属人業務からの脱却に成功 生産計画業務時間を50%削減

株式会社乾光精機製作所 様

「生産スケジュールの見える化 」「工程負荷の見える化」を行い社内のムリ・ムラ・ムダを改善する為に、『生産スケジューラ』の導入をした株式会社乾光精機製作所様。基幹システムと『生産スケジューラ』の連携を行い、属人業務からの脱却に成功した。

【今回お話を伺った方】
管理部 兼 品質保証部 部長 片桐 雅宏 様
精密部品加工事業部 課長 田中 憲和 様
精密部品加工事業部 小平 由香 様

あらゆる需要に応える精密部品の総合メーカー

1961年に設立された株式会社乾光(ケンコウ)精機製作所様。
切削、研磨、中グリなどの精密部品を製造するパーツメーカーだ。
最新の加工機器の導入と、人の技術の可能性によって、産業社会の求めるあらゆるニーズに対応している。近年では高い品質の求められる半導体製造装置の製造機械の部品を多く手掛けており、100台以上の設備機械で製造を行っている。


           
株式会社乾光精機製作所
CLIENT PROFILE
商 号株式会社乾光精機製作所
所在地長野県高森町
設 立1961年
事業内容組立機・電子部品自動装着機・挿入機・ 部品加工・アッセンブリー・工作機械・ 専用機部品加工等
ホームページhttps://kenkoseiki.co.jp/

生産計画業務の属人化からの脱却を目指す

生産計画業務については、基幹システムから出力したデータを加工して、田中氏が長年の経験を基にExcelで月に200~300品目の案件に対して 、100台以上の設備機械の調整を行っていた。その業務は深夜に及ぶこともあり、田中氏が休むと生産計画の調整ができない、という属人業務と化し、会社としてのリスクにもなっていた。
そこで、同社の基幹システムと連携できることを前提に「生産スケジュールの見える化」「工程負荷の見える化」を行えるよう『生産スケジューラ 』の導入を検討開始した。

想像以上の効果で、属人業務からの脱却に成功

現在の生産計画業務のメイン担当者は、小平氏だ。
小平氏は、『生産スケジューラ』の導入前は、田中氏が作成した生産計画業務に基づき、基幹システムへのデータ登録や、指示書の発行を行っていたが、今では、メイン担当者として、生産計画の立案・調整業務を行っている。
不安もあったが、10ヶ月程で、ほぼ一人で生産計画業務に対応できるようになった。」と小平氏は自信をもって語ってくれた。
『生産スケジューラ』の導入により、田中氏から小平氏への業務移管に成功し、現在、田中氏は、別の業務に注力できるようになった。
「生産計画業務は、設備機械や工程といった知識のある担当者以外には、対応が難しかった。しかし、『生産スケジューラ』を導入したことで、システムのオペレーションを覚えることができれば、生産計画業務に対応できるようになった。その効果は想像以上だった。」と片桐氏は、教えてくれた。

マスタ整備により、時間に対する意識改革

『生産スケジューラ』を稼働させる前に、各工程の作業時間を整備する必要があった。
同社では、生産技術部が、各工程の作業時間を設定しているが、計画と実績の乖離が大きく、『生産スケジューラ』を動かしてみて修正してということを繰り返し行ことで精度を高めた。
「大変な作業だったが、マスタをしっかり作らないとスケジュールは立てられない、という認識を共通して持ってもらえるようになり精度があがった。」と田中氏は語る。
実際に、マスタがしっかりと整備されたことで、現場に極端な負担を強いることがなく、適切な生産計画を立てられるようになった。

負荷の見える化により、判断基準が共通化された

『生産スケジューラ 』の導入前は、工場の負荷を確認する際は、個別に担当者に確認をとっていた。
ある程度の負荷の予測は可能であったが、最終的な判断基準は、現場からの回答であった。
「忙しいから受け入れが難しい。」という現場から回答も、各担当者の主観での判断であり、明確な基準がなかった。
「導入後は、マスタが整備されたこともあり、システム上で客観的に負荷が見える化できるようになった。それにより、製造受け入れ時の共通した判断基準ができ、適正なスケジュールが組まれるようになった。」と、片桐氏はその変化を教えてくれた。

負荷の見える化により、判断基準が共通化された

『生産スケジューラ』の導入により、生産計画業務の時間は、大幅に短縮された。設備機械の負荷の確認だけでも、1日2時間を費やし、特急品や飛込み案件の調整により、業務が深夜まで及ぶこともあったが、『生産スケジューラ』の稼働後は、調整業務も短時間でできるようになり、ほぼ定時に業務を終えられるようになった。
「もう以前には戻れないでしょう。」と田中氏も効果を実感している。
また、片桐氏も「2人で行っていた業務が、残業をせず一人できるようになった。生産計画業務については、実質50くらいの削減効果があった。」とその効果を述べた。

現場とのスケジュール共有もスムーズに

『生産スケジューラ』は、各工場のパソコンにも導入されていて、担当者自身が確認し易いよう、表示設定担当の設備機械を表示等している。
「現場も含めて、時間に対する意識が高まった。」と片桐氏は語る。

今後の課題と目標

同社では、IoTにより、設備機械から稼働実績を取得している。
「正確な実績を取り、計画へのフィードバックを行うことで、さらなる精度の向上を目指す。最小限の投資で最大の効果を出す方法を常に考えている。」と片桐氏は、力強く語ってくれた。

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