ところで、よく滑るスキー板のお話をしますと、必ず聞かれることがございます。
「あまり滑り過ぎるスキー板(スノーボード)は、スピードが出て危なくないの?」
「初心者は、あまり滑らない方が、練習し易いのではないの?」
というご質問です。
その答えですが、実は滑らない板の方が上達しませんし、何より滑って楽しくありません。
初心者、上級者に関わらず、十分に手入れされた道具を使って頂いた方が、
上達も早く、楽しんで頂けると思います。
以上、存分にマニアックなところを披露させて頂きました。
実は、学生時代に専門店でアルバイトをした経験があり、
当時の店長にひと通りの知識と技術を学ばせて頂きました。
僭越ながら、選手のサービスマンとして、某スキー大会のスタート地点で、
選手のサポートを務めさせて頂いたこともございます。
スキーのアルペン競技では、選択するワックスの種類は勿論のこと、
滑走面の仕上げ一つでタイムが大きく変わります。100分の1秒で順位が入れ替わる世界です。
そして、速い選手ほど道具を大切に扱い、よい結果を出すために、
身体も道具も共に最高の状態に仕上げていました。
そこで見た、キズ一つなく、ピカピカに磨き上げられた滑走面は黒く光り、美しさを感じる程でした。
どこか、熟練の職人に通じるようなものを、感じたことを思い出します。