個別受注生産に合った生産管理システム

著者:亀井 健一(かめい けんいち) 個別受注生産に合った生産管理システム

こんにちは。亀井 健一です。
今回は、前回のテーマ(「システムによる業務標準化で、属人化を解消」2020/4/10公開)を踏まえて、個別受注生産における生産管理システム導入の際のポイントについてご案内したいと思います。

1.個別受注生産での生産管理は何故難しいか?

個別受注生産では、システムによる生産管理が難しいと言われます。
何故でしょうか?
個別受注生産では、主に試作品や多品種少量での生産が多いため、下記のことが理由として挙げられます。

・繰返し生産に比べ、仕様変更・設計変更の頻度が高い

・受注時に仕様が決定していないことがあり、工程の予定が立てにくい

・一品物であることが多く、データ資産の活用が難しい

加えて、一度きりの生産も多いことから、システムを使う上でのデメリットである〈決められたルールでシステムに入力する工数〉がクローズアップされやすい業態でもあります。

2.個別受注生産での生産管理の必要性

では、個別受注生産を行う場合は、システムによる生産管理は必要ないのでしょうか。
システムを利用した場合のメリットを考えてみましょう。
・過去の類似品製造データをもとに精度の高い工数積算や納期設定ができる

・加工の進捗状況や部品の手配状況から、正確な納期が把握できる

個別受注生産において、特に顧客から求められるのは、〈納期〉〈品質〉になります。
過去の製造実績データを参照することで工数や納期の見積時だけでなく、実際に製造に移った際にも当時の製造工程や部品表を参照し、品質を一定に保つことができます。

これらのデータは、当時の担当者がいなくなった後も、会社の資産として残しておくことが可能です。
また、正確な納期の把握は、自社のみならず、顧客のプロジェクト全体にも影響を与える重要な要素となり得ます。

3.生産管理システムを導入する際のポイント

以上のことから、個別受注生産において最適な生産管理システムを考えると、以下の特長を持ったものが最適となります。

・受注や部品表作成、作業指示などの入力に柔軟性があり、急な設計変更に対応できること
・過去の類似品の検索性に優れ、必要なデータの流用ができること
・リアルタイムに進捗状況が確認できること

個別受注生産は、一度きりの生産も多く、紙やExcelを使用したその場しのぎの管理となりがちです。
特性に合った生産管理システムを導入することで、今の納期短縮や製品品質の向上だけでなく、将来やってくる注文の為にデータを残しておくことも重要ではないでしょうか。

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