導入事例 CASE STUDY

iPadでの実績収集で、実績収集工数を9割、残業を4割削減

中辻金型工業.株式会社 様

会社紹介

中辻金型工業.株式会社様(※辻は一点のしんにょうが正式表記)は、1974年の創業以来、プレス金型の設計・製作を中心に、銅やアルミなど、様々な材質のプレスや加工事業を展開されています。プレス金型製作というジャンルにとらわれず、「技術の掛け合わせ」を得意として成長を続けてこられました。
「日本一 人を笑顔にする金型屋」を経営指針に掲げ、高い技術力とスピーディーで柔軟な対応力によって、お客様のお困りごとを解決し、お客様の笑顔のために尽力し続けておられます。さらに、3Dプリンタによる造形やデジタルモールド®・プレスなどの新しい挑戦と、蓄積された豊富なノウハウを合わせることで、次世代の技術を展開されています。
また、コロナ禍において「今、自分たちにできる事を」という思いから、アルミフレームを使用した軽量フェイスシールド<NK-GUARD>を製作され、医療機関などで採用されています。


CLIENT PROFILE
商 号中辻金型工業.株式会社
所在地大阪府
資本金1,000万円
事業内容金型設計製造・試作、機械加工による部品加工、 量産加工(プレス・溶接)、受託造形、3Dプリンタ販売、 3Dプリンタによる試作、加工技術支援
ホームページhttps://www.nkk-24.co.jp/

導入のきっかけ

中辻社長:「TECHS-BK(以下TECHS)の導入で、作業の属人化解消、残業半減など、様々な点が改善しました。しかし、作業実績の収集と進捗把握に課題が残っていました。
当時は、作業者が日報を手書きし、それを生産管理部門がTECHSに入力していました。それらの作業には、毎日2時間程度かかり、モノの所在や進捗などの情報もリアルタイムではなく、実績時間も正確さに欠けるものでした。そのため、作業者に負担をかけず、簡単に実績を収集できる方法がないか、ずっと頭を悩ませてきました。
iPad実績収集オプションの発売を聞いた時、私が描いていたコンセプトにとてもマッチしていたため、すぐに導入を決めました。」

実績収集の効率化で、収集工数を9割削減

中辻社長:「iPad実績収集オプションは使い勝手のよさが最大のメリットです。各項目が選択式で入力でき、皆が使い慣れているスマートフォンと同じような操作で使えます。導入から1ヶ月程で、年代を問わず、作業者全員が操作を覚えられました。
iPadの設置方法も工夫しました。3DプリンターでiPad専用の置き台を製造し、製造現場に設置しました。これにより、置き台に立てかけたiPadに作業指示書をかざすだけで、作業指示書のQRコードを読み込めます。その後は、タッチペンで担当者コードを入力し、開始または終了ボタンを押すだけで、実績が登録できます。日報の手書きや、TECHSへの入力工数が不要になったことで、実績収集にかかる工数を9割削減できました。」

リアルタイムの進捗管理で、製作期間の短縮に成功

中辻社長:「現場と離れた事務所でも、リアルタイムに進捗を確認できるようになったことと、それにより、製品の製作期間を短縮できたことも、大きな導入効果の1つです。
以前は、モノが今どの工程にあるかを探しだすだけで、膨大な時間がかかっていました。そのため、スケジュール変更時の対応が遅れ、製作期間も長引いてしまっていました。さらにそれに伴って、現場での段取り変更や、生産管理部門での納期調整も頻繁に発生していました。
進捗把握にかかっていた時間を削減できたことで、外作や配送など、社外のリードタイムを考慮した日程調整が行えるようになりました。
それが製品の製造期間の短縮にもつながり、お客様からの短納期のご要望に対応できた件数が、以前よりも2~3割増えました。また、お客様に負荷状況をご説明し、納期や案件の優先度などをご相談できるようにもなりました。
急なスケジュール変更にも迅速かつ的確に対応できる自信もついたので、製造現場での段取り替えも、以前より早くなっています。
中でも一番大きな効果は、新しいチャレンジのための時間ができたことです。その結果として、コロナ禍において、すぐに自分たちにできることを選択し、集中することで軽量フェイスシールド<NK-GUARD>を開発、製作することができました。」

見えない化で現場負荷の低減を促進 残業時間を4割削減

中辻社長:「以前から、作業者に余計な負担をかけず、作業に集中できる環境を提供したいという思いがありました。
情報が多すぎると、作業者は本業に集中できなくなってしまいます。そこで、知る必要のない情報を見えない化し、必要最低限の情報を、システムを活用して見える化しました。
例えば作業者は、必要最低限の情報である、何がどこに何個あるのかという情報のみをiPadから送ります。あとはTECHSで、前工程や後工程の進捗状況の確認だけを行っています。
その結果、作業者が現場での作業に専念できるようになり、より製作期間が短縮できました。さらに、技術や技能習得の時間も作れるようになりました。
こういった、見える化する情報の取捨選択や、実績収集や進捗確認工数の削減、製作期間の短縮などにより、以前と比較して、残業時間を4割削減できています。」

今後の展望

中辻社長:「今後は、iPad実績収集オプションの不良情報機能の活用を進めていきます。
現在当社では、不良発生時に上長の判断を必要としているため、基本的に手書きの報告書を使用しています。しかし、不良情報機能を活用すれば、不良発生時にその場で写真を撮影し、不良の数や対処方法、原因などを登録するだけで、すぐに情報をデータベース化できます。
一部の部門では、すでに活用し始めていますが、全社での活用に向けて、今、新しい仕組みを検討しているところです。」

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