第27回 「経営課題を見つめなおす!ITツール活用ワークショップ」 開催レポート

著者:佐々木 靜(ささき しずか) 第27回 「経営課題を見つめなおす!ITツール活用ワークショップ」 開催レポート

こんにちは。テクノアの佐々木です。

2019年12月13日に、テクノアでワークショップを開催しました。

今回は単にソフトウェアの操作・運用を学ぶのではなく、
自社の強み・弱みを見つめなおし、見えてきた経営課題に対して
ITツールをどのように活用するかを考えていただくという、初の試みです。

普段の職場から離れ、いつもと違う環境でじっくり時間をかけて行うワークショップで、参加者の方がどのような気付きを得て、どのように変わっていったのかをレポートいたします。

ご参加いただいたのは生産管理ソフトTECHS-BKのユーザー様2社3名です。

中小企業診断士のコヒーレント・コンサルティング 代表 小山 太一 様にご協力をいただき、テクノアの中小企業診断士とITコーディネーターとともに議論を活性化させる進行役として参加者をご支援いたしました。

1.SWOT分析

まず、自社の強みと自社を取り巻く環境がどのようなものであるかを再確認するため、
SWOT分析についての説明からスタートしました。

 

SWOT分析とは自社の強み・弱み・機会・脅威を整理するフレームワークです。
それぞれの項目について深堀する、知的資産分析・PEST分析・5フォースなどの
切り口についても紹介し、事前に知識を深めました。

 

SWOT分析

 

説明のあとは、SWOT分析のワークを行いました。

ここで活躍するのが付箋と模造紙です。
自社のSWOTを思いつくまま付箋に書き込み、それを模造紙にぺたぺたと貼り付けていきます。

敢えてPCを使わずに、付箋に手書きで進めていく作業は、思考をどんどんと活性化させます。

深く考えず、思い付いたことを素早く文字にすることがポイントです。

それぞれの立場で書き出したSWOTの付箋を模造紙の上に広げ、因果関係や、
相関関係を議論しながら整理していきます。時々進行役が質問を投げかけ、
それに回答をしていくと、ばらばらに書いた付箋の関係性が見えてきて、
なるほど、と膝を打つ場面も見受けられました。

弱みと思って書いた内容が、見かたによっては強みになったり、
漠然と感じていた強みの源泉が実は同じだったり、と新たな気付きを得ます。

それをまた付箋に書き追加していくことで厚みが出て、ますます議論も盛り上がりました。

書き出したSWOTの付箋を模造紙に貼ります

2.クロスSWOT分析

次に行うのはクロスSWOT分析です。

先ほど洗い出したSWOTを基に、内部環境要因と外部環境要因を掛け合わせて、
とるべき戦略を検討するフレームワークです。

今回は最も優先したい機会に強みをぶつける強化戦略に絞って検討しました。

SWOT分析で自社の現状が十分肚に落ちた状態なので、
とるべき戦略はおのずと決まっていった様でした。

クロスSWOT分析

3.成長戦略の発表

最後にクロスSWOT分析の結果を成長戦略として発表いただきました。

なぜその強みと機会を選んだか、具体的に何をしていくかを宣言し、まとめとしました。

今まで漠然と「やらなくてはいけない。」と感じていたことも、
「なぜやらなくてはいけないか。」が明確になり、さらに人前で発表をすることで
決意を強めるきっかけになりました。

4.面積原価計算

ワークショップのあとは、小山様より面積原価計算の講義を受けました。

面積原価計算とは、ものづくりに投入する資源コストに時間軸を考慮し、
生産性を評価することができる考え方です。TECHS-BKに貯まったデータを活用し、
利益体質になるための意思決定を行うのに、非常に有効な考えだと感じました。

 

参加された経営者の方は、今までもSWOT分析のご経験はありましたが、
第三者と対話をすることで、改めて整理できたことも多くある様でした。
経営にはタッチしていない製造のご担当者様も、ワークを通じて経営について考え、
社長の想いに触れることで、会社全体としてのものづくりの目的や
仕事の意義を考える機会となった様です。

 

5時間のワークショップ終了後は2社がすっかり打ち解け、
支援する我々にとっても、楽しい会となりました。

ワークショップでの分析結果の詳細は、こちらでお伝えすることはできませんが、
導かれた課題の中に、2社とも原価管理の更なる強化があったことを報告いたします。

今お使いのTECHS-BKをもっと活用することで、経営課題解決に役立つと
実感していただけた様です。

 

テクノアは今後も、中小企業製造業様を利益体質に導く様々な取組みと、
本当に活用できるITツールの提供を目指してまいります。


<支援者プロフィール>
コヒーレント・コンサルティング 代表 小山太一様
ホームページ:http://coherent-cons.com/

生産性の評価指標「面積原価」を提唱し、業務プロセスの見直しと改善を得意とする生産性改善の専門家。
前職の外資系コンピュータメーカーでは製造業の業務改革をリード、ITの活用や生産管理などに強い。

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佐々木 靜(ささき しずか) プラットフォーム事業部

入社から7年間、TECHSの運用指導を担当しておりました。

ユーザー様に様々なことを教えていただき、仕事の楽しさを実感。

このご恩を返すため、中小製造業様のお役に立つためには?と考え、中小企業診断士を志しました。

システムをきっかけに、現場と経営をつなぎ、中小製造業様にもっと元気になっていただくために活動中です。