『TECHS-BK』で棚卸工数削減同時に稼働時間も大幅に増加
ノダプレシジョン株式会社 様3つの特長TRUST、SPEED、IDEAで「世界最適調達」の流れの中でも優位に
1984年の創業以来、穴加工向けPCD・CBN・超硬工具などの複合加工を得意とする、完全オーダーメイドの切削工具メーカーとして発展されてきたノダプレシジョン様。
近年の「世界最適調達」の流れにより、国内のみならず近隣アジア諸国のメーカーが競合となる中、高品質、かつオリジナルの「ノダプレシジョンにしか頼めない特殊工具・複合工具」の製作で優位性を示されています。
そしてそれを可能にしているのが、ノダプレシジョン様独自の「協調開発」という開発手法です。「TRUST(お客様との信頼を築く)」、「SPEED(その場で設計図を書く)」、「IDEA(柔軟な発想力)」という3つの特長を基本方針とし、ますます多様化するユーザーニーズにもきめ細やかに対応し、お客様の安心と信頼を得られています。
今回は、代表取締役社長白井様、製造部部長樋口様と、製造部の皆さまにお話を伺いました。
商 号 | ノダプレシジョン株式会社 |
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所在地 | 大阪府 |
設 立 | 1985年4月 |
資本金 | 9,000万円 |
事業内容 | 穴加工向け焼結ダイヤモンド工具、超硬工具、CBN工具などの複合加工のオーダー品製造 |
ホームページ | http://noda-precision.co.jp/ |
システム導入時にSEに求められた条件とは
「以前は、地元のソフトメーカーの手組ソフトを使用していました。カバーできる業務範囲が狭い、必要データの抽出機能がないなど、使い勝手に不満がありつつも、使い続けていました。ところが、メーカーの倒産により、ソフトのサポートが停止したため、新システムの導入を検討し始めました。」と白井様。
「ソフト選定では、機能面の精査はもちろんですが、3つの条件を満たすシステムエンジニアを探しました。中小製造業を熟知していて会話がスムーズにできること、私たちの要求に対する可否の回答が素早くできること、経営者の立場に立った経営分析ができること。この3つの条件を、全て満たすシステムエンジニアを擁していたのはテクノアだけだったので、『TECHS-BK』に即決しました。」
在庫管理精度向上により、毎月の棚卸を年4回に削減
白井様は、「『TECHS-BK』導入前は、毎月8時間かけて、目視で棚卸を行っていました。また、手書きによる数字の書き間違いや転記ミスも多く、棚卸結果の精査にも多くの時間を費やしていました。
『TECHS-BK』導入により在庫管理精度が上がり、実地棚卸を年12回から4回にまで減らすことができました。さらに棚卸結果の精査にも時間がかからなくなったため、1回の棚卸を従来の半分の4時間で完了できるようになりました。結果として、年間80時間もの棚卸工数を削減することができました。
また、実地棚卸期間中は、各職場で3時間ほど加工作業を停止していましたが、棚卸が年4回に減ったことで、作業停止時間が稼働時間に変わりました。作業者は40名いるため、単純計算でも、960時間もの稼働時間が増えたことが大きな副次効果です。」とお話しくださいました。
負荷の平準化に加え、社員の多能工化の効果も
進捗と負荷の管理について樋口様は、「以前のシステムは、工程の分け方が大まかであったため、得意先から納期の問合せがあっても、どういった状況にあるのか分からず、すぐに回答ができませんでした。
そのため『TECHS-BK』では、工程管理は実際の作業工程まで細分化する運用にしました。並行して、ハンディターミナルでリアルタイムに実績を収集できるようになったことで、進捗が正確、かつ瞬時に分かるようになりました。
負荷管理については、納期、自社の作業予定時間、協力会社の製造予定日、発注金額などを元に、『EUCTool』で管理しています。社内外の負荷の平準化実現に加え、内作では、負荷の高い他部門を手伝う体制までできました。」
白井様も、「他部門を手伝うことで技術習得の機会が増え、社員の多能工化が進んだことも大きな効果でした。今では、負荷状況によっては間接部門も検品などの作業が行えるようになっています。」とお話しくださいました。
『EUCTool』で、資料作成工数を250時間/年削減
「生産実績や作業残などの日次・月次の集計資料についても、『EUCTool』を使用することで、年間250時間もの工数を削減できました。
例えば前述の棚卸については、実地棚卸を行わない月でも、『EUCTool』から月次の在庫帳票が瞬時に出力できるようになったため、人の手が一切かからなくなりました。また、進捗や負荷の管理に使う工程や機械別の作業残リストも、全て『EUCTool』で日次発行しています。
他にも、Excelで用意した雛形に、『EUCTool』からデータを出力するだけでグラフができる機能も活用しています。工程・機械別の出来高の実績など、見やすいグラフですぐに確認でき、大変便利です。このように、日次で必要なデータも、早く簡単に出力できるようになりました。」と樋口様。
今後の展望
最後に、今後の展望について白井様に伺いました。
「ハンディターミナルで収集した実績時間をベースにすれば、精度の高い標準時間が設定できます。それを基に、工程別の予算と実績の分析を行っていきます。加えて、現在のリードタイムや工順が適切かどうかを継続して見直すことで、原価低減につなげていきます。
また、作業実績データを分析し、他部門の補助などで、新技術を習得した社員の評価に使用するなど、社員評価システムとしての活用も考えています。
これからも『TECHS-BK』を最大限に活用していくために、保守サポートや運用相談・指導を末永く継続していただきたいですね。」