『TECHS-S』のさらなる活用で拠点間のリアルタイムな情報共有を実現
株式会社メイク 様IE(IndustrialEngineering)に基づいた生産システムを提供
メイク様は浜松市都田町にて1983年に設立。以来、数多くの大手企業に専用の組立機や検査機・試験機を納入されています。
企業理念として掲げている『IE(IndustrialEngineering)に基づいた生産システムの提供』を目指し、研究開発に多くの時間を費やされるとともに、FA領域での先進的で広域多岐にわたる技術蓄積を続けてこられました。
その結果、中小企業創造活動促進法認定企業(1997年)、独創的研究成果育成事業(1998年)、静岡県経営革新承認企業(2002年)、技術先端型企業(2008年)など、数多くの認定を得られています。
今回は、生産管理主任坂本様と総務阪東様に、『TECHS-S』導入の経緯や導入効果、さらにバージョンアップによる変化などについてもお話を伺いました。
商 号 | 株式会社メイク |
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所在地 | 静岡県 |
設 立 | 1983年2月 |
資本金 | 2,000万円 |
事業内容 | 組立機・検査機・試験機・ロボットシステム等の開発製作(自動車・半導体・エレクトロニクス・食品関連) |
ホームページ | http://www.make-net.co.jp/ |
『TECHS-S』Ver.3では事務処理工数の大幅削減、コストダウンに成功
まず、坂本様から「『TECHS-S』導入の2年後に工数削減状況を測定したところ、年間で953時間もの工数が削減できていました。」とお話いただきました。
「『TECHS-S』の導入前は、設計部門がExcelで作成した部品表データを生産管理部門が切り貼り・転記して注文書や工程表を作成しており、非常に時間がかかっていました。
また、仕入単価を調べるのに、物件ごとに管理された過去のファイルを1つ1つ開いて探す必要がありました。『TECHS-S』の導入により、過去の仕入単価がすぐに検索できるようになり、事務処理工数の大幅削減につながりました。
工数削減により空いた時間と蓄積された単価情報の活用により、取引先との交渉に時間を割けるようになりました。正確で効果的な価格交渉ができるようになり、導入2年でリピート品については材料費で15%、外注費で20%前後のコストダウンが実現できました。」
新工場完成を機にバージョンアップ、『日程計画』オプションも追加
「業務拡大に伴い、2015年4月に都田(みやこだ)テクノ工場を新設しました。その稼働開始時期に合わせて、『TECHS-S』のVer.3からVer.6にバージョンアップし、クライアントライセンスも追加しました。
本社から車で15分程度かかる都田テクノ工場へは、電気部門、組立部門が移転となりました。同じ敷地内であれば、工場を見てまわることで、なんとかその進捗を把握することができますが、離れた場所ではそれもできません。これを機に、複数拠点でもリアルタイムに日程・進捗情報が共有できるよう、『日程計画』オプションの導入も決めました。
以前は営業からの日程情報をもとに、生産管理部門がExcelで日程表を作成していましたが、日程変更の度、Excel上で一つ一つ編集するため手間がかかっていました。『日程計画』オプション導入後は、営業が各自日程情報を登録・修正すると、『日程計画』オプションで、自動でガントチャートの日程表を作成することができるため、生産管理部門は生産会議前にガントチャートの日程表を出力するだけになりました。
また、生産会議では、各部署の報告をもとに、その場で進捗や変更情報を簡単に日程表に反映することができます。その結果、遅れをすぐに把握して、すばやく予定を組み直すことができるようになりました。
2拠点に分かれ、テレビ会議越しにはなりましたが、『日程計画』オプションを導入したことで、以前よりもスムーズに生産会議が行えるようになりましたよ。」
Ver.6の新機能も有効活用
「『TECHS-S』Ver.6で追加された新しい機能も有効活用しています。
新規品の見積を複数の取引先へ依頼する際に、新しく追加された発注見積機能を活用しています。また、仕入や支払で、複数のデータをまとめて登録する機能なども充実しており、重宝しております。
担当者からは『TECHS-S』Ver.6にバージョンアップしたことで、入力作業がとても楽になったと好評です。」と阪東様よりお話いただきました。
原価情報の全社共有でコストダウン意識を向上、「利益が出る見積書」作成
メイク様では、コストダウンの意識付けが全社員に徹底されています。その秘訣を坂本様に伺いました。
「当社では、全ての原価情報を全社員に公開しています。特に設計担当に原価意識を持たせることは、コストダウンにおいてとても重要です。一般的に、設計段階で原価の8割は決まると言われるほどですからね。一例ですが、設計担当が必要以上に公差を厳しくすると、如実に原価に表れてしまいます。品質確保はもちろん必要ですが、利益を出せるように設計できないとプロとは言えません。
また、今回の『TECHS-S』のバージョンアップを機に、製造時の実行予算をより詳細な項目に分けて管理できるよう、運用の見直しも合わせて行いました。
予算内に収まるよう、設計や購入、電装、外注費にいたるまで、細かい単位で取引先と価格交渉を行っています。同時に詳細な原価分析を行って、原価管理の精度を以前よりさらに高めています。
その結果、蓄積された正確な原価情報をもとに、新規案件でも過去の類似案件の原価データを確認することで、かなり精度の高い原価積算が可能となり、確実に利益が出る見積書が作れるようになってきました。」
全ての情報をリアルタイムに登録することが重要
「全ての情報をリアルタイムに共有・公開するためには、即時に登録することが重要です。日報は遅くとも翌朝までに登録しないと意味がありません。月末にまとめて登録するようでは、仕掛案件の予算・実績の状況が把握できず、早めのコストダウン対策が打てません。また、拠点が増えるほど、常に最新の情報共有が重要になります。情報を溜めてしまってはシステム活用の意味がまったく無いですよ。ぜひ、登録はリアルタイムに!」と最後に坂本様は力強く語ってくださいました。