員の意識向上という付随効果を評価されての受賞です。
山口様は「作業時間を手書きからタブレット入力に切り替えたことで、効率化と進捗管理ができるようになり、社員の納期意識が高まりました。その結果、納期遵守率が97%と大幅に向上したことも評価につながったと思います。」

今後の展望

「また今後は、全社でのモチベーションアップを目指します。
営業は、自分の担当案件の原価や粗利が管理できるようになったことで、モチベーションアップにつながりました。次は、製造現場のモチベーションアップのために、担当者ごとに利益への貢献度がわかるような仕組みを検討していきます。」とお話しくださいました。

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