コラム

第17回 「生産性向上のための『見える化』の効果的な使い方」 吉本 恵太2018.07.10

「生産現場を見える化で改善」とか、良く聞くキャッチフレーズですよね。
 
確かに「見える化」は課題解決のツールとして効果を発揮します。
しかし、「見える化」はその用途が広いことから、目的が曖昧なまま取り組んでしまい、
大した効果を生まなかったということもあります。
 
さて、今回はその「見える化」の効果的な使い方について解説します。

1.改善活動は「問題点」の仮定から

製造現場の改善は、まず「問題点」を発見することから始まります。
問題点は、やみくもに探しても見つかりません。
まずは問題点を仮定し、それが事実かどうか検証するための「見える化」の網を張ります。 
 

たとえば、最近売上が減ってきたのであれば、

その問題点の原因は「出荷数が減っていることでは?」と仮定します。

そして下図のように、更にその問題点と原因の因果関係を仮定していきます。

 

それら問題点を「見える化」するための指標を決め、定量化する仕組みづくりが必要です。

 

見える化の用途イメージ図1

2.見える化指標の観測と原因分析

組みができれば、次はその指標を定期的に観測し、問題点と原因が仮定通りか検証します。

 

「現場で発生していること」を、関連する複数の指標で「見える化」することで、

問題の因果関係を把握でき、根本的な原因にたどりつきやすくなります。

またその根本的な原因に対して対策を打つことができれば、改善の成果をより高めることができます。

 

下図の例で言えば、「特定工程の負荷が高い」ことが根本的な原因となって

いくつかの問題を引き起こし、結果として「月当たりの出荷数減」につながっていることが分かります。

 

当然ですが、いずれかの指標で仮定した問題点が説明できない場合は、その仮定を見直します。

それを繰り返し、たどりついた根本的原因を突き止めます。

これを解決すれば、現場で起きている問題が解消され、結果として売上の回復につながる対策となります。

 

見える化の用途イメージ図2

3.対策の効果を測る

たどり着いた原因に対して打った対策が効果を出しているかを検証するためにも、
「見える化」の指標が役に立ちます。


指標が改善されていないのであれば、

「対策が不十分なのか?」「本当にそれが原因だったのか?」を疑うことになります。
図の例で言えば、売上が上がってきたかどうかですね。

4.PDCAの基準値として

皆さんご存じのとおり、製造現場の改善活動はPDCAサイクルを回し、それを継続することが理想です。
しかし、これは簡単ではありません。
多くの現場で、一度きりの対策で終わることを目にします。
これは、継続的に回すための仕組みができていないことが原因で、止めてしまう場合がほとんどです。
 
今まで説明してきたような、「見える化」の指標を継続的に取る仕組みにすること、
その指標が自社にとって、良いのか悪いのか常に判断できる基準値を決めておくことが重要です。
 
ここまで仕組みができれば、指標の評価を継続していけば、
問題が再発した時にもいち早く気づくことができますし、それを改善する意識も高まります。
せっかく作った良い「見える化」の指標・仕組みはしっかりと定着させていくことが大事です。
 
皆さんも「見える化」を活用して、製造現場の改善PDCAを継続していきましょう。

 

 

 

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氏名:吉本 恵太(よしもと けいた)
所属:(株)テクノア大阪支店 TECHS事業部 西日本顧客支援部
TECHSを導入いただいたお客様に運用指導を行う部門で
西日本の管理者を務めさせていただいております。
出身:香川県高松市
趣味:釣り・登山(軽めの)
性格:いつでも明るく。熱く。前向きに。
TECHS顧客支援では、多くのTECHSユーザー様にお伺いします。
そこで得た実際の改善事例や問題解決事例を、中小企業診断士らしく
理論的にわかり易くお伝えできればと思います。
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